CATEGORY 東南アジア

レッドタグ。共産主義者排除のためのフィリピン政府による仕組みは維持されるか?

フィリピン政府は共産主義者を明確に「国家の敵」と定義し、国家の安全保障に対する脅威と見なしている。そこで、こうした危険な共産主義者を社会的に排除するための動きとして、システム化されたのが「レッドタグ」である。共産主義者をピンポイントで排除していく仕組みだ。(鈴木傾城)

◆円安で困窮邦人が増える。貧乏バックパッカーのことを思い出すことが増えた

「身を持ち崩す」という言葉がある。私は東南アジアの歓楽街(Red Light District)にずっと転落していたので、私のまわりには売春屋アルコールやドラッグで身を持ち崩した女性たちばかりだった。 しかし、彼女たちはまだ持ち前のバイタリティーがあって、何か突き抜けた明るさもあって、貧困で転落したように見えない女性も多かった。 「自分の境遇を深く考えてしまう性格の女性は、転落と堕落の世界では生き […]

タイで新政党が王室改革案を主張して登場したが、何もできないかもしれない理由

タイ国民はもう王室にもプラユット政権にも飽き飽きしている。「もういい加減にしてくれ。王室もプラユットもうんざりだ」と若者たちは叫ぶ。だから、今回の総選挙で明確に変化を求めたと言える。しかし、若者たちの「状況を変えたい」という思いは成就しない可能性が高い。(鈴木傾城)

極貧のスラムにはそこに入った者を逃がさない「魔の手」のようなものもあるのだ

私は二十歳になってから早々に日本社会からドロップアウトしたし、親からも関係が切れてしまったし、仕事もしていなかった。ただ非常に運が良いことに、私が二十歳の頃から日本はバブル経済に入った頃だった。 株式市場が爆上げしていったので、株式市場に出入りしていた私は1990年までその恩恵を受けて、東南アジアでぶらぶらするくらいの金は働かなくても作ることができた。 このバブル経済がなければ、間違いなく私は浮浪 […]

タイでクーデターが起きた日、私は「タクシンが暗殺された」というデマを信じた

今のウクライナで起きている様相を見ているうちに、私は2006年9月19日のことを思い出した。この日はタイで軍事クーデターが起きた日だ。私はその時、バンコクにいたのだが、まわりの人はみんな「タクシン首相は殺された」と叫んでいた。それが真実かどうか分からなかった。この記事をトップに上げます。(鈴木傾城)

ミャンマーは経済成長に取り残された極貧国家になって深い闇を生み出すのか?

今のミャンマーを見ると、東南アジアで取り残された唯一の極貧国家になってしまうのではないかという気もしている。今のまま推移していくと、そうなってしまう可能性が高い。政治の混乱で極貧世界を生み出した国は、深く強烈な裏社会をも生み出す。ミャンマーに注目している。(鈴木傾城)

コロナ禍が収束した後のバンコクのカオサン通りは、再び姿を変えてしまうだろう

外国人観光客というインバウンドにチューニングした街が生き残れないのは、もう仕方がない。カオサンはいずれコロナ禍が完全に収束したら、また一気に盛り返して復活を成し遂げるのだろうが、その時は新しい経営者が新しい店で呼び込むことになるので、コロナ以前とはだいぶ街の様子が変わってしまっていることだろう。(鈴木傾城)

国民の48.2%が絶対貧困。ミャンマーは近いうちに「飢餓国家」になっていく

ミャンマーは当初から東南アジアで最も貧しい極貧国家だったのだが、事態は良くなるどころか、より悪化した。国民の約半分が一日約120円未満で生活しなければならない「絶対貧困」となる。絶対貧困のミャンマーの子供たちは今、雑草を食べて飢えをしのいでいる。(鈴木傾城)

ホームレスについて思うこと。自分は絶対的に無関係でそこに落ちないのか?

日本の社会保障が崩壊したら、一気にホームレスの群れが増大する。「ホームレスって?言っちゃ悪いけど、本当に言っちゃ悪いこといいますけど、いない方がよくない?」という男は、ホームレスまみれになった日本で生きていけないに違いない。(鈴木傾城)

10年後はミャンマーという国がなくなり、「ミャンマー自治区」となっている?

