日本という国が衰退し、貧困が広がり、治安が悪化していけばいくほど、得する人間がいる。それは、アンダーグラウンドの人間だ。
アンダーグラウンドの人間というのは、ギャングや、マフィアや、犯罪者や、変質者や、詐欺師や、異常者、さらには社会の裏側で生きているドラッグ依存者や、セックスワーカーなども含まれる。
オーバードーズする若者たち、社会からドロップアウトした人たち、全身タトゥー、ピアス、人体改造など、社会から理解されない志向を持った人たちもまたアンダーグラウンドの住民といえるだろう。
テロリストや社会に憎悪を抱いて暴力志向を持つ人間たち、反社会的な教義を持つカルトの教祖や信者たちもアンダーグラウンドの住民に含まれるだろう。
日本が衰退していけばいくほど、アンダーグラウンドの人間たちは自分たちのテリトリーを広げて闇の中で増殖していく。
社会の衰退や貧困が加速していけば、人々は自暴自棄になり、治安が悪化し、警察や司法システムが手一杯になり、法の執行が難しくなるので、裏社会の活動が摘発されにくくなっていくからだ。
それまで表社会でコツコツ生きていた人たちも、合法的な手段での生計を立てることが難しくなっていけば、アンダーグラウンドに入っていくことになるだろう。普通の若者がドラッグを売るようになったり、普通の女性がセックスワーカーで生きるようになっていく。
今は社会のホワイト化が進んでいるのだが、日本の衰退や貧困が加速していけば、いずれはオセロの白が一気にひっくり返るように社会はブラック化していくのだと私は思っている。
日本は衰退に向かっている。とすれば、いくらホワイト化が進んでいるように見えても、最終的には社会はブラックで覆われると考えるのが自然ではないか。
