

◆冷気茶室。男の天国、女の地獄と呼ばれた、バンコクの魔窟
タイの首都バンコクにあるヤワラー(Yaowarat)はチャイナタウンである。このエリアは「魔窟《まくつ》」と呼ばれるに相応しい場所だ。迷路のように入り組んだ道にひしめく細々とした店、古ぼけて骨董品のようになった建物。金行・食堂・ペット屋・雑...

◆【連載記念特典】パッポンのマイ。なぜ自分はここまで堕ちたのかと、涙した
連載記念特典! この内容は『ブラックアジア 売春地帯をさまよい歩いた日々 タイ編』の中から「パッポンのマイ」を〝全編〟掲載しています。『アジアの暗黒街で愛を探した男』で登場したマイは彼女のことです。会員の方はぜひお読みください。二十歳《はた...

◆男をカモにする女。女が計算に弱いとは、誰が言ったのか?
東南アジアには、驚くほど美しい女がいる。カンボジア・プノンペンの薄汚れた置屋にも、ジャカルタの売春窟にも、タイ南部のスンガイコーロクの寂れた置屋にも……。特に、アジア最大の歓楽街と言われていたパッポンの華やかなゴーゴーバーの一角では、思わず...

◆テルメ。バンコクの援助交際バーに、売春女性が一堂に集う
バンコクにはコーヒーショップと言われる場所がある。グレース・ホテルのコーヒーショップは昔から有名だったが、最も隆盛を誇っているのは『テルメ(Thermae Coffee House)』である。あまりにも売春する女性たちが集まり過ぎて、タイの...

◆パッポン。ベトナム戦争が作り上げたアジア最大の歓楽地
東南アジアきっての歓楽街、世界で名だたる売春地帯、アルコールと音楽、退廃とエイズ、美しい女と妖しいガトゥーイ(性転換者)のあふれた現代のソドム。多くの男たちの人生を狂わせた街、それがバンコクの一角にある毒々しい不夜城『パッポン』である。パッ...

◆売春バー・テルメの女性。出会っては別れ、別れては出会う
彼女はバンコクのテルメで働く現役の女性だ。多くの日本人男性が彼女を知っており知名度も高い。だからあえて名前は伏せておきたい。彼女と知り合ったのは一九九八年も暮れかかろうとしていた頃だった。初めて会ったとき、彼女はまわりの派手な女性たちに比べ...

◆ガトゥーイ。人は女には生まれない。女になるのだ
タイ・バンコク。胸が悪くなるような排気ガスや、めまいがするほど強烈な太陽はここにはたっぷりある。バックパックを背負ってこの街を歩いていると、そのうちに倦怠感が襲ってくる。しまいに行き先も分からなくなる。街の中で途方に暮れて突っ立っていると、...

◆キル・ベイビー 。彼女は妊娠と性病とエイズの恐怖に泣いた
悲劇は突然やってくる。前触れなどまったくない。この日もそうだった。まだ堕落の街が堕落を剥き出しにしていた一九九九年頃、健在だったライブ・バーに寄ってみようと考えた。かつてはライブ・バーも、その頃は行かなくなっていた。しかしどういうわけか、そ...

◆小悪魔のワナ。数を撃てば当たる戦略からラブレター本まで
パッポンのゴーゴーバー『キング・キャッスル』で、ある女性と意気投合したことがあった。情熱的で素晴らしい女性だった。一晩、彼女と一緒に過ごした。しかし、やがて朝がやってきて彼女は帰らなければならない。意気投合した仲で、別れがとても名残惜しい。...

◆寂しがり屋のクーン。彼女が見つけたのはフェラチオの仕事
『スター・オブ・ラヴ』というバーがあった。バンコク・パッポンの中程に位置するあまり目立たない特殊なバーである。このバーはゴーゴーバーではないので、半裸で踊り狂う女性はいない。待機する女性も五人前後である。細長いカウンターと、擦り切れたような...

◆ブードゥーのパット。熱射病と、オープン・バーの人間模様
シンガポールで軽い日射病になった。しかし、もう航空券は取っていたので無理やり起きあがって空港に向かい、そのまま飛行機に乗り込んで何とかバンコクまでたどり着いた。いつもはエアポートバスをのんびり待ちながら空港に出入りする人たちの姿を見ているの...

◆狂気に憑かれたような目で、ゆっくり首を絞めてきたナーム
この日、久しぶりにソイ・カウボーイを歩いていた。ソイ・カウボーイは面白いストリートだ。バーの女性たちは店の入口で客を呼び込むのではなく、道を数人の女性で塞《ふさ》ぐように立ち尽くして、やって来る男に抱きついてくる。女性から目を反らしていれば...

