歌舞伎町で待ち合わせして会った大阪出身の彼女は、少し話すとすぐに関西人のアクセントがあるのに気づく。「東京に逃げてきて半年くらいになる」と彼女はいったのだが、「東京は思ったより大きい場所やけど、うちはやっぱ大阪のほうがええなぁ」といった。 その理由を聞くと、「なんか東京の男はみんなオカマみたいに見える。おじいちゃんもオカマみたい」といった。格好が女性っぽいというのではなく、「どうも、しゃべりかたが […]
反社会的な言動をしている男は、それが性格だからそうしているのではなくて、じつは脳の総表面積が平均よりも小さいことが原因なのかもしれない。 脳科学者は、行動・認知・感情などの制御で重要な役割を果たす大脳皮質の領域が、こうした男は萎縮していたことを発見している。さらに扁桃体、海馬、視床などの皮質下の領域も体積が小さかった。 要するに、反社会的な言動をしている男は、そういう性格なので問題を起こしているの […]
タクシン・シナワトラはタイを大混乱させ、国民を分断させ、あげくの果てにクーデターで国を放逐された人物である。娘であるペートンタンの登場は、ふたたびタクシンの政治が戻ってくることを意味する。またもやタイは、国民が分断して激しい衝突が起こるのだろうか?(鈴木傾城)
風俗嬢は、出稼ぎで稼いでいる女性が多いのだが、先日話を聞いたのは広島出身の女性だった。彼女は一ヶ月に10日ほど出稼ぎのデリヘル店に所属して、それから20日ほどは広島の自分のマンションに戻るという生活をしていた。 20歳の頃に結婚したのだが、夫は建設作業員で結婚してから1年で仕事を辞めてぶらぶら酒を飲んで暮らすようになってしまった。 そこから彼女が広島の流川でキャバクラやスナックなどの夜の仕事をする […]
タイの麻薬取締局(ONCB)は、2024年の現段階で北部6地区だけでも、すでにドラッグ関連での逮捕者が1,607人となっていることを報告している。 その6地区というのはチェンマイ、チェンライ、メーホンソン、パヤオ、ナーン、タークなのだが、タイでは北部国境地帯がドラッグの製造・密輸拠点となっているのは、50年以上も前から知られている事実である。 タイ・ミャンマー・ラオスの山岳地帯には、政府が管理でき […]
イギリスの『ザ・ガーディアン紙』のソニア・ソーダという女性コラムニストが8月25日に、イギリスではセックスワークという「性的搾取」が蔓延していると述べ、G7では「今後10年で女性と少女に対する男性の暴力を半減させることを宣言すべきではないか」と述べている。 そして、ソニア・ソーダはこのように書く。 「セックスワーカーは、他の女性よりも何倍も殺される可能性が高い」「セックスワーカーは他の女性よりも価 […]
最近、西成区あいりん地区で事件があった。47歳の男がスーパーマーケットで弁当とシャインマスカットを盗んでいたのを保安員に発見された。男は自転車で逃げようとしたときに、とめようとした保安官を怪我させていたのだった。 その際、男は男性と揉み合いになってカバンを落としたのだが、それを拾った女性からカバンを奪い取る際に、女性の指を骨折させる怪我もさせていた。男は逃げたのだが、あとになって警察に出頭してその […]
小説『背徳区、ゲイラン』はシンガポールの公認売春地区(Red-Light District)に立つセックスワーカーの話だが、この中には私が惹かれている女性をひたすら敵視する相手が何人か出てくる。 そのうちのひとりが「カーラ」という、とても派手な容姿をした女性だった。 この小説は、実際にゲイランで私が出会ったセックスワーカーの女性たちや、私の体験や、この当時に起きていた実際の事件などを組み合わせて作 […]
人々はまだ人工知能(AI)が、何か質問を打ったら答えを返してくれたり、絵を描いてくれたり、動画を作ってくれるような便利なツールと考えていて「たしかに役には立つが、それ以上のものではない」という感触を抱いている。 しかし、人工知能の開発に邁進している巨大ハイテク企業が見据えているのは、ゆくゆくは「人間と同等の知能を持つAI」であり、さらにその先にある「人類を超えた超知能AI」である。 このようにいう […]
