(タイ・バンコクで人気のある観光スポットに、チャトゥチャック(ウィークエンド・マーケット)がある。1坪店が密集し、衣類から小動物まで、ありとあらゆる雑貨がここで売っている。ここが2019年6月3日に大規模な火事に見舞われている。被害は大きそうだ)
タイ・バンコクで、土日になると開催される市場がある。通称「チャトゥチャック・マーケット」、外国人の間では「ウィークエンド・マーケット」と呼ばれている。
衣類、カバン、手作りの家具、陶器、インテリア用品、時計、小物、雑貨、アクセサリー、ワッペン、靴・スニーカー、それこそありとあらゆるものが何でも揃っていて、ショッピングが大好きな人は外せない。
開催されているのは土日だけだ。行き方は非常に簡単でBTSモーチット駅を降りて人の波についていけばすぐに分かる。
駅を降りたらすぐに屋台や露店が店を並べているので間違うこともない。
このマーケットは広大で、規模としては東南アジアで最大とも言われているくらいだから、一日ですべてを回りきれると思ってはいけない。
東南アジア最大のマーケット「チャトゥチャック」
はじめてタイに行ったときから、すでにこの市場はあったはずだ。歴史はかなり古い。
当時と今では、いくつかの違いはある。物乞いがいなくなったとか、整備されて分かりやすくなった、歩きやすくなった、規模が大きくなったというものだ。
しかし、基本的な部分は何も変わっていない。1坪店舗が密集して山のように商品を積み上げて客を待っている。
買い物に興味があってもなくても、一度はここを訪れなければタイに行ったことにならない。それほど、興味深い場所ではある。
私もバンコクにいるとき、気が向いたらなるべく寄ることにしている。衣服も買うには買うが、そちらはあまり興味がない。
欧米の珍しい古本や雑誌がこの市場には無造作に積み上げられている。
そして古銭を売っている店がある。古銭は特に気を入れて蒐集しているわけでもないし、買ったものは売るつもりもない。
しかし、東南アジアの動乱を感じさせる紙幣や、日本国軍が発行した紙幣、ポル・ポト政権が発行したもの、あるいはサダム・フセイン時代の紙幣など、歴史を感じさせるものは個人的に手に入れて置いている。
軍票などは日本の古銭屋に見てもらったが本物だった。コイン(特に日本のもの)は、たまにニセモノが混じっているようだ。
そういったものを眺めながら、歴史の感慨にふける。
バンコクにいるときはたまに寄って、珍しいものを見て、買って、おまけ程度に衣料品を眺めて帰る。
Tシャツ、ジーンズ、アクセサリー。安く、それなりに質の良いものがたくさん手に入る。
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人に雇われて生きるよりは、ずっと楽しいと思うが……
ここは、あまりにも広大すぎて、私も全貌を知らない。最近では体力も極端に失っているので、なおさら歩き回って掘り出し物を見つけるなど不可能になった。
内部は気温が高く、その熱気で1時間も歩いていると倒れそうになる。健康を害した人間にはキツい場所だ。
いくつかの屋台のイスに座って何かちょっとしたタイ料理を食べながら、精力的に歩き回っている人たちをぼんやりと眺めて、彼らの旺盛な物欲に思いを馳せる。
日本人の集団を見ることも多い。タイではどこでも着古した衣料品がリサイクルされている。
タイの各所の市場では、そういったリサイクル品がたくさん売っているのだが、もちろんチャトゥチャックでも、そういったものを専門に扱っている店が膨大にある。
衣料品だけではなく、スニーカーなどもそうだ。
日本人のTシャツ販売屋などが、ここで集団になって片っ端から目ぼしい品物を漁っているようだ。
ここで買い込んで、日本で売る。
カンボジアのTシャツなどは信じられないほど質が悪いが、タイのほうは逆に質が良いものが多い。日本でも売れる。
うまくやれば、それでサラリーマンなどしなくても生きていけるし、副業でやっても売れるものが発掘できれば、それなりに食べていけるはずだ。
何しろ、ネタには困らない。目の前には膨大な「売り物」があるのだから、あとは自分のセンスで利ざやを稼ぐことができる。
アジア最大のマーケットであるチャトゥチャックで何か仕入れて日本で売れば、それで生きていけるのである。そうやっている人がたくさんいる。
それをやってみて、うまく行くようであれば、あなたは新しい収入を得られる可能性がある。物を売るビジネスをしたい人間であれば、チャトゥチャックに行くべきだろう。
人に雇われて生きるよりは、ずっと楽しいと思うが……。
バンコクには他にも穴場になるようなマーケットはたくさんある。そのいくつかで日本人のバイヤーの姿を見かけることもある。
儲かっているのかどうかは知らないが、いつ行っても姿を見かける。これで、それなりに生計が立てられるということなのだろう。
追記:2019年6月3日の大火事
2019年6月3日。正確にはその前日の夜、チャトゥチャックで突如として火が燃え広がった。この市場は1坪店舗が密集する地区で、店内は迷路のようになっていて、人がひとり通り過ぎるのがやっとの狭い通路がどこまでも延々と続く場所だ。
ここから火が出たのだが、夜だったので発見が遅れ、消防車も入れなかったことから1000平方メートル以上も焼き尽くす大規模火災と化した。
被害に遭った店舗は110店だと言われているが、煙害や火事を消し止める火で商品が水浸しになったりして売り物にならなくなった店もあるはずなので実際には被害はもっとひどいはずだ。
消防車がやってくるまでかなり時間がかかり、さらにやってきた消防車も狭い市場内に入れないので消すのに手間取った。
不幸中の幸いだったのは、夜だったので人が誰もいなかったことだ。もし、昼間の火事であれば、大パニックが起きて死傷者も発生していた可能性がある。
火事の原因は調査中だが、バンコク知事は「市場の電気設備がすでに30年前のもので老朽化しており、漏電が火事を引き起こしたのではないか。被害を市が補償する」と述べている。
復旧には2ヶ月はかかりそうだと予測されている。
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たいへん楽しく拝読いたしました。
市場、いいですねえ。市場、大好きなんです。
鉄道市場は、外国人がカゴ下げてうろつくところではないと現地に詳しい方からコメントでうかがいましたが(がっかり)、ここならスリと迷子とぼったくりに気をつけていれば大丈夫でしょうか。
TALIという、東南アジア雑貨の小さい店が近所にあるのですが、そこのオーナーはここで色々仕入れているのだったりして(笑)。
市場にあれこれ買い付けに行くのって、仕事とはいえ楽しそうです。aurore
年末年始に初タイを予定しているものです。
ここは行ってみます!
