『絶対貧困の光景』は、書き下ろしの内容が多かった。物乞いで生きる女性たち、あるいはソナガチのアビーとの出来事はこの書籍だけで書いた内容である。ここでも売春の世界を扱っていることは扱っているのだが、それだけでなく、物乞いの女性たちや、スラムの村の子供たちの話なども書いている。だから、何とかこの書籍を復刻させたいとずっと思っていた。
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
今度はペーパーバックで復刻できたことの喜び
『絶対貧困の光景 夢見ることを許されない女たち』を電子書籍だけでなく、今度はペーパーバック(書籍)化で復刻することができた。ペーパーバックは、こちらで手に入れることができる。
書籍版は出版社が事業清算してしまって絶版になっていて長らく手に入らない状態だったが、今後はAmazonのペーパーバックでいつでも手に入れることができるようになった。
まだ、この書籍『絶対貧困の光景』をお読みになっておられない方は、ぜひこれを機会に手に取って頂ければ嬉しく思う。
インドが中国を尻目に飛躍的に経済発展するのは、これからであると私は考えている。今は「まだ」インドも極度の貧困が残っている。そうした貧困はどのようなものなのか、それを考える一端として参考になると思う。
私の本を4冊出版してくれたラピュータという出版社が、昨今の出版不況によって力尽きてしまったのは以前に書いた。(ブラックアジア:ブラックアジアの出版元である「ラピュータ」が力尽きてしまったこと)
この4冊のうちの1冊『絶対貧困の光景』は、書き下ろしの内容が多かった。物乞いで生きる女性たち、あるいはソナガチのアビーとの出来事はこの書籍だけで書いた内容である。
ここでも売春の世界を扱っていることは扱っているのだが、それだけでなく、物乞いの女性たちや、スラムの村の子供たちの話なども書いている。だから、何とかこの書籍を復刻させたいとずっと思っていた。
去年の6月には電子書籍で復刻し、今度はペーパーバックで復刻できたので、今度は私の管理の元でこの書籍を愛しつつ誰もが気軽に手に入れられるようにしていきたい。
ちなみに今の段階でペーパーバック化できているのは以下のものだ。
小説『スワイパー1999: カンボジアの闇にいた女たち』
小説『コルカタ売春地帯: インド最底辺の女たちとハイエナの物語』
小説『カリマンタン島のデズリー: 売春と愛と疑心暗鬼』
ルポ『絶対貧困の光景: 夢見ることを許されない女たち』
小説に関して言えば、『グッドナイト・アイリーン』や『ストレッチマーク』もあるのだが、こちらは短編でペーパーバック化する分量になっていないので、今はどうしたものかと見合わせている。いつかペーパーバック化するにしても、後回しになると思う。
[復刻版]絶対貧困の光景: 夢見ることを許されない女たち
すっかりインドから縁が切れていたはずなのに
『絶対貧困の光景』に登場する女性たち、そしてスラムの人たちは私は今でも思い入れが深い。
この書籍を書いたのは2014年のことなのだが、私がインドを何度も何度も反芻するように行っていたのは、その10年前の2003年から2004年頃だった。
インド売春地帯をさまよい歩いていた日々のことはこちらにまとめている。ハイエナ稼業をして生きていた頃で、もっとも過酷な時期だった。インドの売春地帯は苦行に近かった。(ブラックアジア 売春地帯をさまよい歩いた日々:インド・バングラ編)
インドに行かなくなって10年経っても私はずっとインドのことが頭に離れなくて、以後もずっとインドに関心を持ち続けていた。
インドの経験もあまりにも強烈だったので、その時に知り合った女性をモデルにして小説まで書いたほどだ。(コルカタ売春地帯: インド最底辺の女たちとハイエナの物語)
『売春地帯をさまよい歩いた日々』でたっぷりインドの話を書いて、さらに小説でも書きたいと思うくらい「インド売春地帯の体験」は、私にとっては強烈だったということでもある。
2014年頃は、もうすっかりインドから縁が切れていたはずなのに、私はしばしばインドのことを思い、インドで知り合った女性たちのことを想った。
それで、ふと10年ぶりにインドに向かった。一口に「10年」と言うが、10年は誰にとっても短い時間ではない。さすがに10年も経てばインドの貧困問題も解決している部分もあるのだろうと私は何となく思っていた。
