日本人は、ある日突然「ホームレスだらけではないか」と気づくようになっていく

日本人は、ある日突然「ホームレスだらけではないか」と気づくようになっていく

無能な政治で貧困層が増え、貧困が解消されず、生活保護費も上がらず、貧困ビジネスも儲からなくなる。それが続き、これからも何も解消されないのであれば、間違いなくホームレスが増えていく。そうなのだ。これからはホームレスが増える方向に走っているのだ。(鈴木傾城)

大人の「ホームレス界隈」の人々については無視

歌舞伎町のシネシティではトー横キッズと言われる10代の子供たちもいるのだが、コンビニ寄りには60代を超えていると思われる身なりの良くない大人もまた座り込んで酒を飲んでいたりするのが見える。

トー横界隈の10代の子供たちは、彼らを「ホームレス界隈」と呼んでいるのだが、貧しい10代の子供たちの隣にホームレスの大人たちも一緒になってたむろしていて、さしずめ「どん底の人々の縮図」のようだ。

奇妙なことに、トー横キッズと同じ頃から彼らもまたシネシティ広場でたむろするようになっているのだが、10代の子供たちについてはマスコミもちやほや取り上げても、大人の「ホームレス界隈」の人々については、まるで目に入らないかのように無視している。

しかし、注意して界隈の様子を見ると、子供も増えているのだが貧困で行き場を失った「大人たち」もまた増えているのだ。

彼らは子供ではない。そのため「困ってるなら自分でなんとかしろ」というスタンスの元で放置されている。だが、どちらかと言うと、未成年の男女よりも彼らのほうが状況は絶望的なように見える。

体力もなければ知力も衰え、その上にもう自暴自棄になって酒浸りになって転がっているからである。

シネシティ広場だけではない。新宿の至る所でよくよく見れば高齢者のホームレスが誰にも気づいてもらえないまま、どこかに座り込んで呆然としていたり、寝てたり、酒を飲んでいたりする姿があることに気づく。

シネシティ広場だけではない。新宿の至る所でよくよく見れば高齢者のホームレスが誰にも気づいてもらえないまま、どこかに座り込んで呆然としていたり、寝てたり、酒を飲んでいたりする姿があることに気づく。

日本は貧困化しているわりにはホームレスが少ない?

いや、新宿だけではない。池袋でも駅構内で倒れ込んでいる高齢ホームレスを見たし、駅近くの公園でも高齢者ホームレスが集まってビニールシートに座り込んで酒盛りをしているのを見た。

日本は街に増えるホームレスを消すために、行政はわざと「貧困ビジネス」を放置している。貧困ビジネスとは、ホームレスをつかまえて劣悪な施設に放り込み、彼らが逃げられないようにしておいて生活保護費を搾取するビジネスである。

これが今や日本のどこのドヤ街でも常態化している。

行政が高齢ホームレスが搾取されているのを知っていて何もしないのは、そのほうが彼らにも国民にも得だからである。国民はホームレスがいたらすぐに排除しようと行政に苦情を言ったりして大騒ぎする。

だから、排除アートなんかできたりする。(「排除アート」とは、アートのように見せかけたホームレス排除の芸術作品である

排除アートは「ホームレスはここに来るな」という暗黙の排除なのだ。それでも居着くホームレスは通報されて排除される。警察から「近所から迷惑だと苦情が来ているからどこかに行け」と言われて追い出される。

どこかに行けと言われてもこの世から消えていなくなるわけにはいかないので、行く先々で同じことが繰り返される。そのたびに警察当局や行政が仕事をしなければならない。

しかし、そういうホームレスを片っ端から捕まえて、「施設」に放り込んで世間の目から隠してくれるのが貧困ビジネスだったのだ。彼らはホームレスに生活保護を申請させてそれを搾取するが、それを暴いて騒ぎ立てるよりもそっとしておいたほうが行政としては楽である。

だから、日本は貧困化しているわりにはホームレスが少なく見える国なのだ。

行政が高齢ホームレスが搾取されているのを知っていて何もしないのは、そのほうが彼らにも国民にも得だからである。国民はホームレスがいたらすぐに排除しようと行政に苦情を言ったりして大騒ぎする。

ある日突然「ホームレスだらけではないか」と気づく

しかし、これからはどうだろうか。歌舞伎町に「ホームレス界隈」ができているし、大都市のあちこちで貧困ビジネスをやっている人間たちですらも吸収できないホームレスが増えてきている。

日本の政治家どもは、エラそうにしていても30年も日本を成長させることもできないほど無能でぶざまな集団である。そういう政党や政治家がこれからも10年1日のごとく政界に居座って変わらないのであれば、日本はもっと貧しくなるだろう。

今、日本は税金が次々と新しく設置され、前からある税金は引き上げられ、今まであった控除は削減され、さらに社会保険料もじわじわと上がっていき、潜在的国民負担率も61.1%になる凄まじい状況だ。

そんな中、日本政府は生活保護費も削減している。

削減がはじまったのは2020年10月からだが、その頃はコロナ禍の真っ最中だった。非正規雇用者は次々と一時休業やリストラに追いやられて、貧困層がもっとも困っていた時期だ。それでも、日本政府は冷酷に生活保護費の削減を決めた。

そして2022年からは日本もいよいよコストプッシュ型のインフレが起きはじめたのだが、それがますます生活保護費の相対的な低下を招いている。これは何を意味しているのか。

これは、貧困ビジネスの利益が減るということなのだ。そのため、貧困ビジネスは「もっと搾取を苛烈にする」か、もしくは「前ほど熱心にビジネスをしなくなる」かどちらかとなる。

搾取が苛烈になったら、施設に入らないでホームレスをした方がマシだと貧困者も思うし、前ほど熱心に施設に連れて行かれなくなったら、やはりホームレスが増える。

そうなのだ。これからはホームレスが増える方向にあるのだ。

無能な政治で貧困層が増え、貧困が解消されず、生活保護費も上がらず、貧困ビジネスも儲からなくなる。それが続き、これからも何も解消されないのであれば、間違いなくホームレスが増えていく。

今、歌舞伎町のシネシティ広場には「ホームレス界隈」が定着しているのだが、これが日本中に広がっていったら、今まで気がつかなかった人たちも、ある日突然「ホームレスだらけではないか」と気づくようになっていく。

無能な政治で貧困層が増え、貧困が解消されず、生活保護費も上がらず、貧困ビジネスも儲からなくなる。それが続き、これからも何も解消されないのであれば、間違いなくホームレスが増えていく。

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