売春地帯で莫大な数の女性をハイエナのように追いかけてきた男は、太った身体も痩せた身体も黒い身体も白い身体も若い身体も老いた身体もすべて関わることになる。
あらゆる女性のあらゆる種類の身体を知ると、ある時ふと「女の肉体」というものに飽きを感じる。その時に、どのような選択をするのかで運命が分かれる。
セックスに関心を失い、売春地帯を去ってひとりの女性に落ち着く男もいる。「女の肉体」からレディーボーイという「トランスジェンダーの肉体」に移る男もいる。
しかし、「女の身体に飽きたから今度は男(同性)の身体を追求したい」と考えるハイエナはほとんどいない。
「同性愛者ではないが、同性とのセックスも試した」と公言していたバイセクシャルのハイエナは数人知っているが、かなり珍しい部類に入る。
「レディーボーイを抱いた」というハイエナは意外に多いのは言うまでもない。
レディーボーイも同性だと言えば同性だ。しかし、見かけが女性なので、ハイエナは「変種の女性」だと自分を納得させてレディーボーイを抱いている。同性だが異性というカテゴリーになっているのである。
女装していない正真正銘の男を抱きたいと考えるハイエナはなかなかいない。「男を抱きたい」どころか「男はごめんだ」と考える方が多い。バイセクシャルになるという選択肢はない。
私自身はどうだったのか?