コロナ禍で社会が激変し安倍首相も辞任した2020年。鈴木傾城の偽らざる気持ち

コロナ禍で社会が激変し安倍首相も辞任した2020年。鈴木傾城の偽らざる気持ち

コロナ禍はまだ続いていて景気も悪い。私もいろんな人に会っているのだが、どん底(ボトム)に生きている人の厳しさは尋常ではないのも感じる。本当にみんなギリギリのところで何とかやりくりしている。2019年とはまったく環境が違う。「傾城さん、今年は世の中変わってしまったよね」と、私にしみじみ言った人もいた。「本当にそうだね」と私も答えた。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

計画を立てたら崩れ、思い込んだらアテが外れるのが人生

当初、2020年はなるべく頻繁にタイやカンボジアやインドネシアに行きたいと思っていた。

その国のいかがわしい歓楽街に沈没し、街の猥雑で狂ったような喧噪の中で揉まれ、あるいはビーチでのんびりし、安宿のメシを喰らい、見知らぬ女に金を毟り取られたり、殴られたりしながら過ごそうと思っていた。

「よし、今年は行こう」と気合いが入っていた。

そうしたら、いきなりコロナみたいな厄介なウイルスがグローバルに広がって、全世界がロックダウンされるような目に遭い、海外に出るどころではなくなった。

今まで海外に行こうと思って行けなくなったのは、それこそ台風の直撃に遭ったくらいしか記憶にない。まさか、パンデミックで社会が激変する瞬間が自分の生きている間に経験するとは思いも寄らなかった。

このコロナ禍は日本では落ち着いているのだが、EU(欧州連合)各国では落ち着くどころか、より深刻な感染拡大を見せていて、フランスもドイツも再びロックダウンをせざるを得なくなっている。

私は、3月か4月の時点で「何か薬か治療薬かワクチンが出てきて数ヶ月後くらいには収束してくれるのではないか」という希望を持っていて、遅くても秋くらいには海外に出られるだろうと漠然と思っていた。

しかしコロナは落ち着かず、ワクチンもまだできず、効果的な治療薬もなく、私の好きなインドも最悪の情況だ。

インドネシアも東南アジアで最悪にひどい。タイは封じ込めに成功したのはいいが、軍政や王制に対する抗議デモが湧き上がっていて落ち着かなくなった。

人生というのは、計画を立てたら崩れるというジンクスがあるのかもしれない。あるいは思い込んだらアテが外れるのかもしれない。そんなことを思い知らされたのが2020年だった。

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トランプ大統領には勝って欲しいという希望はある

この2020年もあと2ヶ月ほどを残すだけだ。「歳を取れば月日が経つのが異常に早くなる」とはよく聞くが、本当にそう思う。

自分の意識の中では、こないだ2020年が始まったばかりだというのに、もう2020年も終盤に入っている。とても信じられない。

せめて11月12月の2ヶ月くらいは平穏に終わればいいのだが、来週あたりにはアメリカの大統領戦の結果が出るし、荒れるかもしれない。トランプ大統領には勝って欲しいという希望はあるが、もちろんどうなるのか分からない。

「勘でいいので、どちらだと思いますか?」と、よく聞かれるのだが「全然分かりません」とずっと答えている。間違えて恥をかくのがイヤだというのではなく、本当に分からないので分からないと言うしかない。

トランプ大統領はこの4年、よくやったと個人的には評価している。最初は「アメリカはこんな大統領を選んで大丈夫なのか?」と心配しかなかった。しかし、時間が経つにつれて、トランプ大統領は今までに一番まともな大統領に見えるようになった。

ヒラリー・クリントンが大統領だったら、中国をここまで追い詰めることもなく、工作活動を止めることできなかったはずだ。オバマ大統領が何もできなかったように、ヒラリーも何もできなかったはずだ。

ヒラリーも私利私欲に狂っているエスタブリッシュメントだし、ビル・クリントン元大統領はと言えば脇の甘い女好きだ。これだと、二人揃って中国の「金」と「女」でアメリカは媚中国家となっていたのは間違いない。

ジョー・バイデンも、どう考えても同類にしか見えない。その上、バイデンはロリコンで認知症だ。さらに息子ハンター・バイデンもドラッグ・アルコール依存の女狂いだ。(ブラックアジア:リベラルのマスコミが必死に隠しているハンター・バイデンの流出画像

いくら何でもひどすぎる。

だから、トランプ大統領にはあと4年継続して欲しいとは心の底から思っている。しかし、いくら私がトランプ大統領に勝って欲しいと思っても、計画を立てたら崩れ、思い込んだらアテが外れるのが人生なのだから、やはりどうなるのか分からない。

