◆ポピーの行動のひとつひとつの謎は、すべて最後に分かった

◆ポピーの行動のひとつひとつの謎は、すべて最後に分かった

知られたくない秘密を何とか必死で隠そうとする女性がいる。その秘密は分かりやすいものもあれば、最後まで窺い知れないものもある。ポピーもまた秘密を隠した女性だった。

ポピーはなぜ、そんな態度だったのか。あの妖気はどこから来ていたのか。

なぜ、抱えるほど大きなハンドバッグを持ってきたのか。その中には何が入っていたのか。なぜ、それが必要だったのか。なぜ、ビンタン島よりジャカルタのほうがクリーンだと言ったのか。

最初は分からなかった。

しかし、ポピーのひとつの秘密が分かると、彼女の心理がすべて読めた。彼女は「それ」を隠そうとしたが隠しきれなかった。彼女は四面楚歌に陥っていたが、それを必死で隠そうとしていた。

インドネシア・バタム島の隣島であるビンタン島にいた。先進国の金持ちがたわむれるリゾート地ではなく、貧困が見えない膜のように全体を包んでいる南部の街の方だ。

最初はタンジュン・ピナンの港町にいたが、事情が分かってくるとすぐに退廃の店が点在するビンタン・プラザ界隈を徘徊するようになった。

暗い空に瞬く星は美しい。しかし、夜の街を歩いていると、北部のリゾート地のように人々がそこで生活を楽しんでいるわけではないのが一目で分かる。

そんな漆黒に塗り込められた夜、昼間も人ひとり歩いていないようなわき道を通って堕落の場所へいく。

どこまでも暗い夜道を歩いてふと空を見上げると、そこには無数の星(ビンタン)が散りばめられて美しい。

しかし、濃い闇に星の光は途中で掻き消され、足元さえおぼつかない有様だった。途中で強盗に襲われても、相手の顔さえ確認することはできないだろう。

こんな打ち捨てられたような場所に女たちが押し込められている。

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インドネシア編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア・インドネシア編
『ブラックアジア・インドネシア編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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