目的もなく、はっきりとした予定もなく、ただひとりで好きなように地を這うのが私の旅だ。そこに行けば何があるのか分からないので、そこに行く。何もないかも知れない。しかし、何もないということが印象に焼き付いて、忘れられなくなる。
インドネシアのリアウ諸島に「モロ島」という島がある。そこに行ったのも、ただ行ってみたいと唐突に思っただけで、予定に組み込んでいたわけでも、何かを探していたわけでもなかった。
ただ行きたかった。そして、その島が何もないということや、開発途上で捨てられた島だということや、労働者がいなくなったということを知った。
それでも、売春女性が数人残っていて土着しかけているということも知った。そこに行ったから、それを知っている。地を這うとは、そういうことだった。
朝までインドネシア・ビンタン島の名もないホテルにいた。前の夜に「22(ドゥアプル・ドゥア)」と言う変わった名前の店で連れ出した女性イナと一緒だった。
イナは人懐っこい女性で、褐色の肌に大きな目が本当に魅力的だった。じっと見つめ合うと、鼻に皺を寄せて顔をしかめ、「チッチッ」と舌を鳴らす。
まだ20歳にもならず、世間も知らない女性だと思っていたが、ベッドの中で彼女の服を脱がしてみると、どうやらそうでもないということに気がついた。腹に妊娠線が走っていた。
その妊娠線をなぞりながら「子供がいるのかい?」と聞くと、イナは照れくさそうに笑い、「ヤー」と答えた。
「バンドゥンに子供がいて、イヴ(お母さん)が見てくれているの」
しかも、それはふたり目の子供だと言う。歳を聞くと「21歳」と答えた。女性の歳を聞いてそれが正確なものなのかどうかは確かめようがないが、もし21歳が嘘ではないとすれば、結婚して子供を産んだのは17歳だとか18歳の頃になるのだろうか。
まだ教育制度が確立していない国、医療設備が整っていなくて寿命が短い国では、早婚は珍しくない。
だからイナが21歳でふたりの子供の母親であるとしても、驚くことはなかった。子供を育てるために売春しなければならないイナをそっと抱き締めた。売春ビジネスを終え、ベッドの中でリアウ諸島の地図を見ていると、イナが…
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インドネシア編』にて、全文をお読み下さい)

気持ち、写真を多めにしました。トイレの写真が一枚混じっていますが、このようなトイレだから、マラリアが根絶できないように思います。モロ島で、夜中にトイレだけは行きたくないものです。
【鈴木傾城】
ひえー、なんですかこのトイレ。
丸見えじゃないですか!
絶対ムリ。
いちおう水洗ですね(笑)。紙は部屋から持参あるいは手でふき、黄色いバケツの水で手を洗い、しかる後にバケツの水で「うぉら!」と流すのでしょうか?そして次の人のためにまたバケツに水を満たしておく、といっても水源はいずこに。(左方には川でもあるのですかね。)
そしてこの無駄に高い墓石のような台座!
男性の「小」ならいいけれど酔っ払い女には危険ですね。途中で転がり落ちそう。いやあちらの女性は立って小できるのかしらん。しかし男女ともに「大」は・・・。おそらく突き当りの壁に向いてしゃがむのでしょうがワキと背後が隙だらけだ!出るものも出なくなる、ってビロウな話ですみません。
「和式」や「アラブ式」を知っていれば、ふむこの辺に足をおいてしゃがむのね、で用足せますが、座る式しか知らないお方はアラブ式ましてやこの墓石便器は難しいでしょう(笑)。
ああ、無機の湖を拝見してこれは・・・と思ったのに、ついトイレに熱く反応してしまいました。aurore