◆戦争は民族憎悪として定着し、その民族憎悪はやがて根付いて文化となるのだ

◆戦争は民族憎悪として定着し、その民族憎悪はやがて根付いて文化となるのだ

ロシアのウクライナ侵攻は東部から西部から首都キーウ(キエフ)近郊まで激しい勢いで行われているのだが、事態は膠着しており予断を許さない。

国際社会では「ロシアが突如として国境線を越えて侵略した」という捉え方なのだが、ロシア国内ではまったく違う。

「東西冷戦後に西側陣営は東側に勢力を伸ばさないと約束したのにそれを破ったのでロシアは防衛せざるを得なかった」とか「ウクライナ東部はもともとロシア人の領土なので独立する権利を有する」と侵攻の大義名分が述べられている。

そして、戦争が長引くと、さらに別の理由も付け加えられるようになった。「ウクライナの極右やナチ組織がロシアを攻撃しているのだ」という理由である。「ドンバス地方ではナチスが地域を支配している。儀式の跡も見つかった」とも報道されている。

ウクライナ女性の民兵が「黒い太陽(シュバルツェ・ゾンネ)」の紋章を付けていたというのも報道された。

この「黒い太陽」こそがナチスのオカルト的な秘儀に使われたとされるシンボルであって、これはウクライナの準軍事組織「アゾフ連隊」の公式ロゴでもあり、アゾフ連隊はナチスなのだともロシア経由で世界に喧伝された。

つまり、世界ではロシアが領土的野心を持ってウクライナを侵攻しているという見方なのだが、ロシア側は「NATOが約束を破った」「ウクライナ東部はロシアのもの」「ナチスと戦っている」という論理となって戦いが進められているのである。

戦争には大義名分がいる。

ロシアは、こうした大義名分でウクライナと戦っているわけで、だからこそプーチン大統領の支持率はロシア国内で80%を超えていると喧伝されているわけだ。

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