「何もしない、できない」人は、今後は家庭からも社会からも見捨てられる

「何もしない、できない」人は、今後は家庭からも社会からも見捨てられる

世の中には、誰から何も言われなくても自分から努力して成り上がれる人もいる。彼らは「継続は力なり」のような言葉を座右の銘にして、よく考え、よく働き、着々とキャリアを積み上げて社会の頂点に向けて動いていく。

しかし、そんな人ばかりではないのは事実だ。遺伝的に、性格的に、気質的に、どうしても努力できない人がいる。

努力すれば何とかなる局面でも、努力しないのでなし崩しに落ちぶれていく。そして、必然的に社会の底辺にまで行き着く。

つまり貧困に転がり堕ちたのは、社会が悪いのではなく、出自が悪いのではなく、親が悪いのではなく、環境が悪いのでもなく、病気のせいでもなく、ただただ「本人が悪い」と言うしかない人が存在するのだ。

運の良し悪しが人生を決めることもある。しかし、それ以前に「やるべきことを何一つしないで困窮するタイプ」が世の中にはいる。

日本のアンダーグラウンドでも、そうした女性が大勢いるのは間違いない。私はそうした女性たちと大勢会ってきている。これからも出会うだろう。(ブラックアジア:野良犬の女たち(ストリート売春、そして流れ者の女)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

本人が努力もやる気も見せない

社会の底辺に堕ちた人というのは、一様ではない。才能と向上心と努力の塊のような人でも、何らかのきっかけで社会の底辺に堕ちても不思議ではない。

たとえば、資金繰りのミスで立ち直れないほどの損害を抱えたとか、共同経営者に騙されたとか、深刻な病気になったとか、家族との関係に問題が起きたとか、いろんな原因で信頼や財産をすべて失うようなことは珍しくない。

芸術や表現に関して溢れるような才能があっても、それで一生を支えられるとは限らない。金融リテラシーに欠けていたら、いくら芸術の才能があっても生活は困窮してしまう。

他にも、アルコールやドラッグで身を持ち崩したとか、浪費が止まらなかったとか、世の中にはいろんな転落があるのだ。(マネーボイス:なぜ年収数億円の有名人が破産する?私たち庶民にも参考になるたった1つの防衛策=鈴木傾城

しかし一方で「転落した」のではなく、最初から努力することも向上心を持つこともないまま、堕ちるべくして社会の底辺に堕ちる人も存在する。まさに「自業自得」という言葉が、そっくりそのまま当てはまる人である。

やるべきことをやらない。守るべきものを守らない。踏ん張らなければならない時に踏ん張らない。

「もう少し向上心を、もう少し努力をしたら何とかなる」とまわりから思われ、指摘され、更生のアドバイスを受けるのだが、それでも向上心も努力も持てずに為すがままに生きる。だから、どん底まで堕ちる。

いくら救済の手を差し伸べても、その効果は一時的で限定的だ。救済が切れると再び堕ちる。自分では何もしないので、自力では浮上できない。そのため、どこまでも底辺をさまよい歩くことになる。そういった人が世の中には大勢いる。

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感心してしまうほど向上心が欠けている

社会の底辺では、パチンコ屋でタバコをふかしながら「金がたまらない」と言い、仕事を探す努力もしないで「金に困っている」という人もいる。あるいは朝から大酒を食らって、仕事もしないで「仕事がない」という人もいる。

悪癖を指摘されてもそれを止める努力をするわけでもない。誰かに止めさせられてもまた悪癖に戻る。第三者が必死で仕事を見つけてあげて仕事に就かせても、遅刻や無断欠勤をしたあげくに勝手に辞めてしまう。

もちろん、本人が一番困ることになるのだが、本人よりもまわりの方がやきもきして世話を焼くことも多い。しかし、何をしても本人が努力もやる気も見せないので何ともならない。

たとえば、普通の人には、家賃が払えなくなるとか光熱費が払えなくなるというのは「一大事」である。そのため、何としてでも金を集めるために努力する。光熱費が払えないというのは、命に関わることだからである。

しかし「困った」と思いながらも、特に何もしないでその日を迎える人も世の中にはいる。破滅が分かっていても何もしないのである。そこを乗り越えなければ終わりだと分かっていて乗り越えない。

