◆極貧の中で暮らす家族が、娘を「生き延びさせるため」に苦界に送り込む

◆極貧の中で暮らす家族が、娘を「生き延びさせるため」に苦界に送り込む

今、カンボジアのセックスワークは完全にガールズバー(ファランのあいだではホステスバー)が中心になっている。タイでいうところのオープンバー・ゴーゴーバーに近い形態のバーである。

プノンペンには136ストリートと、その近隣のいくつかのストリートにこうした店が林立していて、そこに多くの若いカンボジア女性が薄暗がりで客を待っている。

プノンペンには、他にもマッサージ屋もあって、そこでも多くの女性たちが働く。そして、ワット・プノンのロータリーにはストリート売春をする女性たちもいる。

こうした女性たちの救済を目指しているNGO団体によると、彼女たちのほぼ全員が貧困家庭出身の地方からきた女性たちであると報告している。今も昔もこの点についてだけは変わっていない。

カンボジアは貧困が急激に減少し、問題だった児童売春もかなり減った。しかし、依然として農村は経済発展から取り残されており、「貧しさゆえの性労働」という構図は今もまったく変わっていない。

ただ、貧困の度合いでいうと、1990年代は今よりもずっと貧困の度合いがひどかった。

原始共産主義を標榜したポルポト政権のめちゃくちゃな政治と大量虐殺で国は崩壊し、その後も内戦が続いて国情は落ち着かなかった。それがカンボジアの貧困を深いものにした。

この国の内戦がやっと終結したのが1993年であった。その1993年の光景については、カメラマンの市来豊氏が写真に収めている。(Amazon:カンボジア1993写真集

私自身がこの国を訪れたのは1990年代の終わりだが、その頃は首都プノンペンですらも信号がなく、どこのホテルもしばしば停電した。舗装された道路は一部で空港から都内に入る道も砂塵が舞っていた。そんな国だった。

この貧困の中で、カンボジアの人々は生きるのに必死だった。

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