パタヤの人種の変遷を見ていると本当に面白い。その時代にどの国の男たちが目立つのかで、その国の経済事情や、衰退や、国際的な立場や、国としての趨勢が分かってしまうからである。
コロナ以前はパタヤの売春地帯は中国人の観光客に席捲されて、呼び込みも「ニーハオ、ニーハオ」ばかりになっていたのだが、中国発のコロナウイルスで中国人の観光客はパタヤからばったり消えた。
そして今も、徐々に外国人観光客が増えつつあるタイの売春地帯パタヤでは中国人の姿はほとんどない。なぜなら、中国政府が強烈なロックダウンを強いており、中国人は自由を奪われているからである。
そして、同時にパタヤでかなり目立っていたロシア人もまた消えている。ロシアは今、国際的に金融制裁の最中にあり、パタヤでリゾートを楽しむような状況になっていない。もしかしたら、パタヤにロシア人が戻ることはもう当分ないかもしれない。
一方で欧米のファランたちの姿はタイの売春地帯で目立つようになってきている。かつてのパタヤは欧米人しかいなかった。そういう意味では「1980年代に近い姿」に戻ったのだが、その中で欧米人に混じって増えているのが中東系とインド系である。
パタヤを見ていると、2010年代の後半からインド人が無視できないほど増えていたのだが、その勢いは今も止まっていないのである。インドが経済発展していくと、パタヤはやがてインド人だらけとなっていくに違いない。
当然、インド人がパタヤで事件に巻き込まれることも増えるだろう。
2022年5月、パタヤにいたインド人観光客が立て続けに盗難事件に巻き込まれているのを見て、インドという国の勢いを私は感じている。
ちなみに、インド人が巻き込まれた事件は、例のごとくレディーボーイが起こした事件である。私はこの事件の報道を読んで苦笑したのは確かだ。被害に遭う男たちの人種は変わっていくのだが、レディーボーイの手口はまったく変わっていないからだ。
レディーボーイの強盗事件は、何十年も前からお決まりの事件である。
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