日本の婚姻件数は2000年代に入ってからずっと減少しているのだが、2020年の婚姻件数は52万5490人で、2019年の59万9007人から12.3%も減少してしまっている。コロナ禍によって出会いが制限されてこのような結果になってしまっているのだが、人口の減少はさらに続いていく。
では、コロナ禍が落ち着いたら婚姻件数はどんどん上昇する局面に入るのだろうか。
コロナ禍は特殊要因なので、多少は婚姻件数が増加することもあるのかもしれないが、それは長く続かず、結局はズルズルと下落していく一方となるのだろう。何しろ、婚姻件数の減少は20年も前から始まって一貫して続いているベクトルだからだ。
先進国では「貧しい相手と結婚して苦労するくらいなら一人の方がマシ」と考える女性も増えるし、女性も働いているので晩婚化が進んでいくうちに結婚が難しくなってあきらめるという事象もある。
男性も趣味が多彩になって独身の方が楽だと考える人も増えるので、無理に結婚しなくなってしまう。そもそも、自分がスペックで選ばれるというのが屈辱だと思う男性も意外にいる。
ただ、男性がスペックで選ばれるようになったのは今に始まったことではない。バブル期はそういうのがひどかった。女性が男性を上から目線で選んで、送り迎えだけにこき使う男(アッシー)だとか、貢がせるだけの男(ミツグくん)みたいなのを使い分けていた女性もいた。
そして、彼女たちは「三高じゃないと付き合わない、結婚しない」とマスコミに嬉々として語ったりしていた。それでも、バブルの頃は婚姻件数が上がっていたのである。男女共にこの頃は金が稼げていたからだ。
将来は明るいと「勘違い」したこともあるのかもしれない。しかし、2000年代に入ってバブルが崩壊して夢が消えてから、婚姻件数も減少していった。