◆タンガイルのアイシャ。タンガイル売春地帯の道のり

◆タンガイルのアイシャ。タンガイル売春地帯の道のり

ゆっくりと寝たかったが、バングラデシュ・ダッカの朝は車の振動とクラクションの音と人々の叫び声や何かで寝てられなかった。仕方がなくベッドから起き出して安ホテルを出た。行く当てもないので、寝ぼけ眼のまま近くにあったレストランに入る。

内部は暗く、テーブルもイスも明日には壊れそうなほど古く汚れていたが気にしなかった。起きたばかりでまだ半分寝ているような状態で食事を頼み、出された水を飲んだ。出された水は恐らく井戸の水だと思う。

コップの水を飲み干すと、底は水苔のような汚れで真っ黒になっているのに気がついた。10年間コップを洗ったことがないような汚れだ。最初からよく見ればよかったが後の祭りだった。

呆然としながら店を出た。さすがにこれはコレラか赤痢かに罹るに違いないと確信しながら、喧噪にまみれたダッカの街をふらふらとさまよう。

インドやダッカで食事をすると、食べ終わるたびに下痢をしないことを祈っていることに気がつく。

バングラデシュはコレラ、赤痢、A型肝炎が蔓延している国だ。この国を訪れる日本人は数少ないにもかかわらず、その少ない人間がコレラや赤痢を持ち帰って日本で騒動になっている。

厚生労働省のサイトによると、インド圏から帰国した日本人の50人から赤痢菌が見つかったという報告もあった。それをよくよく読んでみると、食事や水を通して以下の病気に罹る可能性があると書かれている。

「食中毒、細菌性・アメーバ性の赤痢、コレラなどの下痢症、ジアルジア症・回虫症など各種寄生虫疾患、A型・E型肝炎、腸チフスなど……」

要するに、ありとあらゆる病気に罹るということだ。

私は東南アジア中を歩き回り、あちこちの水を飲み干しているし、屋台では現地の人と同じものを同じように食べている。しかし、幸いにして一度も深刻な下痢を経験したことがない。

海外に着いたとたんに下痢や発熱に襲われたり、マラリアにかかったり、体調を崩したりする人がいる一方で、数年に渡る海外生活でまったく病気にならない人もいる。

人それぞれとは言うが、遺伝的な配列や気質は明らかに病気に対する耐性に関連していると思う。しかし、バングラデシュでは……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インド・バングラデシュ編』にて、全文をお読み下さい)

『ブラックアジア・インド・バングラデシュ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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