世間がまだパンデミックで陰鬱な状況にあったとき、インターネットではひとつのサイトが立ち上がっていた。そのサイトは「海外出稼ぎシャルム」や「オーストラリア出稼ぎエージェント」という名前で、日本人女性をセックスワーカーとして海外に派遣するサイトだった。
サイトでは「ワーホリ(ワーキングホリデー)は20代の特権、学んでバイトして旅行して月収500万円以上。オーストラリア出稼ぎ」とか「アメリカでホームステイしながら、高給エスコート。月収500万円〜750万円以上。とにかくチップがバンバンもらえる」「ニューヨーク観光を兼ねての高収入できた!! 短期1週間100万円以上。1万ドルまで送金手続きなしで持ち帰れる」などと誘っていた。
主に日本のソープ嬢をターゲットにしていたのか、細かい説明では「国内の大衆ソープでお仕事されている方でしたら、国内のバック金額に見合う店舗様で、ニューヨーク・ワシントンで、一日10本前後お客様がつきます。最低滞在期間は10日間からです」とあった。
この広告で実際に日本人女性が応募して海外に向かったので、アメリカでは空港で若い日本人女性が疑われて尋問されるような事態にも起きていた。
このサイトが斡旋した女性の数は、わかっているだけで200人から300人、サイト運営者は、54歳、44歳、63歳の日本人男性だったのだが、日本の風俗とだいたい同じで、女性の売上の50%を取っており、このビジネスで約2億円近くを儲けていたようだ。
かつて、「日本人女性が海外で身体を売るような仕事に就くわけがない」と思われていた時代があったが、このサイトには多くの若い女性が応募して、実際に海外の風俗店に出稼ぎに出るようになっていた。
2022年には、香港でも日本人のアダルト女優が逮捕される事件が報道されたが、今後は日本人女性が海外でセックスワークするのは当たり前の時代になるのだろう。