しかし実際に10年目にインドを再訪すると、私の思いは甘かったことを知る。インドは経済発展して、どんどん経済的に豊かになっているはずだった。実際には、インドの底辺(ボトム)はどうだったのか。
貧困はまったく何も解決していなかった。貧困層は貧困のまま、物乞いは物乞いのまま、貧困売春もそのまま、10年前に訪れたことのあった売春宿もまた10年という時の流れなどなかったかのように「そのまま」残っていた。
すぐに[復刻版]を出そうと動き始めた
複雑な思いを抱いて日本に戻った。そこから生まれたのが、この『絶対貧困の光景』だった。
そんな経緯があって生まれた書籍なので、出版社が潰《つい》えて一緒にこの書籍も消え去ってしまうのはとても悲しく思い、4月からすぐに[復刻版]を出そうと動き始めた。
原稿は私に著作権があり、書籍で使用した写真もすべて私が著作権がある。会社が清算された以上、著作権はすべて私に戻っているのでその方面は問題ないのだが、問題は書籍の最終データが私の手元にはなかったことだ。
そこで私が最初にしたのは、この書籍を編集してくれた編集者にコンタクトを取ることだった。復刻するために、この書籍の最終的な版のデータを手に入れたいと考えた。
しかし、すでにラピュータは事業清算しているので会社は残っておらず、サイトの消えており、所有している名刺の会社のメールアドレスも使用不可になっていた。
そのため、かろうじて知っていた編集者の個人使用のメールアドレスに連絡を入れたのだが、それも不通だった。仕事熱心で、几帳面で、こまめな人だったのだが、出版不況に飲まれて失意にあるのかもしれない。
復刻するにあたって最終的に校了になったPDFファイル、もしくはInDesignファイルを手に入れることだったのだが、ラピュータの人たちとは誰とも連絡が取れなくなってしまっている。
私の手元にあるのは3校のゲラ(校正刷)なので、これを私の持っている最初のテキストデータと付き合わせながら2ヶ月かけて原稿を整備し、やっとのことで電子書籍のスタイルに合わせたデータに整えて、電子書籍化を終わらせた。
支えてくれている読者のお陰。心から感謝したい
私はラピュータで他にも3冊の書籍を出している。この中で「ブラックアジア パタヤ編」をのぞく他の2冊については、そのままの形で復刻せず、書籍の内容を取り込んだ上で、『売春地帯をさまよい歩いた日々』の国別の区分けで電子書籍化した。
ブラックアジアの電子書籍化はすべて終えたので、今度はなるべく早くこれらの書籍をペーパーバック化していきたいと思っている。
最近はあまり時間が取れなくなりつつあるのだが、来週にはもう取りかかって来年(2022年)の2月、3月には『ブラックアジア 売春地帯をさまよい歩いた日々』のすべてのコンテンツのペーパーバック化を終わらせたいと考えている。
これで私の読者は『ブラックアジア 売春地帯をさまよい歩いた日々』を、電子書籍でもペーパーバックでも手に入れることができる。この環境こそ、私が望んでいた環境でもある。
こちらの『「ペーパーバックライターに俺はなる」ブラックアジア続々とペーパーバック化!』でも書いた通り、今後はペーパーバック&電子書籍の方も増やしたいと思っており、別サイト「ダークネス」のコンテンツもまとめていこうと考えている。
ブログに、電子書籍に、ペーパーバックに、出版に、コミカライズ化に、動画に……やるべきことがあまりにも多すぎて毎日てんてこ舞いの日々なのだが、こうやってコンテンツを生み出せるのも、支えてくれている読者のお陰であるというのは一秒も忘れたことがない。
皆様には、心から感謝したい。
うわーーー!! いま傾城さんの記事を読んで、
Amazon Kindle ダイレクトパブリッシングがペーパーバックも
出せるようになったこと、初めて知りました!!
実はわたくし、小説はひっそりと電子書籍で出してるんですが、
紙本もAmazonから出せるって知って興奮してます!
これ、最近出来るようになったのかなーーー
わたしが電子書籍を四苦八苦しながら登録したのは2017年で、
その頃はまだペーパーバックはなかったはず!!
やっぱり紙の本出せるのうれしいですよねーーー
面白い世の中になりましたねぇ( ^ω^ )
ブラックアジアも、消されちゃって愕然としたり、
そしたら読者の皆さんが、個人的に好きで保存してた分を送ってくださったり、
いろいろあって復活したのとか覚えてますよー
そんなブラックアジアのコンテンツが、どんどん本になるのは
わたしにとっても喜びです!!