低賃金化・社会の高度化・性の自由化で不安定になった女性たちが苦しむ

低賃金化・社会の高度化・性の自由化で不安定になった女性たちが苦しむ

ここ数年で、鈴木傾城は身体を売る女たちと接する機会を増やしている。今でもこの試みは続いている。(ブラックアジア:野良犬の女たち(ストリート売春、そして流れ者の女)

そして、以前から統計データで分かっていたことが、女性たちの必死で生きている姿から浮き彫りになっていることに気づいた。それは、学歴の問題だ。彼女たちの中には高学歴の女性もいるにはいるが、高学歴の女性が堕ちるのは主流ではない。

やはり、学歴を持たない女性が堕ちるのが主流だった。彼女たちは高学歴を求める社会から排除されいた。だから、飲食店のウエイトレスや一時的なバイトの仕事をしながら身体を売る仕事に堕ちる。

2000年以降はネットカフェ難民やホームレスに落ちる女性の姿も日本で報告されるようになってきているが、こうした女性もまたその多くが低学歴層である。

政府の統計でも中学卒業者の就職率はとても低いことが分かっている。仕事が見つからなかったのだ。仕事が見付かっても低賃金の仕事しかなく、非正規であることも多い。

統計を見ると、25歳から34歳までの若年層の40%近くは非正規雇用者になっている。つまり、正社員ではなかった。これが女性になると2人に1人は非正規雇用者だ。学歴が低ければ低いほど貧困に堕ちやすい。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

若年層が奴隷化できることを、企業は気づいたのだ

日本企業もグローバル化の波に飲まれて変わった。現代社会で起きているのは、学歴による格差だ。今、社会の底辺で起きている現象はこういうことである。

「中卒・高卒のほとんどは仕事がない」
「低学歴の若者の半分は正社員になれない」

この傾向は女性の方が顕著になる。女性の方が悪い方向で突出している。今の日本女性は、その中で漠とした将来の不安を抱えて生きている。

こんな中で、ニートと呼ばれる「若年無業者」は63万人もいる。そして、最近増えているのが30代のニートだ。63万人のうち、30代はほぼ40%近くを占めている。

ニートではないが、ちょっとしたアルバイトやパートの仕事しかしていない若年層も180万人いる。フリーターと言われるこの層は、自力で生活を支えていくのは非常に難しい状態である。

この二つを合わせると、243万人になる。

これだけの若者が日本の底辺にいて、恐らく生活を向上させることができないまま40代に突入して、這い上がることができない貧困層に転がり落ちていくことになる。

働いている若年層も半分は正社員になれないのだから、いったん不景気がやって来ると、非正規雇用者からリストラされるので、時代に翻弄されやすい層であると言える。

当然、若年層は何とか生活を安定させられる仕事を探そうと必死になるのだが、そこに待ち受けているのがブラック企業である。

ブラック企業は、若年層の苦境をよく知っている。若者が簡単に就職先が見つからないことを知っている。だから、簡単に辞められないのを見越して、死ぬほどこき使う。

若年層が奴隷化できることを、企業は気づいたのだ。だから、その状況を悪用して奴隷のように働かせ、壊れたら使い捨てするのである。

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高い教育・訓練を受けた人間が必要不可欠になった

今の時代の若者は信じられないかも知れないが、1980年代の若者は「独身貴族」という言葉もあるくらい羽振りが良く、ちやほやされていた。

彼らの特徴は、親元から独立しないで家賃を浮かし、バブルに踊っている企業に勤めて高い給料をもらって遊興費に金がかけられることだった。

ブランド品を買い、海外旅行に行き、ディスコで踊り狂い、それが永遠に続くと彼らは思っていたのである。しかし、そのバブルは1990年代に弾け飛んでいった。

1990年代の前半は、しばらく惰性でバブルの余韻に浸っている人たちもいた。しかし、1990年代の後半にもなると、不景気が徐々に回り出して自殺者も3万人を超えるようになり、リストラが静かに増え始めていた。

時代は変わった。(ダークネス:1971年〜1974年生まれは、自分たちは過酷な時代に生きる世代だと認識せよ

若者に多くの給料を払う企業が激減し、それと同時に若者が寄生している親の世代が疲弊するようになっていった。若者は親の甘い汁を吸うのが難しくなったのだ。

さらにこの時代からグローバル化が中小企業にまで浸透するようになって、単純労働は海外の工場で製造する時代になっていき、若者の就職口が減ると同時に給料も減っていった。

さらに悪いことに、このあたりから企業のコンピュータ化が急激に進んで、高い教育・訓練を受けた人間が必要不可欠になり、低学歴層は切り捨てられてしまうことになった。

2000年代に入ると正社員で若者を雇う企業も減ってしまい、非正規労働者がどんどん増えた。

不景気になると、彼らは真っ先に切り捨てられるし、給料はずっと低いままに抑えられる。そうやって、若者や女性に未来がなくなっていった。

若者の街、渋谷。思い思いのファッションで街を歩く若者たちを見ればみんな「うまくやっている」ように見えるのだが、実態はそうではないのは様々な統計データを見れば浮き彫りになる。若年層は厳しい社会であえいでいる。

いつでも裏切られるし、自分も裏切るかもしれない

日本の若い女性の将来を不安定化させているのは、性の自由化による伝統的な家族の崩壊も理由として挙げられる。(ブラックアジア:女たちは「自由になったが、強くなっていない」ので堕ちているのか?

性が自由化されるということは、家族という枠が壊れやすいということでもある。同棲、事実婚、離婚、シングル・ペアレント(片親)の大量出現は、すでに伝統的な家族の形が成り立っていないことを示している。

性の自由化は、フェミニズム的に言うと「女性の自由」の拡大でもあったのだが、同時に女性の生活基盤を不安定化させるものでもあったのだ。

要するに若者の男女関係はとても簡単に壊れるようになっており、パートナーはいつでも裏切る信用できない人間と化してしまっているのである。

いつでも裏切られるし、自分も裏切るかもしれない。だから、結婚というスタイルは、究極のリスクになった。仕事も不安定で、家庭も不安定になったのだ。これで女性が将来の展望が描けるはずがない。

女性を追い詰めるこれらの環境は、多くの先進国で次の3つに集約されている。

(1)グローバル化による低賃金化。
(2)情報化による職業の高度化や専門化。
(3)性の自由化による家族の不安定化。

多くの女性の生活を不安定化させる上記の3大要素は、これからも消えることはない。消えるどころか、逆に加速をつけて深化していくことになる。

だから、女性がこの時代に生き残れるのは、ひたすら高学歴を目指し、専門知識を手に入れてそれを生かす職業に就き、性に対しては保守的なパートナーを選ぶということになる。

それができない女性が安定した未来をつかむのは、とても難しい時代になっている。

風俗に堕ちた女性の話を聞くと、それがよく分かる。

仕事も家庭も不安定で心の拠り所はどこにもない。将来に対する不安と絶望で押しつぶされそうになっている。それが今の女性の置かれている現状だ。この状況はこれから変わるのだろうか? 社会は良くなるのだろうか?

色々な幸運が重なっていけば、社会はいつか良い方向に変わるかもしれない。しかし、少子高齢化で苦しむ日本に道が拓けるには、まだまだ時間がかかりそうだ。(written by 鈴木傾城)

仕事も家庭も不安定で心の拠り所はどこにもない。将来に対する不安と絶望で押しつぶされそうになっている。それが今の女性の置かれている現状だ。この状況はこれから変わるのだろうか? 社会は良くなるのだろうか?

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