2022年6月15日に「AV出演被害防止・救済法」、通称「AV新法」と呼ばれる法律が成立し、これが6月22日に公布され、翌日から施行されるようになった。
アダルトビデオに強制的に出演させられる女性を少しでも減らし、さらに契約を厳格にし、さらに契約が不備な場合は、販売や配信の停止を請求することができるというものであり、被害に遭った多くの女性を救う法律であった。
とは言っても、これは業界にとっては事業の縮小が余儀なくされるまでに厳しいものであったので、現役のアダルトビデオ女優までが逆に「AV新法」に反発し、撤廃を求める運動も起こったりして一筋縄ではいかない様相となっている。
AV新法では「契約してから1か月は撮影してはいけない」とか「撮影終了後から4か月は公表してはいけない」とか、契約が決まってもすぐに撮影に入ることができないし、さらには撮影が終わっても4か月は寝かさなければならない内容となっている。
そのため、撮影する会社はおろか、監督もスタッフも女優も男優もコーディネーターも、すぐに金が入ってこない状態になってしまった。
それだけではなく、「撮影時には出演者の安全を確保せよ」とか「撮影や嫌な行為は断ることができる」とか「公表前に事前に撮影された映像を確認できるようにせよ」とあって、通常よりもコストも手間もかかる内容である。
確かに騙されて連れて来られる女性はこれで助かる可能性はあったりするのだが、一方でプロとしてやっている人々をがんじがらめにしてしまうものなので、業界そのものが2022年6月から「首を絞められた」も同然になったわけだ。
「アダルトビデオみたいなものは女性の犠牲の下に成り立っているものなので、業界が苦境に落ちて消滅してしまったところで問題はない」というフェミニストたちの意見も支持があるし、逆に「なくしてもらったら困る」というユーザー側の意見にも支持がある。
結局、この法律はザル法になるのか、それとも厳しく運用されて業界が縮小するのか、それとも私たちが考えたこともない結果をもたらすのか、時間が経ってみないと分からないところがある……。
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