音楽は人々の感情をかき乱す。ある曲は陽気で楽しく明るい気持ちを掻き立て、ある曲はロマンチックな気持ちを掻き立て、ある曲は過去の郷愁を掻き立てる。
ジャンルも多種多様化し、人々の趣向も無限に広がった。音楽は大衆化されてあまねく広がり、私たちの文明はもはや音楽なしには成立しない。家族でも個人個人で音楽の趣味が一致することはない。
人の性格を知るには、その人が好きな音楽を知るのが一番早いと言われている。(ブラックアジア:思春期の頃に聞く音楽は、その人の人生に最も影響を与える)
明るい歌が好きな人もいれば、暗い歌が好きな人もいる。その時々で明暗が入れ替わるのは普通にある。その時に好きな音楽はその人の心や性格を投影していると言われる所以である。
そして、音楽は感情を表現すると共に、感情を操作する。
宗教には音楽が必ずある。かつて音楽は宗教のものだった。なぜなら、音楽こそが人々を陶酔《トランス》を呼び起こす重要な要素であることを知っているからである。(ブラックアジア:無意識を自覚。自分が何に洗脳されているか一瞬で知る方法)
音楽は人々の心の中にすっと忍び寄り、音楽が持つ世界観に洗脳する。
では、もし音楽が「死」を誘《いざな》うものであればどうだろうか。そうなのだ。人々は音楽によって「死」にも引き寄せられるのである。
たとえば、「自殺の聖歌」「自殺ソング」と言われている歌もあった。
1935年にヨーロッパの人々やアメリカの人々を自殺に追いやったという有名な「自殺の聖歌」は今もアンダーグラウンドでは語り草となっている。