一般

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フォクシー・レディー。一瞬も気が抜けない根っからの悪女

貧しい国、悲惨な境遇、追い詰められた女、絶望……。そう並べると、女性たちは誰もが意気消沈して暗い目をしているという光景が目に浮かぶと思う。それは正しくもあり、間違ってもいる。女性たちの態度は、ひとりとして同じではない。 確かに押しつぶされている女性も圧倒的に多い。ところが、中には信じられないほどの傍若無人の態度と、度胸と、果てしない強情な性格を持った女性もいる。 一瞬も気を緩めることができそうにな […]

リーナ。好意を感じた素人の女性の指に、そっと触れた夜

南国インドネシアのリアウ諸島は新鮮な果物や魚介類が採れてうまい食事に事欠くことがない。 パサル(市場)に行くと肉も野菜も果物も魚も豊富に山積みされている。よく分からないものがたくさんあるので、実際に食べるかどうかはともかく、長い間見ていて飽きることがない。 高級なホテルのレストランでも、道ばたのワルン(屋台)でも、その国、その地域、その場所で、日本とは違った料理がたくさんある。 リアウ諸島・ビンタ […]

◆乞食の子。「乞食の子」として生まれるとはどういうことか

先日、ふと埋もれた本棚の奥の奥にあった一冊の本をまた手にした。『乞食の子』という書籍だ。 この本は、以前、ブラックアジアに紹介したことがあったが、調べてみると、ちょうど10年前に紹介したものだった。改めて紹介したい。 この本はすでに絶版になっているので中古書籍を買うしかないが、壮絶な貧困の暮らしを知りたい人は、読んでみても無駄ではないと思う。

◆リア・ピーの当惑。彼女がどうしても隠したかったことは?

ちょっとした表情、しぐさが気になる。意味深な視線が気になる。どうしてもそれを知りたい。そして、「謎」を知るために、その女性を追いかける。意外にそういう経験がある男は多い。 秘密は男を惹きつけるのだろうか? どうやら、そのようだ。インドネシア・バタム島で知り合ったリア・ピーについては、まさに彼女の「当惑」がいったい何だったのか、その秘密が知りたくてしかたがなかった。 いったい、リア・ピーはなぜ、そん […]

◆なぜ、彼女は故郷から遠い場所にやって来たのか?

彼女の名前はシタと言った。清楚で端正な顔立ちをした娘で、歳はあえて訊かなかったが25歳前後に見えた。インドネシア領バタム島で出会ったのだが、彼女の出身はバンドゥンだった。 バタム島の夜のビジネスに関わっている娘たちは、大抵が近くのスマトラ島やカリマンタン島から出稼ぎに来ている。ここバタムでバンドゥンから来たという娘に会うのは彼女が初めてだった。 ジャカルタで夜のビジネスに従事している女性の多くはバ […]

赤い瞳のリリー。ジャカルタの娘に振り回された夜

インドネシアの首都ジャカルタ・コタ地区ジャラン・テー(Jl.Teh)にある置屋で会った娘のことを思い出すと、とても複雑な気分になる。彼女の名前はリリーと言った。猫のような目を持ったキュートでかわいらしい娘だった。 この置屋は舗装もされていないわき道にある寂れて汚れた建物のひとつであり、看板さえ出ていない。店かどうかは一見してまったく分からないし、入り口は狭くて飾りらしい飾りもなく殺風景この上ない。 […]

◆乳房を切り刻まれた女。傷ついたアイリーンの身体に泣く

インドネシア・バタム島。ここには夜の世界に棲息する男たちの誰もが「良い」と口を揃えて認める有名なカラオケ屋がある。 『ハリウッド』だ。名刺には『スポーツ・マッサージ&ミュージック・ラウンジ』とある。「スポーツ・マッサージ」が何か別のものを意味していることは誰もが知っている。 インドネシアは建前と本音が明確に区別される国であり、置屋もまた名刺には建前を装っているのだ。 間違えても「セクシャル・マッサ […]

パキスタンでアシッド・アタックした男が無罪放免になった

閲覧注意 ここ数日、パキスタンのニュースの一面を飾っているのは、ファクラ・ヨーヌスという女性の自殺の記事である。彼女はパキスタンの女性で、自分の夫にアシッド・アタック(酸攻撃)された。 顔面は破壊された。鼻も口も、すべてが完全に溶解して呼吸ができないので攻撃を受けたその日のうちにも死亡すると思われた。 それほどの損傷だったにも関わらず、彼女は奇跡的に生き延びた。それから10年。彼女は36回にも及ぶ […]

◆パッポン。ベトナム戦争が作り上げたアジア最大の歓楽地

東南アジアきっての歓楽街、世界で名だたる売春地帯、アルコールと音楽、退廃とエイズ、美しい女と妖しいガトゥーイ(性転換者)のあふれた現代のソドム。 多くの男たちの人生を狂わせた街、それがバンコクの一角にある毒々しい不夜城『パッポン』である。 パッポン……。 はじめてこの街に足を踏み入れたのは一九八六年春のことだった。当時はまだ道を埋め尽くす屋台などはなく、どこか殺伐とした匂いが漂う筋金入りの売春街だ […]

