インド人はとにかく祭(フェスティバル)が好きで、インド国内では常にどこかで何らかのフェスティバルが催されている。その中で、異色なもののひとつに「クーバガム」というフェスティバルがある。
「クーバガム」というのは、フェイスティバルの名前でもあり、地名でもある。
インド南部のタミルナード州にある「クーバガム」という村で行われている独特のフェスティバルがあって、それがインド全土に「クーバガム」という名前で知られるようになっていった。
このクーバガムの何が異色なのかというと、主役が「女装者(トランスジェンダー)」であるということだ。タイで言うところのレディーボーイ、日本で言うところのニューハーフ、欧米で言うところのシーメールは、インドでは「ヒジュラ」と呼ばれている。
ヒジュラは保守的なインド国内では嫌われている。理解がない。家族からも見捨てられ、職場からも追い出される。
しかし、「第三の性」として認知されている彼女たちは「独自の魔力」を持っているとインドでは思われており、冠婚葬祭の際は彼女たちの踊りで厄除けをする文化がインドに根付いている。そのヒジュラたちが集結するのが奇祭クーバガムだったのである。