インドの背徳区(Red-light District)には、低カーストのインド人女性とは別に、ネパール人の女性もかなりの数で存在する。私が好きだった背徳地はコルカタのソナガチやムンシガンジだが、そこでも多くのネパーリーがストリートに立っていたのが目に焼きついている。
私自身はインド女性が好きだったので、ネパーリーはまったく関心がなかったのだが、置屋《ブラゼル》にぶら下がって生きているピンプ(ポン引き)や、姉御《ディディ》は勝手に彼女たちを押しつけてきたものだった。
なぜ、インドの背徳区にはネパーリーが多いのか。それはいうまでもなく、ネパールが「インドよりも貧しい国」だからでもある。それは、数十年前から今も何ら変わっていない。
最近も、ゴアで置屋が摘発されているのだが、救出されたのはネパールの未成年の少女たちであった。
ネパールの少女を管理していたのは3人の男たちだったのだが、彼らはネパール女性にいっさい賃金を渡さず、彼女たちを恐喝してストリート売春の売上を取り上げていた。
ネパールの少女たちは「インドで売春の仕事がある」と説明されて連れて来られたわけではない。
「インドでエステサロンの仕事がある」「ウェイトレスの仕事がある」「メイドの仕事がある」などと騙されて女衒《ぜげん》に連れてこられて売り飛ばされているのだ。
彼女たちは、低学歴で働きに出てネパールに暮らしていても低賃金の仕事から抜け出せない運命にある。そんな彼女たちにとって「インドで高給がもらえる仕事がある」というのは、今も昔も魅力的な話だ。そして、騙されて連れられていく。
コメントを書く