新宿・歌舞伎町でストリート売春のために立っている素人の女性たちが目立つようになってきている。
彼女たちが黒いコートにヒールの高いブーツを履いて、ただスマートフォンを凝視しながら男に声をかけられるのを待っている。その女たちを囲むように、男たちが何人もじろじろと品定めをしている。
この寒い中でも彼女たちはストリート売春を続ける。
数がもっと増えれば間違いなく警察の一斉捜索と摘発が行われるのだが、日本社会は成長を失って女性たちがとめどなく貧困化しているのだ。彼女たちは表に出てきたり地下に潜ったりしながら、これから多くのエリアで増えていくことになる。
2000年代からの非正規雇用の増大、そして2020年から現在までのコロナ禍で経済的に大きなダメージを受けたのが女性なのだから、こうなっていくのは時間の問題だったとも言える。
こうした現状を受けて、女性の国会議員たちが2022年に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」を制定させて、これを2024年4月1日からスタートさせる動きも出てきている。
しかし、日本が成長しないのであれば売春に向かう女性を止められない。女性支援の法律はないよりあった方が良いが、あったとしても根本療法ではなく対処療法でしかない。
男たちを積極的に誘うわけでもなく視線を合わせるわけでもない、ぎこちない素人の若い女性たちを見ながら、売春がどこまでも広がっていく社会が到来しているのを私は感じていた。
どこかのNPO団体が騒ごうが何だろうが、劣化していく社会は必ず売春を隆盛にさせていく。それが現実だ。貧困と売春は結合双生児のように密接につながっていて切り離せないのだ。性を売るか売らないか、女性は選択を迫られる時もあるだろう……。