ブラックアジア書籍

ブラックアジア書籍

アンヘレスのマリエル。アメリカ兵が捨てた娘が売春地帯に

かつて、アメリカの基地があったフィリピン・パンパンガ州のアンヘレスには、アメリカ軍兵士の男たちが現地の女性に産ませて捨てた子供たちがたくさんいる。このクラーク基地は、一九〇三年にはすでに基地として存在し、一九九一年にピナツボ火山が噴火するま...
ブラックアジア書籍

イナ。十五歳で結婚、十六歳で出産、そして売春地帯に

二〇一四年。久しぶりにバタム島に行きたくなった。インドネシアに行かなくなった十年以上も経っていた。インドネシア語は、もうほとんどすべて忘れた。しかし、バタム島に向かう船の中で、まわりの人たちが話す言葉のイントネーションを聞いて、懐かしくて仕...
ブラックアジア書籍

シャキーラ。アフリカから来た陽気な酔っ払いの売春女性

久しぶりにバンコクをさまよい歩いていると、ちょうどソイ・アソークは反タクシン派に道路封鎖されて、大勢の人々が気炎を上げているところだった。
ブラックアジア書籍

◆鈴木傾城は「私、エイズなのよ」とつぶやいた女を抱いた

この日のバンコクは異様に暑かった。かなりの夜更かしをしたので、起き出したのは昼前だったが、ホテルから一歩外に出ると、すでに耐え難い暑さになっている。昼食を食べようと外に出てはみたものの、あまりの暑さに食欲が失せた。喉《のど》が渇いたので何か...
ブラックアジア書籍

夢を見ないジャニス。他人を拒絶するような態度と性格

フィリピン女性は誰もがラテン系で、明るく楽しく陽気だというイメージがある。しかし、もちろんそうでない女性もいる。ジャニスは、まさにそうだった。真夜中の世界で生きているのに、男に見つめられているのを分かっていて無視したり、自分が相手を見つめる...
ブラックアジア書籍

◆売春地帯で、初めてアシッド・アタックされた女性を見た日

売春地帯の奥に、ひとりの女が立っていた。クリーム色のパンジャビー・ドレスを着てグレーの模様の入った布を肩にかけ、人を避けるようにして立つ彼女の姿は、妙に薄気味悪い雰囲気を漂わせていた。歳は20歳を過ぎたくらいだろうか。異様に痩せていて、私を...
ブラックアジア書籍

◆さよなら、女たち。セチア・ジャヤで出会ったヌーリ

初めてビンタン島を訪れたのは雨期の頃だった。空はどんよりと曇っており、タンジュン・ピナンに降り立つと小雨が降っていた。雨足は強まるばかりで、ホテルに着いた時はすっかり濡れそぼっていた。暗く、陰鬱だった。それから私はたびたびビンタン島を訪れて...
ブラックアジア書籍

◆タンガイルのアイシャ。タンガイル売春地帯の道のり

ゆっくりと寝たかったが、バングラデシュ・ダッカの朝は車の振動とクラクションの音と人々の叫び声や何かで寝てられなかった。仕方がなくベッドから起き出して安ホテルを出た。行く当てもないので、寝ぼけ眼のまま近くにあったレストランに入る。内部は暗く、...
ブラックアジア書籍

もう十字架にはうんざりだと堕落の地アンヘレスに逃げた日

寝不足のままマニラ・バクララン地区の夥《おびただ》しい人の群れの中をさまよい歩いていた。陽気な屋台の男に手招きで呼ばれたので、そこで軽い食事を取り、人々の喧噪《けんそう》を見つめていたが、何となく心は晴れなかった。ちらちらとキリスト教のシン...
ブラックアジア書籍

◆人生を捨てた女の瞳。山奥の売春地帯にいたエラの静かな威厳

人生を捨てた女の目を、あなたは見つめたことがあるだろうか。それは、とても強烈なものだ。寂然(せきぜん)の瞳というのだろうか。ままならぬ人生に長らく耐え、もの哀しさを抑えた瞳。それでいて、猛烈な意志の強さをまだ失っていない瞳。エラの眼差しを忘...
ブラックアジア書籍

身体中の吹き出物や湿疹を赤いライトで隠していたニッキー

人間の目は正確ではない。正確だと思っているのは本人だけで、実は人間の目はいろいろなものを見ながら、足りない部分を「補間」してしまうのである。だから、売春地帯ではそんな人間の目の錯覚を利用して、いろいろな方法で女性を十歳や二十歳、場合によって...
ブラックアジア書籍

◆バングラデシュ。「売春地帯に来て幸せ」と言った女性

コルカタで何人も忘れられない女性ができたが、売春地帯の人間の入れ替わりは激しい。女性は在籍していた売春宿から、何の前触れもなく忽然といなくなる。大抵はインドの他の歓楽街を流転しながら売春ビジネスを続けているのだが、何人かの女性は故郷に帰った...
ブラックアジア書籍

◆不気味なインドネシア・モロ島と、打ち捨てられた村の女性

目的もなく、はっきりとした予定もなく、ただひとりで好きなように地を這うのが私の旅だ。そこに行けば何があるのか分からないので、そこに行く。何もないかも知れない。しかし、何もないということが印象に焼き付いて、忘れられなくなる。インドネシアのリア...
ブラックアジア書籍