感心してしまうほど向上心が欠けている。いまだかつて一度も自分の人生で向上心を持ったこともないのではないかと思うほど向上心がない。

努力しないのでどん底まで落ちぶれる。社会の底辺に、堕ちるべくして堕ちる。自分で自分を何とかすることができないので、事態が悪化しても何もしない。

「まずいことになった」というのは分かっているのだが、そうなった原因を究明し、反省し、対策を立案し、解決に向けて実行するという基本的な方針が人生にない。

そんな基本方針があれば最初からどん底にまで堕ちることはないのだが、どん底に堕ちても何もしないというのが彼らの特徴でもある。

 

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何もできない人を助けるにも限度がある

彼らは遅かれ早かれ困窮する。かと言って、彼らは助けを求めることもない。なぜなら、困ったから何とかしようとする発想そのものがないからだ。今までそうしたこともないのでコミュニケーション能力も備わっていない。

そう言えば、社会の底辺には絶望的なまでにコミュニケーション能力が欠けている人も大勢いる。(ブラックアジア:白い膜を顔に張り付けたような女(1)彼女は小刻みに震えていた

彼らは、合理的に考えることも、合理的に行動することもない。社会を理解しようとすることもない。社会の底辺にはある一定数でこのようなタイプの人たちがいて、だからこそすべてを失って、どん底を徘徊している。

本人の努力ではいかんともし難い苦難に見舞われて転落した人と、最初から何もしないで堕ちるべくして堕ちた人が貧困社会の中に混在している。

社会で生きる力が備わっていない人であっても、全員が全員ともホームレスになって困窮するわけではない。親が何もできない子供を許容する場合、親が一生涯養うので彼らは何事もなく生きて死んでいくことになる。

しかし、助けてくれる人がいなければ、あっと言う間に社会のどん底に堕ちていく。

多くのNGOは、こうした人をさえも救済しようと手を差し伸べる。しかし、ほとんどは徒労に終わることになる。最終的に自立できるだけの力が備わっていないので、助けても助けてもずるずると駄目になるからだ。

何もできない人を助けるにも限度がある。そのため、救済はやがて途切れて、再び社会の底辺に向かって沈没していく。

こうした人々は、いつの時代でも、どこの国でも、どんな社会システムの元であっても、性別も関係なく存在する。いかに社会システムと福祉を充実させても、何ともならない人であるとも言える。

鈴木傾城が、日本のアンダーグラウンドで身体を売って生きる堕ちた女たちに出会う。電子書籍『デリヘル嬢と会う2』はこちらから。

見捨てられるような光景が出現する?

本当に何もできない人が世の中にいて、そういった人たちの一定数が社会の責任とはまったく関係のないところで必然的に堕ちていく。しかし現代社会は、それを指摘するのは一種のタブーでもある。

貧困撲滅という美しい社会システムの構築には「救済できない人がいる」というのは不都合な事実である。それを認めてしまったら、貧困層を救済する大義名分が消えてしまうかもしれないからだ。

また、自業自得で救えない人がいると社会が認識してしまったら、救えるはずの貧困層も「放っておけ、どうせ救えないのだから」という話になってしまう危険がある。そのため、「本人の性格・気質のためにどうしても救済できない人がいる」という事実はやんわりと隠される。

社会福祉が充実した社会は、こうした「最初から努力もしないで、為すがまま生きてどん底に堕ちた人」も救済する。社会が余裕があり、家庭に余裕があったら、彼らは目立たずに救済されるのだが、社会にも家庭にも余裕がなくなれば、いよいよ彼らは放置されることになる。

最近、8050問題が日本社会に急浮上している。「80代の高齢化した親と50代のひきこもりの子供の共に困窮化」を8050問題と呼ぶ。(ブラックアジア:親が高齢化して、ひきこもった子供の面倒を見ることができなくなっている

ひきこもった子供たちというのは、自分で努力して世の中を切り拓くのではなく極限まで親に依存して生きていくのだが、親が高齢化して「何もしない子供たち」を支えることができくなった。

かと言って、少子高齢化で社会保障費が膨れ上がって財政赤字に苦しむ政府にも余裕があるわけではない。

そのため、破滅が分かっていても「何もしない、できない」人は、今後は家庭からも社会からも見捨てられるのではないか。そんな光景が社会の底辺に出現するのではないか。そのような動きが社会の底辺を見ていると感じ取れる。(written by 鈴木傾城)

破滅が分かっていても「何もしない、できない」人は、今後は家庭からも社会からも見捨てられるのではないか。そんな光景が社会の底辺に出現するのではないか。そのような動きが社会の底辺を見ていると感じ取れる。

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