◆彼らに付きまとわれたら最後、地獄の底まで追いかけられる

◆彼らに付きまとわれたら最後、地獄の底まで追いかけられる

食うに食えない、命がけの男たちの切羽詰まった血走った目。必死の表情。そして逃げても逃げても追いかけてくるゾンビのような執念深さ。それはストリート・ピンプの姿だ。

ストーカーに追い詰められている女性が世の中にはいる。彼女は、監視され、どこまでも執拗に後を付けられ、プライバシーにまでのぞき込まれる。

そんな女性の精神状態を男も体験したければ、インド・ムンバイのカマティプラに行けばいい。きっと同じ恐怖を味わうことができる。殺伐とした売春地帯では、ストリート・ピンプに取り巻かれることになる。そして、どうしても逃れられない。

意地になって突き放そうとしても、死にものぐるいで追いかけてくる男がいる。

嬪夫(ぴんぷ)という日本語を知っているだろうか。現在、歓楽街に立っていかがわしい店に手引きする男は「ポン引き」と言う。しかし、明治・大正・昭和初期の頃は、そんな男たちを「嬪夫(ぴんぷ)」と呼んでいた。

「嬪夫」は当て字で、語源は英語の”pimp”から来ている。”pimp”の意味は「売春斡旋業者」だから、英語がそのまま日本語になったひとつの例だった。

「だった」と過去形にしなければならないのは、この言葉が死語になってしまったからだ。嬪夫は蔑称であり、からゆきさんを海外で統括していた売春宿の経営者は、自分たちは「嬪夫」と呼び捨てられるのを嫌っていた。

彼らが各国の日本人会を後援し、地域の日本人社会で金に物を言わせて信用を築き上げようとしていたのは、ひとえに「嬪夫」と呼ばれるのを嫌ったせいでもある。

売春地帯には、いにしえから変わらず嬪夫がいる。どこの国に行っても売春地帯で見られるのが、この嬪夫たちの存在である。

日本でも歌舞伎町を歩けば嬪夫が寄ってくるし、タイのパッポンでも、カンボジア・プノンペンでも、インドネシア各地でも、事情は変わらない。

そして、どこの国でも嬪夫の評判が良いというのは……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インド・バングラデシュ編』にて、全文をお読み下さい)

『ブラックアジア・インド・バングラデシュ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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