とうとう2019年の大晦日に。今年もありがとうございました

とうとう2019年の大晦日に。今年もありがとうございました

ブラックアジアの読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。とうとう2019年も終わりになりました。2019年は皆様はどんな年だったでしょうか。私自身は鼻の手術の経過もあるので年末年始もどこに行くわけではなく、大人しく過ごしています。2019年はどんな年だったのか、振り返っているところです。実は、いろんな意味で2019年は日本にとっても特別な年だったと思います。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

2019年は、私にとってはあまり良い年ではなかった

今年前半はあまりにも諸事に忙殺された上に、後半は手術のこともあってなかなか時間の工面が難しい年でした。そのため、「今やるべきこと」に集中して新しいことへの挑戦などはすべて後回しになってしまいました。

新しい展開ができなかったことは反省しております。

2020年は巻き返しを図り、ブラックアジアでも新しいことをどんどん取り入れたり、一時的に中断していたブラックアジアのコンテンツの電子書籍化も行っていきたいと思います。

ブラックアジアの『売春地帯をさまよい歩いた日々』のいくつかのコンテンツは書籍化されています。しかし、ブラックアジアのコンテンツはあまりにも膨大すぎて書籍化された内容よりも漏れた内容の方が多いのです。これも電子書籍で切り出して発行したいと思います。

ちなみに、私は倉庫を借りなければならないほど書籍を持っているほど活字人間なのですが、今は自分自身を無理やり時代に適応させるためにこの倉庫の本を片っ端からPDF化を進めています。新しい書籍も電子書籍しか買いません。

もちろん、紙の書籍にも懐かしさを感じていますが、ここで紙に戻ったら旧時代の人間に逆戻りだと思っているので「紙で読んだら負け」くらいの勢いでデジタル化を徹底しています。

いったん電子書籍に慣れると、逆に紙の書籍が読みにくくなりました。そんなわけで、この取り組みで、紙にしがみついていた私もすっかりデジタル化された人間になり、ほとんどすべてをスマートフォンやタブレットで読むようになっています。

私の姿勢は行き過ぎに見えるかもしれませんが、それくらいやらないと長年に渡って染みついた「紙で読む」という習慣を止められないのです。振り返ると、よくぞ自分自身の長年の習慣を変えられたと思うことしきりです。

1999年のカンボジアの売春地帯では何があったのか。実話を元に組み立てた小説、電子書籍『スワイパー1999』はこちらから

貧困問題が日本に毒をまき散らすのは「これから」だ

ブラックアジアはアンダーグラウンドをテーマにしているので、凄惨な記事が多いのですが、それと同時に貧困の問題もかなり多く扱っています。

結局のところ、アンダーグラウンドを構成しているのは社会から蹴落とされたり順応できなかったりして「こぼれ落ちた人たち」なので、貧困が共通項になるのは必然のことであったと思います。

2019年は、以前から私がずっと危惧していた通り、国内の貧困化もどんどん進んでおり、もはや日本国民も状況改善に「あきらめ」を感じるようになった年ではないかとも感じています。

若年層の非正規雇用問題も、ネットカフェ難民も、シェアハウス問題も、格差問題も、何一つ解決できていないのに、マスコミも国民も騒がなくなったことでも分かります。「もう騒いでも仕方がない」のであきらめたということです。

出生率が今年から過去最低になったことを見ても、日本人が日本を「あきらめた」ことが分かります。

子供を産み育てる余裕はない、未来もない、改善される見込みもないということを悟った日本人は黙って家庭を持つことを止めて、自分ひとりだけで細々と生きる道を選択したわけです。

こうした貧困が顕在化したのが2000年から2019年までの動きでした。2020年は顕在化した貧困が「固定化」する時代になります。

貧困の固定化はより日本の底辺を悲惨で殺伐とした精神構造にするので、2020年以後は日本で凄惨な事件が多発することはブラックアジアを読んでくださっている読者は容易に推測できるはずです。

