2022年11月15日、ハウル・カラシニコフを名乗っていた小川雅朝という33歳の男が、東京拘置所で死亡していたことが分かった。歌舞伎町にはワルがひしめいているのだが、このハウルもまさにワルのひとりだった。
(ブラックアジア:炊き出しや掃除ボランティアで「良い人アピール」をして少女を毒牙にかける手口)
この男は歌舞伎町のシネシティなどで居場所がなくてウロウロしている若者たちに炊き出しをしたり、周辺を掃除したりするボランティア活動をしていて、テレビでも好意的に取り上げられていた。
ところが、その裏側で何人もの未成年の少女を毒牙にかけ、自室に連れ込んでは性行為をしていたのだった。早い話が、良いことをしているフリをして売名しながら、自分のテリトリーに落ちてくる少女を食い物にしていたゴロツキだったわけだ。
こんなゴロツキは裏社会では珍しくない。裏の顔を隠しながら表側で善人を演じるというのは詐欺の王道である。クズであっても表側でボランティア活動を真剣にやっていたら、世間はコロリと騙されてくれる。
ハウル・カラシニコフこと小川雅朝がやったのは、そういうことだ。
裏側の世界に生きている人の中には、表社会から弾き飛ばされて転がり堕ちて来た人間も多い。なぜ、彼らは表社会から弾き飛ばされたのかよく考える必要がある。それは、基本的に表社会でのルールを破ってしまうタイプの人間だからだ。
表社会にはいろいろな窮屈なルールがたくさんあるものだ。守らなければならないルールは多い上に協調性も求められる。そこから逸脱すると、次第にそこにいられなくなってしまう。
裏社会の人間は、基本的に表社会ではトラブルメーカーであったがゆえに、そこにいる。性格に「闇」を抱えているのである。ハウルを見ても分かる通り、ボランティア活動でさえも、ただの「隠れ蓑」だったりする。