人の性的な嗜好はそれぞれだ。自分がノーマルであると思っていても、他人から見たら充分に異常だと思われるような何かを隠し持っているかもしれない。
たとえば私は、売春する女たちと自分が深くリンクする人生を数十年も送って来たので、もはや今さら売春する女たちから離れられるとは思っていない。
そう言った意味で、普通の表社会の女性を愛する男から見ると、私は普通ではないと思われても不思議ではない。
しかし、驚くかもしれないが、私は自分自身が「あらゆる点から見て普通である」と主観的に思っている。
夜の女たちを愛しているのも、彼女たちが愛してくれたから離れられなくなったからで、愛してくれた女性たちを愛するということは異常というよりも逆に正常だ。
しかし異常性というのは、その時代その世界の人たちの総意で決まる。自分で決めるわけではない。
売春ビジネスに関わる女性が好きだというのが異常だと社会が思っているのであれば、私は自分自身がどんなに正常であると思っても異常の側に追いやられる。
そう言った意味で、たとえば自分自身は正常であるのに異常の側に追いやられている人たちは他にも大勢いる。