◆デリア。暗闇の中でじっと私を見ていたベンガル女性

インドの売春地帯で知った顔が増えてくると、あちこちの女性と話し込むことも増える。女性たちも、異国から来た男に慣れてくると、暇つぶしにちょうどいいと思うのか、帰ると言っても帰してくれない。話の内容は、どの女もほとんど決まっている。他の女の悪口...
ブラックアジア書籍

ジーナ。中東に出稼ぎに行き、虐待されていたメイド

日本でメイドの恰好をするのが流行っていた頃、私はフィリピンで本物のメイド出身の女性と知り合っていた。中東でメイドをやっていた女性だ。メイドというのは、他人の家に住み込み、料理を作ったり後片付けをしたり、部屋を片付けたりする仕事である。可愛ら...
ブラックアジア書籍

◆ソウビター。幼児の横で売春ビジネスをするモラルなき女性

インドでは出会う女性すべてが、禍々しいまでに強烈だ。強烈な個性、強烈な行為、そして信じられないまでの強引さと予期せぬ行動……。日本や東南アジアで培ってきた常識や暗黙の了解は、インドの女性にはまったく通用しない。気質も、性格も、行動様式も、何...
ブラックアジア書籍

◆40度を超すコルカタで、生まれて初めて「太陽が憎い」と感じた

あなたは、太陽が憎いと思ったことがあるだろうか。私はある。インドで、生まれて初めて太陽が憎いと思った。熱帯の国が好きだったはずだが、インドで膨大な熱を放出する燃える赤い球体に文字通り、殺意を覚えた。来る日も来る日も続くこの灼熱地獄に苦しめら...
ブラックアジア書籍

◆真夜中のムンバイ。路上生活者が静かに行う性行為の哀しさ

はじめてムンバイに入ったのは、真夜中だった。空港からタクシーで中心街に入る際、じっと外の光景を見ていたが、絶句するしかなかった。(ここは戦争でもあったのか?)くすんだバラック小屋。焚き火。道ばたで崩れ落ちるようにして眠っている莫大な人々の群...
ブラックアジア書籍

◆見えない鎖。わざと嫌われることをして孤立するサンティ

自分が好きになった相手を思い浮かべて欲しい。好きになった相手に、自分と同じ「波長」を感じないだろうか。人は、自分と同じ心理・境遇・人生・悩み・欠点を相手から感じると、「同じ匂いがする」とか「波長が同じだ」と表現する。相手のやること、なすこと...
ブラックアジア書籍

美しい長髪のマリーが、鏡の自分を見つめて自己陶酔していた

フィリピン・アンヘレスの狭い安っぽいバーに入ると、踊っていた何人かが振り向いて、ちらりとこちらを見た。彼女たちはすぐに目をそらして踊りに戻ったが、あまりやる気が見られないのは、気の抜けた踊りを見ていると分かる。アンヘレスのバーはバラツキが大...
ブラックアジア書籍

金がすべてだと言わんばかりの態度を剥き出しにした女性

フィリピンのマニラの売春バーに、一人の女性がいた。ひっきりなしにタバコを吸い、いつもイライラしていて、落ち着きのない女性だった。彼女は若い女性を何人も束ねていて、彼女たちを男に斡旋してはリベートを取るビジネスをしている。こういったビジネスを...
ブラックアジア書籍

◆人間の排泄物を両手で集めることを強いられた人たちがいる

想像してみて欲しい。あなたの両親は掃除や死体処理の仕事をしていて、あなたもその仕事しか就けない。あなたは教育を受けられなかった。あなたは字も読めないし計算もできない。あなたはいつも殴られ、いじめに遭って逃れられない。警察もあなたの敵で助けて...
ブラックアジア書籍

◆インド売春地帯を徘徊する暴力団を、身を縮めてやり過ごす

インド・コルカタの売春地帯ムンシガンジ・スラムの一室で窓の外を眺めていると、ギャングの一団が見えた。女性を威圧するような目つきで歩く男たちの姿は、遠くから見ていてもどこか背中が冷たくなるような緊張を覚える。「ほら、ギャングがいる」一緒にいた...
ブラックアジア書籍

◆アドレナリン・セックス。ラクミが暴力で教えてくれたもの

インドの売春地帯に放り込まれた女性は、文字が読めないどころか、まったく教育を受けたこともないことが珍しくない。そんな中で、激しい自己主張を繰り広げ、生きるために信じられないほど荒々しく、粗野になった女性も多い。売春地帯では年中、どこかから女...
ブラックアジア書籍

◆ミミンの匂い。「結婚して、私とあなたの子供を作りましょう」と彼女は言った

人は誰でも自分の人生で、どうしても忘れられない人と出会うことがある。自分の心をときめかせてくれる人がいる。優しくて、一緒にいると安心できて、触れ合うことに喜びを感じることができる人。出会った瞬間に、本当に何の違和感もなく受け入れられて、自分...
ブラックアジア書籍

◆インドの売春地帯で、男が試されるのは「水を飲むとき」だ

売春宿で水を飲むというのはよくあることだ。少なくとも女性は親切で水を差し出してくれる。それは拒絶できない。インドでは相手の差し出す水を飲むことによって、相手のカーストや人を受け入れたという意味がある。もし女性を受け入れたと示したいなら、コッ...