貧困問題が日本に毒をまき散らすのは「これから」なのです。

2019年までは「貧困問題をどう解決するか」というのがテーマだったのですが、日本社会は貧困問題の解決をしなかったので、生まれながらのアンダークラス(貧困層)が社会に牙を剥くようになります。

彼らは夢など見ません。向上心も持ちません。上から目線で自分たちにあれこれ指図する人間たちや、向上心や夢を押しつける人間たちや、カネをひけひらかしている人間を憎悪するようになります。そして、社会のすべてに反撥を持ちます。

大切なことなので繰り返します。

日本の貧困問題は解決できませんでした。そのため、2020年以後は生まれながらのアンダークラス(貧困層)が社会に牙を剥くようになります。

地獄のようなインド売春地帯を描写した小説『コルカタ売春地帯』はこちらから

2019年はタイムリミットの年であったと認識している

ブラックアジアは世界中のアンダーグラウンドの光景を扱っていますが、アンダーグラウンドの光景は社会が悪くなればなるほど広がっていき、深くなっていくわけです。

今、まさに日本が国民も政治家も官僚も無為無策のまま先進国から転がり落ちようとしているわけで、日本の闇もどんどん深くなっていくように思います。

ただ、政治家や官僚と言った「高所得層」は日本を救うことに関しては無為無策ですが、自分たちが助かることに関しては有能です。

政治家は利権を握って莫大なキックバックが自分たちの懐に入るようにしており、官僚は大量に天下り先を作って何もしないでカネが手に入るシステムを作り上げています。車で人を跳ね飛ばして殺しても逮捕もされないほどの特権を持っているので「上級国民」と揶揄されるようにすらもなっています。

彼らは自分たちの利権とカネと特権はきちんと確保した上で、税金をどんどん引き上げ、年金を徐々に削り、年金受給年齢も引き上げ、国民に2000万円貯めろと言い放っているわけです。

だから、無為無策で甚大な被害を受けるのは一般の日本国民だけです。「上級国民」は助かります。それ以外は社会の底辺に向けて蹴落とされていきます。すでに年収186万円未満のアンダークラスは929万人超えで、いずれは1000万人を超えることになるでしょう。

私たちはひとりひとりが彼らを助けることは不可能です。しかし、私たちは税金を払って国に対処を委ねています。しかし、国は彼らを救済しなかったのです。

そして、生活保護受給者の高止まりや若年層の低賃金化や高齢者の激増や少子化の進行や内需の停滞などの問題がすべて複合的に悪化して、もはやアンダークラスの救済は現実的には不可能なレベルにまで到達してしまったのが2019年までの経緯です。

私たちは毎日「変わりない日々」を送っているように思えます。しかし、街の光景や統計などをきちんと確認したり、社会を俯瞰して見るとかなり悪化しているのが見えてくるはずです。

2019年はタイムリミットの年であったと鈴木傾城は理解しています。

日本経済の頂点は1989年で、それからちょうど30年目だったことを私たちは認識すべきです。30年も何もできなくて事態を悪化させたのであれば、それはもう「固定化」されたということなのです。

そう考えれば、2019年というのはいろんな意味で「区切り」であった年であったというのが分かるはずです。このような重みを誰よりも深く感じながら、私は2019年の最後の日である12月31日を迎えました。

* * *

言論統制が厳しくなってきていますが、ブラックアジアは2020年も深まっていくアンダーグラウンドを手広く扱っていきたいと思います。2019年はありがとうございました。引き続き、ブラックアジアをよろしくお願いします。

(鈴木傾城)

ブラックアジアの会員登録はこちらから。

ブラックアジア会員登録はこちら

CTA-IMAGE ブラックアジアでは有料会員を募集しています。表記事を読んで関心を持たれた方は、よりディープな世界へお越し下さい。膨大な過去記事、新着記事がすべて読めます。売春、暴力、殺人、狂気。決して表に出てこない社会の強烈なアンダーグラウンドがあります。

周知カテゴリの最新記事