カンボジア
絡みつくような熱帯の空気、豊饒な土の匂い、スコールの後の揺らめく水蒸気、ほのかな風に揺れるヤシの葉、匂い立つマンゴーの実、そして寝苦しい夜に心まで熱くしてくれる夜の女たち……。
誘蛾灯に誘われる虫のように、彼女たちの誘惑に魂を奪われ、ひとときの快楽に溺れてゆく。
熱帯の国で、女たちとたわむれる。売春婦と呼ばれ、社会から蔑まれながらも必死で生きている女たちが、通りすがりの男に笑みを浮かべる。
金銭を払うと女は裸になる。横たわるベッドは汗と精液と愛液が染みついている。部屋は監獄のように殺風景で蒸し暑い。そんな場末の置屋で、汗ばんだ女が妖艶な目つきで男を見る。
闇にぼんやりとピンク色に浮かぶ売春宿、そしてその奥にうごめく深淵な世界が堕ちた男たちの世界だ。
女の肌を妖しく燈すピンク色の灯の奥には、苦界(くがい)に堕ち、虐げられた女たちの悲鳴や哀しみが渦巻いている。
やってくる男たちは、どんな男たちなのか。
それは、底辺をさまよって明日の知れない肉体労働者、アジアに沈没してすっかり自堕落になってしまった外国人アウトサイダー、ブレーキが壊れたかのようにドラッグとセックスに身を投じる自滅志向の男たちである。
夜の売春宿には……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア カンボジア編』にて、全文をお読み下さい)

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