タイ編タイ・バンコク。熱帯の夜の喧噪の街をゆっくりと歩いていると、真っ正面から黒いボディ・コンシャスに身を包んだ白人女性が近づいて来た。売春ビジネスに関わる女独特の視線が絡みついてきた。それに応えると、女は流し目を投げて"How are you ?"(ご機嫌はいかが?)とていねいな口調で尋ねた。肌はきれいなホワイト、彫りの深い顔立ち、ふんわりと仕上げた肩までのショートカットは黒髪。まっすぐこちらを見つめるその瞳の色は透明度の高い灰色と言えばいいのか、茶色を限りなく灰色にした色と言えばいいのか、日本...
タイ編真夜中だったが、派手な格好をした夜の女と、酔った男たちが大騒ぎしていた。相変わらず、バンコクはにぎやかだった。ソイ・カウボーイを出て、スクンビット通りをふらふらと歩いていく。高架鉄道BTSのアソック駅ができてからだと思うが、この当たりにも女たちが立つようになったのは興味深い。ロビンソン・デパートを少し過ぎたとき、道のわきに立っていた女が"Oh !!"(まあ!)と言いながら、そばに寄ってきた。"Long time no see!"(久しぶりね!)見覚えがなかった大きく胸元の開いた白い服を着てい...