ホストにハマった風俗嬢には何人か会ったことがある。こういう女性は「ホス狂」とも呼ばれているのだが、普通はどの女性がホス狂であるのかは本人が言わない限りはわからない。
しかし、取材で会った風俗嬢の女性が一瞬で「ホス狂」であると分かった瞬間もある。彼女のスマートフォンの待ち受け画面が担当ホストの写真だったのだ。金髪で、化粧したかのような顔に黒服。誰が見てもホストの格好である。
彼女はその写真の男が歌舞伎町のホストクラブで出会った現役のホストで「今は自分の彼氏」だと私に説明した。
そして、「彼も早くホストクラブを辞めたがっているのだが、永遠のナンバー2なので一度だけでもナンバー1になってみたいというので応援している」みたいな話を私に言ったのだった。
それを聞いて私は即座に「それがホストの典型的な手口なのでは?」と心の中で思ったのだが、彼女はどうも本心からそれを信じているかのようであった。
これまで彼女は昼職は一度もしたことがなく、10年近くを風俗嬢として暮らしてきた。ソープランドに、ピンサロに、デリヘル……。いくつもの裏稼業を転々として、これからも風俗の仕事から抜け出せそうにない。そういう女性だった。
そして、その彼女がハマっていたのがホストだった。彼女だけでなく、風俗嬢はホストにハマりやすい。
しかし、風俗嬢は毎日のように何人もの男と濃厚な接触をして、それをずっと続けているので「男がどのような生き物なのか」をよく知っているはずだ。それなのに、どうして一部の風俗嬢はホストの「収奪の手口」が見抜けないのだろうと不思議にも感じる。
その理由はいくつもあるだろうが、こういうことではないのか……。
コメントを書く