ハイエナたちの夜。闇にぼんやりとピンク色に浮かぶ売春宿

カンボジア絡みつくような熱帯の空気、豊饒な土の匂い、スコールの後の揺らめく水蒸気、ほのかな風に揺れるヤシの葉、匂い立つマンゴーの実、そして寝苦しい夜に心まで熱くしてくれる夜の女たち……。 誘蛾灯に誘われる虫のように、彼女たちの誘惑に魂を奪われ、ひとときの快楽に溺れてゆく。 熱帯の国で、女たちとたわむれる。売春婦と呼ばれ、社会から蔑まれながらも必死で生きている女たちが、通りすがりの男に笑みを浮かべる […]

◆破滅。欲望の街で死んでいった男たちの怨念が、身に染みた

破滅するということはどういうことだろう。男がドラッグとセックスで破滅していくのは珍しいことではない。 ずっと夜の闇をさまよってきていると、普通の人よりも破滅していく男を間近に見ることができる。また、間接的にもよく破滅した男のことを見たり聞いたりする。 人の金を盗んだり、詐欺をしたり、誰かを襲ったりして逮捕された人も多い。会社員、土木作業員、タクシーの運転手、教師、会社経営者……。 みんな夜の世界に […]

コ・サムイ。かつてドラッグとセックスの無法地帯だった島

タイは世界に名だたる観光立国であり、訪れる観光客は増え続ける一方だ。 パタヤやプーケット島、サムイ島、ピピ島、パンガン島などはリゾート地としての設備を整えて、毎年押しかけてくる観光客の受け入れに余念がない。 多くの観光客が訪れてリゾートとしての設備が整うにしたがって、かつては不良外国人の溜まり場でもあったサムイ島などは急速に浄化されて、邪悪な雰囲気はひとつひとつ消されていったようだ。 邪悪な雰囲気 […]

◆理不尽に金を失う夜の街で、スリや強盗よりも危険なのは?

バンコクのソイ・カウボーイに、バカラ( Baccara )という店がある。あまり好きではないが、たまに趣向を変えようと数年ぶりに行ってみた。 昔と変わらず、見上げると天井がガラス張りになっており、そこにスカートをはいたダンサーが踊っている。男は天井を見上げながら、スカートの奥を見てビールを煽る。そういう仕組みになっている。 相変わらず日本人の姿も多く、この店は何も変わっていないことを知る。男の欲情 […]

◆「久しぶり」と声をかけてくれた女性を覚えていなかった

真夜中だったが、派手な格好をした夜の女と、酔った男たちが大騒ぎしていた。相変わらず、バンコクはにぎやかだった。 ソイ・カウボーイを出て、スクンビット通りを『テルメ』の方向に向かってふらふらと歩いていく。高架鉄道BTSのアソック駅ができてからだと思うが、この当たりにも女たちが立つようになったのは興味深い。 ロビンソン・デパートを少し過ぎたとき、道のわきに立っていた女が”Oh !!R […]

1998年5月、インドネシアのコタの街で起きたレイプと虐殺

インドネシアで経済の中枢をしっかりつかんでいる中国系の人々は、常に嫉妬や羨望の的だ。その事実は「中国系に搾取されているから他は貧しいのだ」という歪んだ感情となって鬱積してゆく。 だから、暴動が起きると中国系の人々は真っ先に略奪の対象になってしまう。スハルト政権もいよいよ末期に近づいた1998年5月もそうだった。 経済危機から端を発した大学生のデモに軍は発砲し、四人の学生が殺害された。これが直接の暴 […]

◆白昼夢。「普通の人間」になろうと努力していたときのこと

ときどき、自分の心が日本にないことに気がつくことがある。 目を開けたままアジアの白昼夢を見ているのだ。日本にいても、ふと見かけたアジアの女たちだけを見ている自分に気がつく。 真夜中には夜の街にアジアの女たちを見付け、なぜ日本にいてもこれほどまでアジアに関わってしまうのかと、ひとりになると思わず苦笑いをしてしまう。 日本にいながら、女たちを通してアジアを流浪する。今日は中国を、明日はタイを……。 本 […]

フィリピンのキアポに巣くう女。裏のある女の仕掛けたワナ

夕方の喧噪《けんそう》が続いたまま、夜を迎えようとしているこの日、私はフィリピン首都マニラのキアポ地区の喧噪の中をゆっくりと歩いていた。キアポ教会周辺には、おびただしい数の露店、道わきに座り込んで古びた雑貨を売る物売りがいる。 そこを外れると、今度はくず拾いや、誰彼ともなく手を差し出している物乞いが見える。みすぼらしく汚れた服を着た老婆が黙ってやってきて手を差し出した。どこか哀願するような目つきだ […]

