アメリカで最も知られている反ポルノの運動家は、シェリー・ラベンという女性かもしれない。彼女はピンククロス財団の理事長であり、神学研究の学士号を取得、現在はキリスト教系のカウンセリングをしている。
しかし、その前職はポルノ女優だった。彼女は「ロキシー」という名でずっとポルノ業界にいたのだが、1994年には業界を去るしかない状況に追い込まれた。
しばしば性病に罹り、子宮頸癌で摘出手術を受け、身体にメス痕が残ったことでポルノ女優として使い物にならなくなった。いや、むしろ彼女は自らの生き方に疑問を抱き、自分のいるポルノ業界のあり方にも憤りを感じながらそこを去った。
彼女がいた時代、ポルノ業界を震撼させていたのはHIVとドラッグだ。この業界では「HIVやドラッグに関わった人物は排除される」というのが建前だった。
ところが現状は違っていた。HIVの男性、女性がしばしば出演して、不特定多数の出演者に感染させたり、ドラッグに溺れていたのである。
ところで、アメリカのポルノの80%以上は、ある特定の地域で制作されていると言われている。それはどこか分かるだろうか。そしてその理由も言えるだろうか。