真夜中のコロンボに立つナディー。薄幸の女性と手をつなぐ

真夜中のコロンボに立つナディー。薄幸の女性と手をつなぐ

スリランカ・コロンボはコルカタやダッカから行くと、信じられないほど発展した大都会のように見えた。特にフォート地区などはそうだ。高層ビルが立ち並び、本当に都会という感じがする。

私は事前調査も何もしないで知らない国へ行くことが多いので、最初にフォート地区の高層ビル街を見たとき、間違えて別の国に行ってしまったのかと心配になったほどだった。

シンガポールで知り合ったスリランカ女性から聞かされていたスリランカのイメージは「戦乱で荒廃した国」でしかなかったから、まさかコロンボが高層ビルの建ち並ぶ瀟洒な都会だとは夢にも思わなかった。

少しコロンボの南側に降りて裏道を入ると、途端にインドの下町の雰囲気が出てくるが、それでもコルカタに比べると天国のような清潔さに見える。

この意外に清潔な国だ、というのは北部ジャフナを訪れたときにも感じたものだった。

たしかに爆撃された建物や銃痕だらけの家が立ち並び、足を失った人が杖を突きながら歩いているようなところではあるが、それでも感じるのはこの国全体の清潔さだ。

猥雑なコルカタやダッカの売春地帯が私のインド圏の標準的なイメージなので、これにはいささか驚かされた。

しかし……

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ブラックアジア外伝1
『ブラックアジア外伝1 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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