ミャンマー国軍は国民がどれだけ窮地に落ちても助けることはなく、ASEANもまた助ける余裕はなく、ミャンマー国民は見殺しにされる。国家は国民の敵と化し、仕事もなく、金もなく、物資もなく、医療も崩壊し、外部からの助けも期待できない中で、ミャンマー国民ができることは限られる。(鈴木傾城)

極端(エクストリーム)な主義主張で「完全なる平等」を実現した指導者がいた

「平等の実現」は、とても美しい主張のように聞こえる。こんなものが実現するとは今の私たちには想像もできない。そして、そんなことを成し遂げた政権はないと思いがちだ。それは正しくない。実は、強烈なイデオロギーを持って「平等の実現」を実現した政権が1970年代にあった。それは1974年にカンボジアで生まれた。100%の平等がそこでは実現した。(鈴木傾城)

コロナウイルスによって追い込まれていくタイ。やはりステイホームでは限界

タイ政府はひとまず4月30日までロックダウンを継続する予定なのだが、もしかしたら継続されるかもしれない。そうなると、人々はコロナ感染を免れるかもしれないが困窮はますます強くなる。継続が長くなればなるほど、経済的にも精神的にも持たない人が増えるだろう。今のところ、タイの国民は平静を保っているのだが、自粛(ステイホーム)によって経済的に困窮して政府の支援が十分でないと「ステイホーム」など言ってられなく […]

そういえば、最近はまったくアジアの屋台飯を食べていないことに気づいた

本当は3月に東南アジアのどこかに行こうと思っていたのだが、新型コロナウイルスで自粛することになって、4月も無理そうだし5月以降もたぶん国外に出るのは無理だ。 今年はずっと無理かもしれない。溜め息が出る。 仕方がないので今は日本でマクドナルドで何か食べたり、コンビニで適当にパンを買ってかじっているのだが、栄養が極度に偏っているせいかフラフラする。 私は日本にいる時は徐々に痩せていき、東南アジアに行く […]

【祝】タイが誇るあの「古式マッサージ」が、ユネスコの無形文化遺産に決定!

タイの古式マッサージは「指圧」だけで行う一般的なマッサージとはまったく違っている。身体の関節、ツボ、筋肉、リンパをあらゆる形で刺激するもので、施術者の動きは医療であるのと同時に「芸術的」でもある。ユネスコは無形文化遺産に決定したその理由として、「芸術と科学、文化を兼ね備えた伝統医療」と述べているのだが、ここで言う「芸術」というのは、何度も何度もタイ古式マッサージの施術を受けた人間にとっては理解でき […]

タイ・ワチラロンコン国王の引き起こすトラブルで王室の権威は傷ついていく?

2016年10月13日、バンコク市内のシリラート病院で、タイのプミポン・アドゥンヤデート国王が崩御したのだが、その後を継いだのがワチラロンコン皇太子だった。 ワチラロンコンは新国王に即位するのを渋って国王即位の承認手続きも延ばし続け、戴冠式も2019年にやっと行われるほどだった。 プミポン国王があまりにも立派すぎて自分が国王になる器ではないと自覚していたのか、それとも国王みたいな「面倒くさい立場」 […]

格安航空会社の狭い座席に6時間耐えてタイ行ったが、意外と何とかなった

今回の旅で、タイにはLCC「タイ・ライオンエア」で行き来した。私は海外をLCC(格安航空会社)で行き来するのは初めてだったのだが、行きは2時間30分も遅れて出発するというアクシデントで散々な目に遭った。 座席は狭いと言われていたので覚悟はしていたが、座った時にはそれほど狭いとは感じなかった。隣に座ったのが女性で身体が小さくて圧迫感がなかったからかもしれない。 意外に問題ないと思って喜んでいたのだが […]

スマートフォンだけでよかった。今回はあまりにも余計な荷物を持ちすぎた

旅すればあちこちの写真を撮りたくなるので、多くの人は一眼レフやコンデジを持っていくと思う。私も今回は、カメラとしてのアイフォーン、キヤノンのコンデジ、動画用のゴープロ(GoPro)を準備した。 しかし、あれこれ持ち歩いて、結局ストリートのスナップ写真を撮るだけなのであれば、もうコンデジもゴープロも必要ないということを悟った。シンプルにアイフォーンひとつでよかった。 さらに私はアップル・ウォッチまで […]

タイ・バンコクの「アラブ人街」という異郷。私がこの街が好きな理由とは?

