タイの首都バンコク「アラブ人街」から、人の波に揺られながらスクンビット通りを渡ってしばらく歩くと、ファランたちで混雑しているオープンバーがある。それを通り過ぎるとNEP(ナナ・エンターテーメント・プラザ)だ。ここはゴーゴーバーが集積した特別な一角である。
中に入ろうと思ったら、警察官が入口で関所みたいなものを作っていた。いつの間にこんなものができたのだろう。
私にしがみついてきたレディーボーイに「なぜ警察官(ポリス)がここにいるの?」と聞いたら、「爆弾をチェックしてるのよ」と私に答え、私の股間をつかんで「ボン!」とふざけた。
「爆弾?」
しばらく私は意味が分からなかったが、はたと思い出した。そう言えば、8月2日にバンコクで爆弾事件があった。
後で調べてみると、スカイトレインチョンノンシー駅、マハナコンビル、政府庁舎街のチェーンワッタナー、ラーマ9世通りのキングパワービル付近の4箇所で連続的に爆発テロが起きていた。
観光客が巻き込まれたら観光立国としてのタイは困る。だから、要所要所に警察官が立って警備しているのだった。