◆女の息づかい。目的はすでに失われ、ただ反復しているだけ

他国を巡ってバンコクに戻る。すでに夜になっていた。体調はあまりよくない。旅の途上であまりにいろいろなことがありすぎて疲労が蓄積していた。 スクンビット通りやパッポンは人が多いので寄りたいとは思わなかった。 しかし、ヤワラー(チャイナタウン)はまだかつての怠惰《たいだ》で無気力なタイの雰囲気が残っている。 あそこは観光客もいなければ、ファランも日本人もあまり見ない。今の疲れた身体には、ヤワラーくらい […]

ダイナ・チャンの祈り。売春するカンボジア女性の地獄

カンボジア編アジアをさまよって売春をする女たちと刹那的に一緒にいても、通り一遍では彼女たちの心の中を知ることは難しい。社会的な環境も違い、文化・世代・言語さえも違う。 自分と一緒にいる娘たちの心の中に何が渦巻いているのか、その正確なところは男たちには永遠に分からないものなのだろう。 プノンペンに降り立ち、70ストリートで女性たちとたわむれる。 熱帯の寝苦しい夜、ベッドの中で彼女がどんな生い立ちで、 […]

母系社会。たくさんの男と寝る女性が「賞賛」される世界に

カンボジア編「売春婦」と呼び捨てられる女性は、どこの国でも孤立無援だ。世界中のほとんどの国が父系社会であることに根本的な理由がある。 父系社会とは、男が社会の中心にいて、血統は男性側の家系図が書かれる社会のことを指している。 世界中のほとんどは父系社会だ。 大抵、どこの国の歴史を紐解いても、女性の家系図はほとんど見あたらず、女性は男性の付属品扱いのようになっている。 それが当たり前だと思うのは、ど […]

シンガポールのコー。虫が這い回る部屋に潜んで生きる

貧しさに困窮して海外に目を向けるタイの女性たちがいる。あるタイ女性はスイスへ向かい、ある女性は中東へ向かう。ドバイへ行く娘もいれば、シンガポールを目指す娘もいる。自国よりも稼げるところであれば、娘たちはどこにでも出ていく覚悟がある。 日本で売春をしているタイの女性たちもかつては珍しくなかった。彼女たちは東京・神奈川・大阪に身を潜めて夜の街に立ち、自分に声をかけてくれる男たちをひたすら待つ。 初冬の […]

◆小悪魔のワナ。数を撃てば当たる戦略からラブレター本まで

パッポンのゴーゴーバー『キング・キャッスル』で、ある女性と意気投合したことがあった。情熱的で素晴らしい女性だった。 一晩、彼女と一緒に過ごした。しかし、やがて朝がやってきて彼女は帰らなければならない。意気投合した仲で、別れがとても名残惜しい。彼女は真剣な顔をして言う。 「今日もバーに来て。ペイバーして。あなたを待っています」 その気迫に飲まれて思わず了承する。もう一晩彼女と一緒にいてもいいと思った […]

荒廃した肌。全身に吹き出物を抱えたタイ女性ナームのこと

シンガポールの紅灯街である「ゲイラン」は好きだ。実に退廃しており、それが陰湿で、剥き出しなのが素晴らしい。ハイエナにとって、シンガポールとはすなわちゲイランのことである。 かつてシンガポールはゲイランの他にいくつかの地域が売春地帯として栄えていた。しかし、今では観光客向けのオーチャード・タワーと現地人向けのゲイランくらいしか残っていない。 だから、真夜中になると、性欲に飢えて野獣のようになった男た […]

◆狂気に憑かれたような目で、ゆっくり首を絞めてきたナーム

この日、久しぶりにソイ・カウボーイを歩いていた。ソイ・カウボーイは面白いストリートだ。 バーの女性たちは店の入口で客を呼び込むのではなく、道を数人の女性で塞《ふさ》ぐように立ち尽くして、やって来る男に抱きついてくる。女性から目を反らしていれば無理強いされることはない。 しかし、目が合うと大変だ。数人の女性に抱きつかれた上に、無理やり店の中に引きずり込まれてしまう。 こうやって路上に立って客を引いて […]

◆ブードゥーのパット。熱射病と、オープン・バーの人間模様

シンガポールで軽い日射病になった。しかし、もう航空券は取っていたので無理やり起きあがって空港に向かい、そのまま飛行機に乗り込んで何とかバンコクまでたどり着いた。 いつもはエアポートバスをのんびり待ちながら空港に出入りする人たちの姿を見ているのだが、この日はそんな余裕もない。タクシーに乗り込んで、スクンビット通りのホテルに行くように伝えた。 タクシーの中では案の定、運転手がマッサージ・パーラーのチラ […]

◆バタムの売春村。マフィアの徘徊する売春村と捕らわれの娘

夕方も過ぎて徐々に暗くなって来ると、インドネシアの巴淡(バタム)島ナゴヤの喧噪は、少しずつ薄らいでいく。走っている車は相変わらず減ることはないが、人の姿は心なしか少なくなって来るのが分かる。 開いていた雑貨屋やマーケットが閉じられ、一日の仕事を終えた人々は家族の待つカンポン(集落)へ帰って行くのだ。昼間は痛みを感じるほど強烈な光と紫外線を放射していた太陽は落ちて行き、空の色が濃紺へと変化していく。 […]

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