公安委員会が2022年に出している資料を見ると、「性風俗関連特殊営業の現状」として無店舗型性風俗特殊営業の届出数は2万2021件もあって、コロナ禍の中であっても無店舗型の風俗店は増えていることに気がつく。
無店舗型の風俗店と言えば、ほぼデリヘルを指す。
かねてからソープランドやピンサロのようなハコ(店舗)が必要な風俗店は減少しており、デリヘルよりも3分の1の規模にまで縮小してしまったが、コロナ禍はこうした流れを加速した。
そして、このコロナ禍は風俗とは別の「売春ビジネス」をも徐々に増加させていて、日本女性が続々と街に立つようになっている。東京では新宿・歌舞伎町のラブホテル側にある大久保公園近辺、大阪では道頓堀にあるグリコ看板下の遊歩道の通称「グリ下」が、ストリート売春のメッカとなりつつある。
女性が見知らぬ男に性サービスをして金をもらうという行為は、国外では売春以外にあり得ない。ところが日本は風俗というものがあり、それは売春とは別の扱いになっているのである。
売春とは「性行為をして対価を得ること」というものなのだが、現在の日本が面白いのは「性サービス」と「性行為」は分けられていることだ。
性器の結合があるものは性行為と見なされ、その性行為によって金品のやり取りがあれば、それはまぎれもなく「売春」と見なされる。そして、この売春は日本では違法である。
逆に言えば、性器の結合がなければ、それは「性行為」ではなく「性サービス」なのである。そして、性サービスは違法ではないので、罪に問われない。馬鹿げているのだが、それが日本の法律の実態だ。