バンコクポスト紙に『危険にさらされるセックスワーカー』という、興味深い記事が掲載されていた。
タイでは今もセックスワークが真夜中の世界を彩っており、最近では中国人女性が「ここにいる99%の男はふしだら」とSNSで流して国際問題になったのも記憶に新しい。(ブラックアジア:中国人女性がバンコク歓楽街に立って「ここにいる99%の男はふしだら」と述べる)
タイの首都バンコクは1980年代あたりから背徳の街(シン・シティ)として名を馳せており、それは年代を経るごとに強化されていく一方となっている。しかし、あくまでも建前上の話なのだが、タイではセックスワークは違法なのだ。
16歳以上で「セックスワーカーとしての収入で生計を立てている」者は、7年から20年の懲役と1万4000バーツ〜4万バーツの罰金、他人をセックスワーカーとして働くことを強制した者は、終身刑に処される可能性があると建前ではなっている。
「そんなことをいっても、スクンビット通りはセックスワーカーまみれじゃないか」という人もいるかもしれない。
しかし、警察当局から見ると、それは「たまたま街に立っていた女性と男が出会って一目ぼれしただけの自由恋愛」という定義なのだ。それはセックスワークではないという認識だ。
ふたりの間で金銭のやりとりがあったのかどうかは個人的な話で警察の関知するところではない。つまり、スクンビット通りに立つ女性と、うろつく男たちは、みんな自由恋愛が好きなロマンチストだった。
もっとも、警察が摘発したいと気まぐれに思ったときは、それがいきなりセックスワークとして認定されるわけで、セックスワーカーの立場は、警察のさじ加減で自由恋愛になったりビジネスになったりする不安定なものであった。
その不安定さが「セックスワーカーを危険にさらしている」というのがバンコクポスト紙の記事だ。どういうことなのか、説明したい。
コメントを書く