人は誰でも自分の人生で、どうしても忘れられない人と出会うことがある。自分の心をときめかせてくれる人がいる。
優しくて、一緒にいると安心できて、触れ合うことに喜びを感じることができる人。出会った瞬間に、本当に何の違和感もなく受け入れられて、自分の探し求めていた何かにぴったりと当てはまる人。
振り返って見ると、インドネシアで出会ったミミンはそんな女性だったのかもしれない。出会ったときから彼女は華奢で、静かで、どこか心が傷ついた感じの女性だった。かわいらしかった。
もしかしたら、そのかわいらしさが仇(あだ)になって哀しい出来事があったような、そんな薄幸のイメージがずっと彼女について回った。
「結婚して、私とあなたの子供を作りましょう」と彼女は言った。
真夜中の静かな部屋の中で、じっとこちらを見つめるミミンを忘れることなど決してできないだろう。今でもずっと彼女は私の心の闇に潜んでいて、私を見つめている。
初めて会ったときのことを覚えている。インドネシア・ビンタン島の山奥の村をふらふらと歩いていると、ミミンの方から近づいてきた。
村と言っても普通の村ではない。売春する女性を隔離する特殊な村だ。インドネシアにはこういう隠された村がたくさんあって、ここにミミンがいた。
彼女は恥ずかしそうに私の腕を取って、それから何も言わずに売春宿の方へと誘導した。遠慮がちに絡みついてきた彼女の顔をのぞき込んで、「なんてかわいいのだろう」と思わずにいられなかった。
化粧で精一杯おとなびて見せようとしているが、少女の面影を残す童顔の輪郭の方が勝っていた。東南アジアの娘たちは、ほとんどが実年齢よりもかなり若く見える。後で聞いてみると……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インドネシア編』にて、全文をお読み下さい)

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