「ISIS(イスラム国)は今にも崩壊しようとしている。100%の勝利後、我々は撤収する」
トランプ大統領は最近になってこのように報告した。この言葉の通り、イスラム超暴力集団「ISIS」の崩壊が間近に迫っている。
ISISの常軌を逸した暴力は世界を震撼させたのだが、この暴力組織は一時は石油施設を占領して、莫大な現金収入を手に入れてシリア・イラク一帯を暴力に巻き込んでいった。(ブラックアジア:斬首。レイプ。血と暴力でイラクを制圧する異常な暴力国家)
この時に、ISISは外部に対して多くの傭兵を募り、さらにISISの革命思想に共鳴する女性たちを「愛の聖戦」のために現地に来るようにインターネットや各地のモスクの指導者を使って煽り立てた。
「暴力革命によって新しい世界を構築する」
その過激思想に惹かれる若者たちが続出し、彼らが自国を離れてISISの元に集まって殺戮を繰り返し、殺した相手方兵士の生首を掲げて誇示するという異常な世界がそこに生まれたのだった。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。
ISISに参加した戦闘員や妻子の処遇
この暴力集団「ISIS」は一時はシリア・イラク一帯に広大な支配権を手に入れたのだが、そこからアメリカ、ロシア、現地の反ISIS武装組織、クルド人、シリア政府、イラク政府がそれぞれ反撃に応じるようになり、陣地は次第に縮小し、ISISは「殺される側」に回っていった。
すでにISIS設立当初の指導者は空爆や戦闘の中で死亡している。今残っているのは「残党」に過ぎず、しかも支配できているのはシリアの国境近くにあるバグズ村一帯の0.5平方キロメートル足らずの区域でしかない。
ISISはここで2000人近くの村人を人質にして空爆や銃撃されないように「人間の盾」を作って防戦しているのだが、食料も武器も尽きかけており敗退はいよいよ目の前に迫ってきている。
「ISISは今にも崩壊しようとしている」というドナルド・トランプ大統領の報告は、こうした状況の中で発信された。もはやISISは死に体も同然であり、後は時間の問題でもある。
トランプ大統領は当初からアフガニスタン・イラク・シリアでの戦争はアメリカの国費を浪費しているだけであり、何の役にも立っていないという考えを持っており、一刻も早くアメリカの兵士をここから退却させたい。
そのため、ISISの最後の「掃討」をかなり強引に進めているので、村人を犠牲にしながらISISの残った兵士を殺戮していくことになるはずだ。その時期がいよいよ押し迫っているのが今の状況である。
そんな中で、クローズアップされているのが、世界各国からISISに参加した戦闘員や妻子の処遇だ。
アメリカからISISに渡った人間も数百名単位で存在するのだが、彼らはアメリカに戻れるのだろうか。トランプ大統領の答えは「ノー」だった。
「彼らはもうアメリカ市民ではない」
ISISは超暴力集団である。テロリストであり犯罪者だ。そんな集団に共鳴してアメリカを出て行った人間は、たとえ女性であっても受け入れることはできないというのがアメリカの見解だった。
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「彼女はアメリカ市民ではない」
国を捨ててシリアに渡ってISISの戦闘員と結婚した女性たちは、欧米では「ISISブライド(ISISの花嫁)」と呼ばれている。
今、ひとりのISISブライドがアメリカで問題になっている。アラバマ州からISISに渡ったホダ・ムサーナという女性である。彼女の父親はイエメン出身なのだが、彼女自身はアメリカのニュージャージー州で生まれ、ISISに合流する前までアメリカのパスポートを所有していた。
そして、彼女はシリアでISISの戦闘員と結婚し、プロパガンダの宣伝工作に関わっていたのだが、次第にISISのやり方に疑問を持つようになり「帰りたい」と思うようになっていた。アメリカに戻れたら、アメリカで自分のやったことに対しての裁判を受けるとも確約している。
