男をハメて大金を貢がせる危険な女性は、同じことをやっている他の女性から「詐欺に引っかかった男」を教えてもらって、騙された経験のある人にアプローチをかける。「あの男は騙せたわよ」というのを聞くと、その男のところに行って同じような手口を仕掛けるのだ。
普通に考えると「女に騙されて大金を持っていかれた男というのは、用心深くなって次は騙されないように気をつけるはずだ」と思う。それなのに、なぜ「騙された男をもう一度騙そう」とするのか。
それは「騙された男は何度も何度も騙せる」からだと言う。
女性が一目ぼれしたような演技をして、甲斐甲斐しく世話をして、「本気で好きになりました」とか言うのを聞くと、過去に似たようなことがあったとしても「今度の今度こそは本当なのかもしれない」と思う男がいる。
「過去に知り合った女性は悪い女性だったが、いま目の前にいる彼女はそうではないはずだ」と自分で自分に思い込ませて、やはり騙される。騙される人は「騙されやすい思考回路」になっている。
だから、過去に騙された経験があったとしても、それが経験値にならない。「あの時に騙された状況に似ている」とは思っても、やっぱり騙されるように考えが向かってしまう。
このように書くと「いや自分は絶対に大丈夫」だと考える人もいるのだが、「大丈夫だ」と思っているのは、そのシチュエーションだけかもしれない。別の場面で実は何度も騙されている可能性はある。
たとえば、「宝くじ」もそうかもしれない。何度買っても外れてしまい「こんなのに当たる確率は交通事故に遭うよりも確率が低い」と外れた時は思うにもかかわらず、次に買う時は「いや、今度こそ当たるかもしれない」と思ったりする。
そして、無意識のうちに再び買ってしまう。宝くじに関しては、「騙されやすい思考回路」になっているというわけだ。