2020年から2023年までは、パンデミックでアンダーグラウンドが縮小したり閉鎖されたりしていたので、私もアンダーグラウンドから離れて表社会のほうに顔を出していたりしていた。 さすがに表社会は、素晴らしく知的で、びっくりするほど有能で、人づきあいしても気持ちの良い人が多い。これまでアンダーグラウンドでは存在しないような、立派な志の人も多く、彼らを見ていると日本もまだまだ捨てたものではないと感動する […]
真夜中の街をふらふらと歩いていると、酔って千鳥足になった女性をよく見かける。あるいは、道ばたで座って寝てしまった女性もいる。歓楽街でこうした女性がひとりの場合は、たいていは見知らぬ男が品定めでもするかのように寄って声をかけて、女性をどこかに引きずって連れていく。 真夜中のラブホテル街でも、歩くことさえもおぼつかなくなった意識のない女性を抱えるようにして、男がホテルに連れていく姿もよく見かける。 最 […]
(1)からの続き 「ナイジェリア人の店長が脅すわけですか?」 「話し合いとかしたり、なだめたり、ちょっと威圧的にやってみたり。そういうのが、すごく上手な社長だったんですよ。その3軒目のお店は日本人の客はいらないといってました。なんでかっていうと、日本人だとすぐ交番に行かれるので、面倒くさくなるから。それだったら外国人のほうがいいっていってました」 それから彼女は意味ありげに笑った。 「まあ、でも交 […]
歌舞伎町を歩いていると、多くの黒人が客引きをしている。彼らの用語で客引きのことを「フライヤー」と呼ぶ。 フライヤーをやっている黒人の多くはキリスト教徒のナイジェリア人なのだが、インバウンドが活発になった2010年代あたりから、彼らは主に歌舞伎町にくる外国人相手に、ナイジェリア人が経営する「ぼったくりバー」に連れていくようなビジネスをするようになっていた。 このナイジェリア人が経営するぼったくりバー […]
詐欺師は凶悪な顔をしてやってくるのではない。甘い顔をしてやってくる。だから、最初は騙されるかもしれない。しかし、いったん問題を感じたら、そこからうまく逃げる能力を持たなければならない。うさんくさいもの、どうでもいいものにかかわったときはどうするのか?(鈴木傾城)
ヒト・モノ・カネが全世界を飛びまわるのがグローバル化の正体である。モノとカネは早くから国境を越えて世界中をめぐっていた。そして、LCC(格安航空会社)が主流になっていくと、いよいよヒトもビジネスや観光でボーダーレスの移動をするようになっていった。 インバウンドを支えているのはLCCで「安く移動できるようになった」からでもある。その結果、ヒトと一緒に風土病や伝染病もまた世界中に伝播して、パンデミック […]
所持金がなくなって、にっちもさっちもいかなくなってしまったら、窃盗や強盗を考える男もそれなりにいる。地道に働いて稼ぐとか、節約して暮らすとか、そういうことはいっさいしないで、手っ取り早く他人から奪ってカネを作ろうと思う。 働くのはつらいことだし、節約するのはストレスが溜まる。他人から奪うことができたら一瞬でカネが手に入るので、やってみる価値があるように見えるのだ。たしかに、逮捕される危険性もあるが […]
タイの歓楽街では、ふたたびHIV・エイズ感染者が増えてきている。政府当局は「未成年がコンドームを使わない性行為をするようになったのが原因」と述べているのだが、アンダーグラウンドの男たちが使っているサイトをのぞいてみると、彼らは別の要因を噂している。 今、タイの歓楽街にはアフリカからきたセックスワーカーが、かなり目立つようになってきているのだが、もしかしたら彼女たちも感染拡大の要因のひとつとして上げ […]