「世の中どちらにも転ぶ」と思いながら、11月3日の結果を待っている。

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安倍首相の功績はもっと評価されてもいいと思う

2020年は、安倍首相も辞任してしまった。安倍政権は2019年に消費税の引き上げという失態を犯した上にコロナ対策でも失敗したので、「安倍政権はもう安定を失って賞味期限が切れた……」という気持ちが私の中に生まれていた。それが6月か7月か、そのあたりだったと思う。

安倍首相は7月は体調も悪そうなのはニュースの映像からも窺えたし、ずっと顔もむくんで血色が悪かった。知り合いの議員も「総理は本当につらそうだ」と言っていたので、8月の慌ただしい病院の検査の後の発表は何かただ事ではないというのは分かった。

私は「長めの休養を取るのではないか」と思ったのだが、安倍首相の会見から出てきた言葉は「辞任」だった。賞味期限が切れたと思っていたのは事実だったが、7年8ヶ月に及ぶ長期政権が、こんな形であっけなく幕を閉じるというのは寂しい気持ちになったのも確かだ。

戦後の歴史でも稀に見る長期政権だったのに、終わりがあまりにも淡々としていて波乱らしき波乱もなく、混乱らしき混乱もなく、日本の社会がひっくり返るような騒ぎになることもなかった。

まるで何事もない一日が終わるかのように、映画の終わりに画面が静かにフェードアウトするかのように安倍政権は消えていった。社会を混乱させずに静かに幕引きしたというのは、それなりに評価されることなのかもしれない。

しかし、それにしても静か過ぎて逆に私は寂しかった。たった二ヶ月前まで、誰もが「安倍首相は」「アベが」と良くも悪くも議題の俎上に上げていたのに、今はもう誰も安倍首相のことを忘れてしまったようにも見える。

確かに安倍首相にも毀誉褒貶はある。評価されるべき点もあるが、批判されるべき点もある。人それぞれ、安倍首相に感じているものは違うだろう。

しかし、あれだけ長きに渡って日本の政治を支えてきた人物も、辞任したらたった二ヶ月で誰もが忘れてしまったように見えるのは寂しい。

安倍首相の功績はもっと評価されてもいいと思う。長い政権の中でいろんなことがあったが、個人的には安倍政権をそれなりに評価している。

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一筋縄ではいかないのだろうと薄々感じている

なぜ安倍政権は長期政権となったのか。マスコミや野党はどう思っているのか知らないが、安倍首相は客観的に見て「まとも」だったからに他ならない。安倍首相の前は民主党で、その政治はめちゃくちゃだった。

私は2009年に民主党政権が樹立した時、「ああ、これで日本は終わったな。もう日本は二度と復活しない」と確信した。鳩山由紀夫はどうしようもなかったが、菅直人は輪をかけてひどかった。日本はもはや政治を失ったも同然だった。

これは私だけでなく、すべての日本人の共通意識だったはずだ。だからこそ2013年からの安倍首相の活躍は国民の誰もが「奇跡だ」と感じたし、せっかく得た安定をもう二度と失ってはいけないと国民の誰もが無意識に思った。

私は積極的な自民党支持者ではない。安倍政権の政策にも100%賛成ではない。しかし2013年以後、とにかく安倍政権を支えて日本に安定を取り戻さないといけないと私は思ったし、私以外の全日本人が思っていた。

「そうしないと日本は滅ぶ」という意識がシェアされていた。

安倍政権が長期政権となったのは、そうした感情を普通の日本人がきっちりと持っていて、「社会を安定させるために、今はともかく安倍政権を支えなければいけない」と分かっていたからである。

そんな安倍政権も終わってしまった。安倍首相は表舞台から去った。政治的安定はふっと足元から消された。コロナによって経済的な安定も失い、もしかしたら政治的な安定も失っているのかもしれない。

コロナ禍はまだ続いていて景気も悪い。私もいろんな人に会っているのだが、どん底(ボトム)に生きている人の厳しさは尋常ではないのも感じる。本当にみんなギリギリのところで何とかやりくりしている。2019年とはまったく環境が違う。

「傾城さん、今年は世の中変わってしまったよね」と、私にしみじみ言った人もいた。「本当にそうだね」と私も答えた。

社会には明らかに「転換点(ターニングポイント)」となるべき年が10年周期でやってきて、その年から過去とはまったく違う社会に入る。2020年は明らかに、今までと違う社会に入る「最初の一歩」ではないかと私は思っている。

つまり、今までの10年の常識では生きられない時代に入るということだ。たぶん、一筋縄ではいかないのだろうと薄々感じている。しかし、計画を立てたら崩れるというジンクスがあるし、思い込んだらアテが外れるので、どうなるとは決めつけたくない。

「変わる」ということだけを意識している。

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