音楽

◆あなたを死に追いやる曲。自分自身の「自殺ソング」として機能する曲がある

音楽は人々の感情をかき乱す。ある曲は陽気で楽しく明るい気持ちを掻き立て、ある曲はロマンチックな気持ちを掻き立て、ある曲は過去の郷愁を掻き立てる。 ジャンルも多種多様化し、人々の趣向も無限に広がった。音楽は大衆化されてあまねく広がり、私たちの文明はもはや音楽なしには成立しない。家族でも個人個人で音楽の趣味が一致することはない。 人の性格を知るには、その人が好きな音楽を知るのが一番早いと言われている。 […]

ジュリエット・グレコ。私が愛していたフランスのシャンソン歌手が亡くなった

私はフランスの売春宿で育って路上から成り上がっていったシャンソン歌手エディット・ピアフにとても恋い焦がれていた時期があった。「愛の讃歌」は美しい歌だ。今でも聞くと身震いする。 彼女の人生を描いた映画もあったのだが、それほどいろんな映画を観たいとは思わなくなった私もこの映画だけは必ず観ると決めたほどエディット・ピアフに惚れていた。(ブラックアジア:エディット・ピアフ。幼少時、娼婦たちと暮らした国民的 […]

アジアの音。インドのタブラ、中東のダラブッカ、インドネシアのガムラン

音楽の根底は「声を音として自在に扱う」のと同時に、「打って音を出す」というのが最も本能的なものであるように思う。「打つ音」というのは、それだけで精神を高揚させる効用がある。原始の血が燃えるというのだろうか。打ち鳴らされる音やリズムによって陶酔(トランス)がよぎる。 かつてキリスト教は、打楽器で打ち鳴らされる音楽は人々を狂乱に導くことから「悪魔の音楽」だとして禁止したこともある。しかし、結局はそれを […]

◆身体を売って生きてきた女たちのことを歌った名曲10曲を聞いてみる

世の中には売春する女たちを直接的にも間接的にも歌った歌が膨大に存在する。日本もそうだし、外国でもそうだ。 以前、ナイジェリアのストリート売春をする女たちの心が震えるようなブルースを紹介したことがあったが、こうした曲は売春する女たちと関わってきた男こそが聞くべき音楽だ。(ブラックアジア:ナイジェリアの売春する女性を取り上げたブルージーな歌) 売春する女たちの曲は、素朴なブルースが最も似合うと私は思っ […]

◆無意識を自覚。自分が何に洗脳されているか一瞬で知る方法

インドの女性は歌が好きだ。インド・コルコタにいたとき、ひとりの女性が口ずさむように、静かで優しい歌を歌ってくれたことがある。 彼女は普段はどちらかと言えば粗野な喋り方をする女性で、感傷的な感情をほとんど持っていないようにも見えた。 しかし、物憂げな部屋の中で暇を紛らわすように歌ったその歌は、とても感傷的なリズムで、抑制された美しい声に私は聞き惚れて涙がこぼれそうになった。 声のトーンも彼女の普段の […]

10歳の少女の歌をしみじみと聴いて、涙を流す日が来るとは

私は日本の歌謡曲はほとんど興味も関心もないまま暮らしてきたし、琴線に触れる曲もほとんど想い出の中に持っていない。 20歳を過ぎてから東南アジアで知ったその時々の歌を、現地の想い出や知り合った人たちと共に想い出を築いてきた。 1980年代のタイでは、街で洋楽が流れ、哀切の漂う現地のルークトゥンが流れていた。そういった「題名も知らない音楽」が私には重要で、そんな音楽ばかりが心を埋めてきた。 タイにいる […]

◆音楽は人々を陶酔に導くが、それはすなわちドラッグの性質だ

古代のキリスト教が禁止していたものがある。それはリズム性のある音楽だ。 アフリカではリズムのあるパーカッションで陶酔(トランス)状態に陥る黒人たちの姿はキリスト教徒にもよく知られていたが、音楽は古代のアニミズムを呼び起こす仕掛けになっているとキリスト教徒は考えたのだった。 実は、それは間違っていなかった。 音楽というのは、もともと麻薬性・呪術的な要素がある。何の音楽を聞いても、感情は高揚していく。 […]

マリファナは武器ではない。ボブ・マーリーが訴えていたこと

最近、アメリカを含めて、どこの国も取り憑かれたかのように禁煙運動をしている。 しかし、アメリカでは税収を何とか確保しようと、大麻(マリファナ)を事実上、解禁した州もある。ワシントン州とコロラド州である。 タバコは駄目だがマリファナはいい。そんなチグハグなメッセージになっているのが最近のアメリカだ。 解禁と言えば、南米ボリビアではコカインの原料になるコカの葉は麻薬ではないと言い出して、国連条約の改正 […]