どこ行こうか思案中だったので。
寺院やショウパブ意外に何かないかと考えていたところでした。
タイに決めた理由は、ここを読んでて一番人気がタイだったから行くことにしました^^。
鈴木さん、ウイークエンドマーケット取り上げてくだすってありがとうございます。失礼なメールをお送りしましたが、まさか本当に取り上げて下さるとは思わず。読んだときはアッ書いてくれたんだ、私のために、と嬉しくなりました。
そうですよね、ここで少量を仕入れて売れれば副業になりますよね。絶対にやってみるつもりです。なにごともはじめの一歩ですから!ワクワクします!
チャトチャをうねり歩くのは気合いがいるので(私も若く無いので^^)隣接しているJJモールに行く事が多いです。よっぽどピンポイントで店を目指している場合じゃなければ冷房が効いているビルの中であらかたチャトチャックにある品物は入手できるのでJJもお勧めですよ。
こんなローカルなビルの中にも日本食レストランも有ります。
もちろんここはバイヤー業にも適したマーケットですが衣類でしたらむしろプラチナム市場かな?とも思います。
チャトチャは雑貨・家具を安く購入するには最適です。
スリには本当に注意です。
外国人はリュックサックをお腹に抱えている人が多いですね、ウエストポーチでも危ないからってポリスに注意されてる人もいました。
私は、ここでスリの被害にあいました。 肩にかけていたかばんを刃物で切られ、財布だけ抜き取られていました。
強く当たってきた人がいて、あれ?と思ったのですが、
後から、被害に気がつきました。
やられるときは、一瞬ですよ。
ご注意を。
今回のご記事の、最後の動画を拝見しながら「周りは都会の夜景的に明るいのにこの相当広いエリアだけ穴のように暗い」と気になりました。私はタイに行ったこともなく、全然わからないのですが、土日の賑やかなマーケット以外の週日はこのエリアはどうなっているのですか?商いをする人たちが居住しているわけでないのはご文からわかりましたけど。
ここを「再開発」し現代的ショッピングモールとかナンとかタウンに改変したい勢力がないことを祈ります。このエリアの地価は今や相当なものかもとも思います。だけど、この、魔窟みたいな迷路みたいな巨大市場が無くなったら、つまらない。全然魅力ない。
老朽劣化による漏電火災ですよね、事故ですよね、と思いたい。それは勿論たいへんな問題ですので、火災予防上の修繕整備を行政は税金つっこんででも魅力あるエリアの存続のため…いやぁだけど防災的には明らかに超危険地区ですわなあそれはわかるけど、でも、でも。
チャトチャック、タイっ子とデートした思い出があります。隣接の公園でレンタサイクル乗りました。
大変活気があって散歩するだけでも楽しい場所ですね。
一方、ここでカワウソを買い、日本に密輸を試みる輩が多いのも事実です。おととし日本の女子大生がドンムアンで逮捕されたのも記憶に新しいです。
空輸の段階で殆ど死んでしまうので、本当にやめて欲しいです。
マーケット内に「GATE2BAR」というopen airの小さなバーがあります。2番ゲートから入って少し北方向に進むとエリア5(アートエリア)ですが、そこの有料トイレのすぐそばです。
動画を見ると出火場所から離れているので、延焼は免れていると思うのですが・・
小さいながらバルコニー席があって、ビールを飲みながら行き交う買い物客を眺めているだけでも小一時間は潰せます。アートエリアは各ブースがミニ美術館のようになっていて、その出店者と思しきおにいちゃん達がギターを弾きながら昼間から宴会を開いています。「私もその輪の中に入れてくれませんか?」と頼みたくなるような、ゆるーい雰囲気です。
白人以外の客は見たことがないですが、日本人の私にも親切に接客してくれました。
少し前の情報なので、もしも移転とかしていたらご容赦ください。どなたか行かれたらバーが健在か確かめていただけると嬉しいです。