閲覧注意
アメリカには全米性的搾取対策センター(National Center on Sexual Exploitation)という団体がある。
この団体は、セックスワーカーがいかに暴力を受けやすいのかを報告しているのだが、それによると、「アメリカのセックスワーカーは、45〜75%が性的暴力を受ける」という結果となっていた。
セックスワークといっても室内のものから、路上に立って客引きをするものまで数限りなく種類があるのだが、この中でもっとも危険なのは屋外のセックスワークである。施設内でのセックスワーカーが性的暴力を受ける確率は45%のほうに近いのだが、屋外のセックスワーカーは75%のほうに近づく。
場所的にも危険度が違ってくるのだが、サンフランシスコで働くセックスワーカーの調査では、調査参加者の82%が「セックスワークをはじめてから何らかの身体的暴力を受けた」と報告している。82%といえば、もう「ほぼ大半」のセックスワーカーたちが暴力を受けていたということでもある。
セックスワーカーが受けた性的暴力とは具体的にどういうものか。セックスワークの被害をまとめた別の調査機関では、セックスワーカーがこれまでに経験した暴力として、以下のようなものがあったと詳細を列挙している。
「平手打ち、蹴り、殴打」「罵声・恐喝」「強盗」「武器で脅される」「強制的な拘束」「首を絞められる」「オーラルセックスを強要される」「膣内へのレイプ」「アナル・レイプ」「拉致・監禁」「コンドーム拒否」「強制的膣内射精」
この中でもっとも多い暴力は「平手打ち、蹴り、殴打」で半数近くのセックスワーカーは経験しているのだった。
なぜ、路上に立つセックスワーカーのほうが被害に遭う可能性が高いのか。それには、もちろんいくつもの理由がある。もっとも大きいのは……