この日のバンコクは異様に暑かった。
かなりの夜更かしをしたので、起き出したのは昼前だったが、ホテルから一歩外に出ると、すでに耐え難い暑さになっている。
昼食を食べようと外に出てはみたものの、あまりの暑さに食欲が失せた。喉《のど》が渇いたので何か飲もうと思ったが、ふとスクンビット通りか、ソイ3あたりのオープンバーで女たちと話をしながら飲み物を取ろうと思い立った。
少しの距離を歩くのも億劫《おっくう》だったのでタクシーを使ってソイ3に向かう。バンコクの渋滞はひどいとは言われているが、特に何とも思わなかった。疲労が消えない身体にはタクシーの冷房が快適で、気がつけば意識が薄れていく。
最近はずっと疲れが取れなかった。特に起きがけがつらい。
投げやりになるし、目が覚めたあとも、いつまでもだらしなくベッドに横たわっている。もう若くないということなのか。それとも、連日連夜の夜更かしが身体にダメージを与えているのか……。
体調が悪いと、すぐに性病を疑ってしまうのは、それだけ……
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