◆狂気に憑かれたような目で、ゆっくり首を絞めてきたナーム

◆狂気に憑かれたような目で、ゆっくり首を絞めてきたナーム

この日、久しぶりにソイ・カウボーイを歩いていた。ソイ・カウボーイは面白いストリートだ。

バーの女性たちは店の入口で客を呼び込むのではなく、道を数人の女性で塞《ふさ》ぐように立ち尽くして、やって来る男に抱きついてくる。女性から目を反らしていれば無理強いされることはない。

しかし、目が合うと大変だ。数人の女性に抱きつかれた上に、無理やり店の中に引きずり込まれてしまう。


こうやって路上に立って客を引いている女性たちが好きだ。もっとも原始的なビジネスの姿をそこに見る。

道に立って男に秋波を送り、店の中に引きずり込む。甘い声、甘い目つき、甘い匂い、柔らかい身体……そんな女の武器をすべて使って男を誘ってくる女に、男は抵抗する方法もない。


こんなソイ・カウボーイで出会ったナームも、そうやって抱きついてきた奔放な女性のひとりだった。

親しみのある笑顔に女らしい雰囲気は非常に好感が持てた。彼女は顔を何度となく見つめてきて、目が合うたびにとろけるような顔になってしがみついてくる。

タイ女性にしては色白で、顔の彫りが深く、非常に艶めかしかった。健全な香気というよりも、深酒をした娘が顔を火照らせて男に絡みつくような、どこか危うい香気に近い。そんな娘の熱い誘惑に負けて……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア タイ編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア【タイ編】表紙
『ブラックアジア・タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』連載当時、多くのハイエナたちに熱狂的支持されたブラックアジアの原点。

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