タイの首都バンコクが「クルンテープマハナコン」に変わることが決定したのだという。かなり唐突な話だが、ロイヤルアカデミー(旧王立研究所)から名称変更の提案があり、2022年2月15日の閣議でそれが決まったのだという。
タイでは王室の意向は絶対である。もしかしたらワチラロンコン国王の意向が裏にあったのかもしれないと推測する。もう決まったことなので、今後は粛々と名称が変わっていき、いずれバンコクという名称は使われなくなっていくのだろう。
ただ、「クルンテープマハナコン」については、以前からタイに沈没している人はあまり違和感がないのではないだろうか。なぜなら、タイの人々は昔から変わらずバンコクのことを「クルンテープ」とか「クルンテープマハナコン」と言っていたからだ。
クルンテープマハナコン=天使の都
クルンテープ=天使
真夜中に潜むハイエナたちはみんなバンコクを「天使の都(クルンテープマハナコン)」と思っていたのだから、歓迎する人の方が多いだろう。
私自身も「クルンテープマハナコン」を受け入れようと思うのだが、そうは言っても「バンコク」という名に数十年も親しんで来たので一抹の寂しさは感じる。自分の想い出が「バンコク」という括りで区切られて、静かに風化を待つ寂しさというのだろうか。そういう感覚がある。
ところで、この「バンコク」だが、1970年代までの日本は「バンコック」と「バンコク」の二つが混在していたのを覚えている人はいるだろうか? 実は、私は「バンコック」という表記の方が好きで、今でも昔の書籍で「バンコック」という表記を見ると、懐かしさで心がいっぱいになる。