◆ヤワラーの荒んだ旅社で知り合った貧しい女性と赤ん坊
私には数年に渡って体調が悪かった頃があった。絶え間ない頭痛、吐き気、めまい、聴力低下がずっと続いて良くなるときと悪くなるときが周期的に襲ってきた。体調が悪くて日本の自室でじっとしていると、どうしても気が滅入って死にたくなってしまう。悩んだ末...

◆名前も国籍も知らないのに、あなたと結婚したいという女
イサーンの入口と言われているコラート(ナコン・ラチャシーマ)はバンコクから二五〇キロほど離れたところにある。東西に細長い都市で、タオ・スラナリ像を中心として、東側が旧市街、西側が新市街になっている。バンコクのように高い高層ビルが林立している...

◆白昼夢。「普通の人間」になろうと努力していたときのこと
ときどき、自分の心が日本にないことに気がつくことがある。目を開けたままアジアの白昼夢を見ているのだ。日本にいても、ふと見かけたアジアの女たちだけを見ている自分に気がつく。真夜中には夜の街にアジアの女たちを見付け、なぜ日本にいてもこれほどまで...

◆「久しぶり」と声をかけてくれた女性を覚えていなかった
真夜中だったが、派手な格好をした夜の女と、酔った男たちが大騒ぎしていた。相変わらず、バンコクはにぎやかだった。ソイ・カウボーイを出て、スクンビット通りを『テルメ』の方向に向かってふらふらと歩いていく。高架鉄道BTSのアソック駅ができてからだ...

◆理不尽に金を失う夜の街で、スリや強盗よりも危険なのは?
バンコクのソイ・カウボーイに、バカラ( Baccara )という店がある。あまり好きではないが、たまに趣向を変えようと数年ぶりに行ってみた。昔と変わらず、見上げると天井がガラス張りになっており、そこにスカートをはいたダンサーが踊っている。男...

◆破滅。欲望の街で死んでいった男たちの怨念が、身に染みた
破滅するということはどういうことだろう。男がドラッグとセックスで破滅していくのは珍しいことではない。ずっと夜の闇をさまよってきていると、普通の人よりも破滅していく男を間近に見ることができる。また、間接的にもよく破滅した男のことを見たり聞いた...

◆鈴木傾城は「私、エイズなのよ」とつぶやいた女を抱いた
この日のバンコクは異様に暑かった。かなりの夜更かしをしたので、起き出したのは昼前だったが、ホテルから一歩外に出ると、すでに耐え難い暑さになっている。昼食を食べようと外に出てはみたものの、あまりの暑さに食欲が失せた。喉《のど》が渇いたので何か...

◆女の息づかい。目的はすでに失われ、ただ反復しているだけ
他国を巡ってバンコクに戻る。すでに夜になっていた。体調はあまりよくない。旅の途上であまりにいろいろなことがありすぎて疲労が蓄積していた。スクンビット通りやパッポンは人が多いので寄りたいとは思わなかった。しかし、ヤワラー(チャイナタウン)はま...

◆饒舌でドラマチックなノイ。彼女は涙を流してそれを話した
ノイという女性がバンコクのオープンバーがいた。スクンビットのナナ駅からアソークに歩いていく途中のオープンバーにいた小柄な女性だった。彼女は今まで知り合ったタイ女性の中で、もっとも英語が流暢だと言っても過言ではないほど素晴らしい英語を話した。...

◆白人が好きだと言って、やがてドイツ人と結婚したディラン
断片的にしか思い出せない女性がいる。覚えていることのひとつひとつは鮮明なのだが、虫食いのように途中の記憶が消えていて、全体像がつかめない。しかし、忘れがたい。ディランという男性名を持つパッポンで知り合った「女性」は、まさにそんな想い出のひと...

◆後味が悪すぎた別れ。「甘い言葉の過食」も人生に悪い?
バンコクの売春地帯に沈没していたとき、あるゴーゴーバーで、カモシカのように脚の長い痩身《スキニー》な女性がいた。名前は忘れてしまった。それほど美人ではなかったが、彼女はとても人気があった。美しい女が他に山ほどいたのだが、それでも彼女の人気は...

「あなたがお金を持っているのは知ってる」と言うダーダ
タイの首都バンコク「アラブ人街」から、人の波に揺られながらスクンビット通りを渡ってしばらく歩くと、ファランたちで混雑しているオープンバーがあって、NEP(ナナ・エンターテーメント・プラザ)がある。ここはゴーゴーバーが集積した特別な一角だ。中...

◆フアランポーン駅に立っている下層の女。今もタイにはこんな女性がいた
タイ・バンコクのヤワラー地区には、今も夜になったら女たちが立つ。かつては大陸から来た中国人女性が立っていたことがあるのだが、久しぶりに行くと彼女たちはひとりもいなくなっていた。タイには諸外国から女性が売春ビジネスのために流れ込んでくる国であ...