若さを失っていくと、だんだん疲れやすくなる。身体もだるい。やる気もなくなるし、集中力も途切れて何をしても中途半端になってしまう。あげくの果てに仕事もしたくないという気持ちにとらわれてしまうこともある。 だいたい50代でそうした症状を感じる人が続出するのだが、中には40代でもそうなってしまう人がいる。何かの病気なのかといぶかって病院にいっても、目立って何かが悪いわけでもない。それなのに、ただわけもな […]
「弱者男性」とは、低賃金で、独身で、恋人もおらず、容姿も恵まれておらず、友人もおらず、若くもない男性を指す言葉である。実際に弱者男性が社会で目立つようになっている。この弱者男性の正体は、「貧困者」に他ならない。弱者男性の問題とは、貧困問題なのだ。(鈴木傾城)
ムンバイ周辺に広がるスラム地区「ダラビ(Dharavi)」の古ぼけた家屋をすべて破壊して、ここにハイセンスな超高層ビルをいくつも作る計画が持ち上がっている。先頭に立って進めているのがインドの富豪ゴータム・アダニが所有する企業なのだが、この計画に対してスラムの住民の大半が不安を感じている。 開発がはじまったら、彼らの家屋は無償で提供されるという約束はあるのだが、彼らのビジネスや共同体や慣れ親しんだ場 […]
ひさしぶりに講演する予定です。お時間ある方はどうぞいらしてください。ものすごくヘヴィーな話をさせて頂きます。でも、ブラックアジアの読者ならもうみんな御存知かもしれませんが……。日時:8月14日(水)午後14時会場 開始:14時30分場所:人形町区民館1・2号室(中央区日本橋人形町2-14-5))講師:鈴木傾城(作家・ルファーブロガー)演題「拡大する底辺から見た現代日本の危機」入場料:1000円問合 […]
映画『バクシャクー犯罪の告発ー』を観た。この映画は実話の映画化で、2018年にインドのビハール州ムザファルプル児童保護施設で起きた事件を基にしている。 外側から鍵がかけられ、密閉状態となった児童保護施設に数十人の少女が「保護」されていたのだが、この施設の運営にかかわる男ども全員が少女たちを恒常的に性虐待していた。それだけでなく、人知れず殺害しては闇に葬っていた。 少女たちは一室に数十人つめこまれて […]
日本では各地で局地的なゲリラ豪雨が都市や街を襲いかかって、甚大な被害をもたらしている。世界に目を転じても、今までは考えられなかった超弩級のハリケーン、洪水、猛暑、山火事が、次々と発生している。このままでは都会で飢餓が発生することもありえる。(鈴木傾城)
ハイエナ稼業をしていると、アンダーグラウンドで多くの女性と会うことになる。そして気づくのは、どこの国でも社会の裏側で生きる女性の少なからずが「男」で苦しんでいることだ。これには「例外がない」というくらい、そうなのだ。 不幸な女性の多くは、血も涙もないようなサディスティックな男や、社会適応能力がゼロな男や、経済観念がまるっきりない男などと深くかかわっている。 彼女たちは、そういう男と結婚していたり、 […]
ホストクラブという極悪ビジネスは女性に法外なツケ(売掛金)を負わせて、その女性を風俗店に売り飛ばしたり、路上に立たせて客引きさせたりする手口で儲けているのだが、最近は全国のホストクラブであきれるほどの逮捕者を出している。 ホストクラブのメッカといえば新宿・歌舞伎町なのだが、ここ最近でも業界では有名なホストクラブのホストたちが逮捕されている。女性にツケを負わせて風俗店に紹介し、ひとり紹介するごとに4 […]
タイ・パタヤは巨大な歓楽街として全世界に名がとどろいている場所である。パタヤは、1960年代まで小さな漁村と静かなビーチしかなかった。しかし、ベトナム戦争時に米軍の一時的な中継地として使われるようになって、ビーチ沿いにゴーゴーバーやオープンバーが建つようになった。 ベトナム戦争が終わると、ここには米軍の代わりにリタイアしたファラン(白人)たちがやってくるようになって、彼らだけの歓楽地として機能する […]