しかし、トランプ政権は「彼女はアメリカ市民ではない」と述べて、その帰国を許可しなかった。
トランプ大統領は「出身国が引き取るべき」と主張しているのだが、彼女はアメリカ生まれのアメリカ育ちであり、父親の出身がイエメンだとしてもイエメンに何の縁もない。
娘の身を案じる父親アハメド・アリ・ムサーナはこのトランプ政権の断定に苦慮し、現在「娘はアメリカ市民であり、子供を連れて帰国する権利がある」としてトランプ政権を提訴する動きに出ている。
彼女と父親に対する一連の動きは、アメリカでも賛否両論だ。
「アメリカ市民なのだからアメリカ人として帰国させて裁判させるべき」という意見もあるのだが、それ以上に多いのは以下のような意見である。
「彼女は自分の意思でシリアに向かってISISと行動を共にした。ISISの負けが決まったら帰るというのは感心しない」「彼女はテロリストの一味であるのは事実だ。アメリカに帰国してテロを起こさない保証はあるのか?」
アメリカから帰国を拒絶されたISISブライド(ISISの花嫁)、ホダ・ムサーナ。アメリカに帰国したいという彼女にアメリカ人は激しく憤っている。
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「国を裏切った人間たち」の存在
彼女とまったく同じ状況をイギリス出身のISISブライドも突きつけられている。
イーストロンドン出身のシャミーマ・ベガムという女性だ。彼女もまたISISのプロパガンダに惹かれてシリアに向かったのだが、現在は難民キャンプで戦闘員の子供を産み落として一刻も早い帰国を望んでいる。
しかし、イギリス政府の回答は「ノー」だった。
イギリスの場合は、彼女が英国市民だったことを認識した後「市民権を剥奪する」というものだった。彼女は母親がバングラデシュ出身だ。そのため、彼女を引き受けさせられると考えたバングラデシュ政府は、同日に「シャミーマ・ベガムの入国を求めない」と言明した。
バングラデシュはイスラム教国家なのだが、一時はこの国にもISISの過激思想が入り込んでテロが起きたこともあった。バングラデシュ政府もまた「ISISとは関わりたくない」のである。
世界各国の政府のこうした姿勢は、冷たいかもしれないが納得できる人の方が多いのではないだろうか。
勝手に国を捨てて出て行った人間が、国外で都合が悪くなったからと言って戻るのはどこの国も国民感情として良く思わない。
まして、国外でテロリストや犯罪者集団と関わるような人間は、帰ってきて欲しくもないし、帰りたいと要求するのが身勝手だと考える。
ISISの崩壊によって、今後はこのような「国を裏切った人間たち」の存在がクローズアップされることになる。母国から「戻ってくるな」と言われている彼女たちが最終的にどこに落ち着くことになるのかは分からない。(written by 鈴木傾城)
出身国のイギリスから「市民権を剥奪する」と宣言されたシャミーマ・ベガム。同時に、バングラデシュ政府からも「入国は認めない」と宣告された。彼女は無国籍になり、永遠にシリアから戻れない。
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イスラムの暴力集団ISISの命運はもう尽きたも同然だ。ISISが勢力を伸ばしていた時、自国を捨ててISISに合流した女性たちは大勢いたが、今になって彼らは「やっぱり自国に戻りたい」と言い出している。しかし、国を捨てて犯罪武装集団と関わった女性たちに人々は冷淡だ。https://t.co/WaJhtYqLIG
— 鈴木傾城 (@keiseisuzuki) 2019年2月22日
亡命予告の小西ひろゆきにはとっとと亡命してほしい。
大変関心を持ってこの報道を見ました。
米英政府の考えは正しいと思います。
仮にISISが最終的に勝利し、確固たる国家としてイスラム国が成立し、自分自身もその国の中で地位を確立していても、戻ってきたでしょうか。
