◆セックスワーカーにかかわる男は「暴力犯罪を犯す可能性が高くなる」のか?
イギリスの『ザ・ガーディアン紙』のソニア・ソーダという女性コラムニストが8月25日に、イギリスではセックスワークという「性的搾取」が蔓延していると述べ、G7では「今後10年で女性と少女に対する男性の暴力を半減させることを宣言すべきではないか」と述べている。 そして、ソニア・ソーダはこのように書く。 「セックスワーカーは、他の女性よりも何倍も殺される可能性が高い」「セックスワーカーは他の女性よりも価 […]
イギリスの『ザ・ガーディアン紙』のソニア・ソーダという女性コラムニストが8月25日に、イギリスではセックスワークという「性的搾取」が蔓延していると述べ、G7では「今後10年で女性と少女に対する男性の暴力を半減させることを宣言すべきではないか」と述べている。 そして、ソニア・ソーダはこのように書く。 「セックスワーカーは、他の女性よりも何倍も殺される可能性が高い」「セックスワーカーは他の女性よりも価 […]
小説『背徳区、ゲイラン』はシンガポールの公認売春地区(Red-Light District)に立つセックスワーカーの話だが、この中には私が惹かれている女性をひたすら敵視する相手が何人か出てくる。 そのうちのひとりが「カーラ」という、とても派手な容姿をした女性だった。 この小説は、実際にゲイランで私が出会ったセックスワーカーの女性たちや、私の体験や、この当時に起きていた実際の事件などを組み合わせて作 […]
人々はまだ人工知能(AI)が、何か質問を打ったら答えを返してくれたり、絵を描いてくれたり、動画を作ってくれるような便利なツールと考えていて「たしかに役には立つが、それ以上のものではない」という感触を抱いている。 しかし、人工知能の開発に邁進している巨大ハイテク企業が見据えているのは、ゆくゆくは「人間と同等の知能を持つAI」であり、さらにその先にある「人類を超えた超知能AI」である。 このようにいう […]
2020年から2023年までは、パンデミックでアンダーグラウンドが縮小したり閉鎖されたりしていたので、私もアンダーグラウンドから離れて表社会のほうに顔を出していたりしていた。 さすがに表社会は、素晴らしく知的で、びっくりするほど有能で、人づきあいしても気持ちの良い人が多い。これまでアンダーグラウンドでは存在しないような、立派な志の人も多く、彼らを見ていると日本もまだまだ捨てたものではないと感動する […]
真夜中の街をふらふらと歩いていると、酔って千鳥足になった女性をよく見かける。あるいは、道ばたで座って寝てしまった女性もいる。歓楽街でこうした女性がひとりの場合は、たいていは見知らぬ男が品定めでもするかのように寄って声をかけて、女性をどこかに引きずって連れていく。 真夜中のラブホテル街でも、歩くことさえもおぼつかなくなった意識のない女性を抱えるようにして、男がホテルに連れていく姿もよく見かける。 最 […]
(1)からの続き 「ナイジェリア人の店長が脅すわけですか?」 「話し合いとかしたり、なだめたり、ちょっと威圧的にやってみたり。そういうのが、すごく上手な社長だったんですよ。その3軒目のお店は日本人の客はいらないといってました。なんでかっていうと、日本人だとすぐ交番に行かれるので、面倒くさくなるから。それだったら外国人のほうがいいっていってました」 それから彼女は意味ありげに笑った。 「まあ、でも交 […]
歌舞伎町を歩いていると、多くの黒人が客引きをしている。彼らの用語で客引きのことを「フライヤー」と呼ぶ。 フライヤーをやっている黒人の多くはキリスト教徒のナイジェリア人なのだが、インバウンドが活発になった2010年代あたりから、彼らは主に歌舞伎町にくる外国人相手に、ナイジェリア人が経営する「ぼったくりバー」に連れていくようなビジネスをするようになっていた。 このナイジェリア人が経営するぼったくりバー […]
ヒト・モノ・カネが全世界を飛びまわるのがグローバル化の正体である。モノとカネは早くから国境を越えて世界中をめぐっていた。そして、LCC(格安航空会社)が主流になっていくと、いよいよヒトもビジネスや観光でボーダーレスの移動をするようになっていった。 インバウンドを支えているのはLCCで「安く移動できるようになった」からでもある。その結果、ヒトと一緒に風土病や伝染病もまた世界中に伝播して、パンデミック […]