タイ・バンコクには「アラブ人街」という異郷がある。バンコクであってバンコクではない。私がこの街が好きで、バンコクに宿を取ることがあれば最優先でこのアラブ人街のどこかを検討することにしている。この街は、年々濃くなっていくばかりだ。(鈴木傾城)

ほどほどにいい加減でルーズで無責任な国の良い面に日本人は気づけ

「責任感が強い」というのは褒め言葉でもあり、社会的に求められる資質でもある。何か仕事を頼むときは、ぜひとも「責任感が強い」人に頼みたい。 日本人は全般的に見ると、責任感が強い人が多いので、何かを頼んで不安になることはない。すべてのサービスで「この日」と約束したら、ほぼ100%に近い確率でその約束は履行される。 列車の運行にしても、配達にしても、依頼した製品の納期にしても、期日ぴったりに遂行されて、 […]

フィリピンのドゥテルテ大統領をカネで転がしている「黒幕」は誰なのか?

すでに話題にもならなくなっているのだが、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は今も国内の麻薬関連容疑者を片っ端から殺しまくっている。 「人権なんか、忘れろ。人権は気にしない。私は本気だ!」と叫ぶドゥテルテ大統領の暴力肯定が引き起こしている凄惨な遺体の数々は以前にも紹介した。(ブラックアジア:フィリピン麻薬戦争。これが現場の血まみれ殺害光景だ) 大統領になってから今まで、その超法規的殺人はまったく […]

腐敗した警察官は権力を持った暴力団。そして世界は腐敗で満ちている

警察官は公僕であり、常に犯罪を取り締まるのが仕事であるはずだ。ところが、現実は必ずしもそうなっていない。 カネが絡めば、警察官も腐敗する。警察官という立場を利用してカネを稼ぐのは、実は「造作もないこと」だからだ。具体的に、どうするのか。犯罪者や弱者に向かって、こう言えばいい。 「逮捕されたくなければカネを出せ」 犯罪者や弱者でなくてもいい。普通の人にも何らかの言いがかりを付けて同じことを言える。抵 […]

チャトゥチャック。バンコクの土日に開催される最大級の市場(追記:火事)

(タイ・バンコクで人気のある観光スポットに、チャトゥチャック(ウィークエンド・マーケット)がある。1坪店が密集し、衣類から小動物まで、ありとあらゆる雑貨がここで売っている。ここが2019年6月3日に大規模な火事に見舞われている。被害は大きそうだ) タイ・バンコクで、土日になると開催される市場がある。通称「チャトゥチャック・マーケット」、外国人の間では「ウィークエンド・マーケット」と呼ばれている。 […]

消えていくスラムと、消えていく想い出と、先進国のこと

東南アジアの貧困地帯は最初は怖かった。最初にスラムに立ち入ったのはクロントイ・スラムだった。私はクロントイが巨大スラム地帯であると知っていたわけではない。 私は当初、ヤワラーの旅社(ゲストハウス)に泊まっていたのだが、次第にパッポンが私の主戦場になってくるに従って、拠点をマレーシアホテル界隈の格安ゲストハウスに置くようになっていた。 パッポンは真夜中の街だ。昼間に起き出して食事をしたいのと冒険をし […]

カンボジアで今後もフン・セン首相の独裁が続く理由とは?

フン・セン首相は軍事や武力に対してまったく抵抗がなく、自分の政敵を葬るのにしばしば過激な手段を使う。自分が追い詰められれば追い詰められるほど、手段が過激になるのだ。今もそうした姿勢はまったく変わっていない。これからも独裁を続けていくだろう。(鈴木傾城)

◆大流行しているベッドバグ(トコジラミ)。ホテルに入ったら、まずはここを見よ

インバウンドが再開しているが、これによって再び日本でもベッドバグ(トコジラミ)が問題になりつつある。ベッドバグはかつて「南京虫」と呼ばれたものなのだが、今や全世界のホテルで問題になっているのだ。日本でも止めることができない時がやってくるだろう。(鈴木傾城)