負けて壊滅したから戻ってきますというのは、虫が良すぎます。自らの意志で敵兵の妻となったのだから、裏切り者であり、帰国を拒否して当然です。
また、彼らの子供も問題です。大人になり、自分の父親のルーツを探り、同じ境遇の子供達で父親の夢を果たさんと決起したとしても不思議ではありません。
自国内に時限爆弾を抱えるようなものです。
人道的理由からどうしても帰国させるのであれば、正当な裁きを受け、収監されるべきです。出所したあとも一生監視下ですね。
ご自身のルーツがイスラミックであっても、そのことで謂れなき攻撃や中傷嫌がらせを受けつつも耐え忍びISISの主張に共鳴せず翻ることのなかった人たちはたくさんおられます。
自分がその一員である自国と相入れないどころか敵対する主義主張に共鳴して自国を出たのでしょう?あなた方の覚悟はその程度だったのですか?と聞きたいです。
「間違いました許してください」と泣く人を全拒絶するのはクリスチャニズム的にはどうなんだろうと思わないでもないですが相手クリスチャニズム全否定してのあれだし(汗)という極めて厄介な前提が。帰国を認める条件に改宗を入れてみますか?ふふ、できないでしょ改宗なんて。
こういう事言うと信教の自由がーとか言い出すに決まってますね。私はこれ、そもそも覚悟の問題だと思っています。戻れると思って行くものの覚悟などたかが知れています。
一般論としてはそうだよな、と思いますし、この例ではガウさんが言うようにたとえ戻れたとしても裁判で裁かれ、一生監視下に置かれることになるのが当然でしょう。数年の共同生活で洗脳に近い状態になっている可能性もあるわけで「生まれた子どもを何とか安全に育てることでISISの命脈を永らえさせるのだ」なんて吹き込まれていたっておかしくないですから。まして、もし自身なりによく考えた上でISISに行ったのなら、それこそ今さら戻れると思う方がおかしい。
ただ、取り上げられている2名で言うと、
ホダ・ムサーナ 24歳 (ISISに参加したのが5年前とすると、当時19歳)
シャミーマ・ベガム 19歳 (ISISに参加したのは15歳の時)
という年齢でそういう覚悟がどこまであったのか疑問に思えてもくる。
退屈な日常を変えたくて軽い気持ちでドラッグに手を出した、行ったところが最悪の場所だった、その延長線上にも見えなくはない。実際、ISISブライドと言われた女性の相当数が十代(それも十代半ば程度)だという報道を当時見た覚えもある(ブラックアジアでもそういう話が触れられた記事があった記憶が)。
どうあれ、自分がやってしまったことの責任と結果を引き受けないといけないし、それで人生詰んでしまう人などいくらでもいる。というか、誰もが細いタイトロープの上を歩いているのがこの世の中。世界は理不尽なのです。そうして、タイトロープから落ちてしまった人はどれほど辛い人生を歩むことになろうと自己責任とされる、その発端がどれほど短慮、未熟、偶然などによるものだったにせよ。
彼女らを何とか助けてあげたいとはちっとも思わない(特にこれは社会不安・騒乱に関わる話でもあるので)んですが、当然だろう、ざまあみろ、とも思えない。まぁ、直接的に自分に利害関係がまったくと言ってよいほどないからでもあるんですが、断罪される者への哀れみのようなものを感じます。
「反社会的勢力になったわたしってカッケー!」とか短絡的に思って行ってみたら過酷なのでやっぱり帰りたいとか、ただのDQNでしかないです。もう引き返せないんだから、帰るとか言わないで散って死ね。そう思いますね。はっきり言って何の同情もない。何も考えていなかった、ただのアホです。
日本国内に潜んでいる、売国日本人及びなりすまし日本人の運命もこれと同じ。
散々、日本を破壊する行為をしておきながら、いざとなって日本に頼るのは良すぎます。
日本は冷徹に拒絶し、追放すべき。
朝○人は、一匹残らず最終的解決方でしょ?
日本でもこの記事と同様の問題が起こりましたね