所持金がなくなって、にっちもさっちもいかなくなってしまったら、窃盗や強盗を考える男もそれなりにいる。地道に働いて稼ぐとか、節約して暮らすとか、そういうことはいっさいしないで、手っ取り早く他人から奪ってカネを作ろうと思う。 働くのはつらいことだし、節約するのはストレスが溜まる。他人から奪うことができたら一瞬でカネが手に入るので、やってみる価値があるように見えるのだ。たしかに、逮捕される危険性もあるが […]
タイの歓楽街では、ふたたびHIV・エイズ感染者が増えてきている。政府当局は「未成年がコンドームを使わない性行為をするようになったのが原因」と述べているのだが、アンダーグラウンドの男たちが使っているサイトをのぞいてみると、彼らは別の要因を噂している。 今、タイの歓楽街にはアフリカからきたセックスワーカーが、かなり目立つようになってきているのだが、もしかしたら彼女たちも感染拡大の要因のひとつとして上げ […]
若さを失っていくと、だんだん疲れやすくなる。身体もだるい。やる気もなくなるし、集中力も途切れて何をしても中途半端になってしまう。あげくの果てに仕事もしたくないという気持ちにとらわれてしまうこともある。 だいたい50代でそうした症状を感じる人が続出するのだが、中には40代でもそうなってしまう人がいる。何かの病気なのかといぶかって病院にいっても、目立って何かが悪いわけでもない。それなのに、ただわけもな […]
ムンバイ周辺に広がるスラム地区「ダラビ(Dharavi)」の古ぼけた家屋をすべて破壊して、ここにハイセンスな超高層ビルをいくつも作る計画が持ち上がっている。先頭に立って進めているのがインドの富豪ゴータム・アダニが所有する企業なのだが、この計画に対してスラムの住民の大半が不安を感じている。 開発がはじまったら、彼らの家屋は無償で提供されるという約束はあるのだが、彼らのビジネスや共同体や慣れ親しんだ場 […]
映画『バクシャクー犯罪の告発ー』を観た。この映画は実話の映画化で、2018年にインドのビハール州ムザファルプル児童保護施設で起きた事件を基にしている。 外側から鍵がかけられ、密閉状態となった児童保護施設に数十人の少女が「保護」されていたのだが、この施設の運営にかかわる男ども全員が少女たちを恒常的に性虐待していた。それだけでなく、人知れず殺害しては闇に葬っていた。 少女たちは一室に数十人つめこまれて […]
ハイエナ稼業をしていると、アンダーグラウンドで多くの女性と会うことになる。そして気づくのは、どこの国でも社会の裏側で生きる女性の少なからずが「男」で苦しんでいることだ。これには「例外がない」というくらい、そうなのだ。 不幸な女性の多くは、血も涙もないようなサディスティックな男や、社会適応能力がゼロな男や、経済観念がまるっきりない男などと深くかかわっている。 彼女たちは、そういう男と結婚していたり、 […]
ホストクラブという極悪ビジネスは女性に法外なツケ(売掛金)を負わせて、その女性を風俗店に売り飛ばしたり、路上に立たせて客引きさせたりする手口で儲けているのだが、最近は全国のホストクラブであきれるほどの逮捕者を出している。 ホストクラブのメッカといえば新宿・歌舞伎町なのだが、ここ最近でも業界では有名なホストクラブのホストたちが逮捕されている。女性にツケを負わせて風俗店に紹介し、ひとり紹介するごとに4 […]
タイ・パタヤは巨大な歓楽街として全世界に名がとどろいている場所である。パタヤは、1960年代まで小さな漁村と静かなビーチしかなかった。しかし、ベトナム戦争時に米軍の一時的な中継地として使われるようになって、ビーチ沿いにゴーゴーバーやオープンバーが建つようになった。 ベトナム戦争が終わると、ここには米軍の代わりにリタイアしたファラン(白人)たちがやってくるようになって、彼らだけの歓楽地として機能する […]
タイの首都バンコク・RCAエリアの午前4時過ぎ、若いタイの女性が、酔って前後不覚の状態でベンチに座っていた。27歳の、やはり酔っていた日本人の男がそれを見て、彼女に声をかけてホテルに誘った。 RCA(ロイヤルシティアベニュー)といえば、バンコク最大級のエンターテインメントエリアのひとつとして知られている場所だ。多くのクラブやバーが集中しており、バンコクの夜遊びの中心地である。 彼女はそこで夜通し遊 […]
