
バングラデシュの売春地帯にロヒンギャの女性が流れてきているというのは、以前からもずっと噂されてきた。バングラデシュ政府の公式な記録としてあるわけではないのだが、そんなものよりも売春地帯に巣食う男たちの情報のほうが確かだ。
バングラデシュの首都ダッカにはモハマドプールというエリアがあり、その一部がスラムになっているのだが、世界中どこでもそうだがスラムやスラム周辺には売春エリアがある。
そこにロヒンギャの女性が移動しつつ、客を取っているという話だ。他にも、ミルプール地区、ガブトリ・バスターミナル周辺、ウットラの低所得地域と、噂される地区は幅広い。
ロヒンギャ族はバングラデシュ人ではない。彼らは、ミャンマー西部ラカイン州に暮らしてきたイスラム系少数民族である。1982年の国籍法により国民として認められず、無国籍状態に置かれてきたので、ミャンマー人とも言えないのかもしれない。
2017年の軍事作戦で大規模な暴力が発生し、約74万人がいっせいに隣国バングラデシュへ避難した。2025年時点でバングラデシュ南東部コックスバザールには約100万人が生活しており、世界最大規模の難民集住地域である。
キャンプでの生活は長期化している。就労は原則禁止され、移動も厳しく制限されるため、現金収入を得る手段がほとんど存在しない。
食料は国際援助に依存してきたが、2023年以降資金不足が深刻化し、世界食糧計画は配給を月額12ドルから8ドルへ削減した。1日あたりの食費は1人約0.27ドルであり、最低限の栄養確保すら困難な水準である。
軍事暴力や移動の過程で家族が分断され、女性が世帯主となる家庭が増えた。2024年の国際機関の報告では女性世帯は約20%に達する。教育機会も不足し、15歳前後で学校から離脱する少女が増加している。
収入がなく、教育もない。それがロヒンギャの女性たちの現状だ。とすれば、彼女たちが売春の世界にとらわれていくのは必然だったのかもしれない。


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