2023年に公開されたタイの映画『レッドライフ(Red Life)』を観た。タイのインディーズ映画としては珍しく劇場公開された映画ということなのだが、貧困の中でもがきながら生きる層に焦点を当てており、見応えがある。 映画は、強盗やかっぱらいをして生きている無学の男「ター」と、母親がセックスワークをしながら学費を捻出していることに複雑な感情を持って生きている貧しい女子高校生「ソム」の二人が中心として […]
宝くじが当たって、使いたい放題の浪費をして、あっという間に貧困層に逆戻りするような話を聞く。映画『To Leslie トゥ・レスリー』でも、そうした女性が描かれて話題になった。(ブラックアジア:映画『To Leslie トゥ・レスリー』深刻なアルコール依存の女性を描いた物語) 親の遺産が入って気が大きくなり、高級マンションに住んで贅沢三昧したり、高級車を買って乗り回したり、酒と女に溺れて身を持ち崩 […]
ドナルド・トランプが副大統領候補として選んだのは、J.D.バンスという上院議員だった。1984年8月2日生まれの39歳なのだが、彼の半生は自伝『ヒルビリー・エレジー:アメリカの繁栄から取り残された白人たち』に描かれ、後にそれが名匠ロン・ハワード監督で映画化されている。 この映画を見てみた。 彼の住んでいたのはラストベルト(錆びついた工業地帯)と呼ばれる貧困地域で、彼もまた貧困層出身で、ドラッグ依存 […]
最近、少し衝撃を受けたことがある。「ストリート・チルドレン」のことだ。ストリート・チルドレンというのは、孤児だったり、親に捨てられたり、貧困で家を持たなかったりして、路上生活を強いられている子供たちのことである。 かつては東南アジアにもストリート・チルドレンは大勢いた。1990年代後半のカンボジアも、中央市場(プサー・トメイ)の近辺にはボロを着たストリート・チルドレンがたむろして私にカネをねだりに […]
今、カンボジアのセックスワークは完全にガールズバー(ファランのあいだではホステスバー)が中心になっている。タイでいうところのオープンバー・ゴーゴーバーに近い形態のバーである。 プノンペンには136ストリートと、その近隣のいくつかのストリートにこうした店が林立していて、そこに多くの若いカンボジア女性が薄暗がりで客を待っている。 プノンペンには、他にもマッサージ屋もあって、そこでも多くの女性たちが働く […]
ブラックアジアはもう24年前から続いているサイトであり、当時の30代40代の読者はすでに50代後半や60代となっている。 初期のブラックアジアの読者は、ほぼ全員が東南アジアの歓楽街、いや歓楽街のもっとも暗い部分である背徳区(Red-light District)にどっぷり沈んでいたわけで、今でも社会からはぐれていたり、ひとり身であることが多い。 表社会の普通の男たちのように「サラリーマンになって、 […]
日本には風俗店が山ほどあって、風俗嬢も30万人くらいいる。そして、風俗業界は5兆円規模の市場であるともいわれている。この数字を見ると、かなり風俗嬢とかかわる男は多いような気もする。 正確な統計はないが、風俗嬢とかかわったことのある男は「全体の10%から20%程度ではないか」と述べている統計が多い。20%で算出すると、どれくらいの人数が風俗嬢とかかわっているのか。 総務省統計局の「人口推計(2022 […]
男から金を収奪することだけを考えて色恋を仕掛ける女は、情報商材などで互いに手口を交換しているのだが、彼女たちの詐欺マニュアルを見ると、最初に「カネをくれそうな男を選別するのが大切」だと書いている。 どういう男が対象になるのかというと、「人に与えることを優先して考える」「与えてもらうことは考えてない」「困ってる女の子は助けたい」「お金は減るけどこの子が助かるならうれしい」「自分が救ってあげたい」とい […]
閲覧注意 アメリカには全米性的搾取対策センター(National Center on Sexual Exploitation)という団体がある。 この団体は、セックスワーカーがいかに暴力を受けやすいのかを報告しているのだが、それによると、「アメリカのセックスワーカーは、45〜75%が性的暴力を受ける」という結果となっていた。 セックスワークといっても室内のものから、路上に立って客引きをするものまで […]