豪胆で強欲で上昇志向で、プライドが高く、競争を好み、スリルを楽しみ、対立や衝突をモノともせず突き進んでいく人がいる。
一方で、繊細で無欲で内省的で、協和や調和を好み、競争を好まず、スリルも求めず、対立が生まれると心を痛める人がいる。
この両者はまったく違っている。どちらも自分と対照的なタイプの人間がそこにいるということを知っているのだが、自分が相手のようになれるとは絶対に思わない。あまりにも気質が違っていると思うからだ。
それは遺伝的、生物学的な要因によって形成されたものだ。活発であるか、敏感であるか、穏やかであるかなど、それは自分で「変えよう」と思って変えられるようなものではない。
もともと生まれ持っている気質に、経験や環境や文化などが積み重なって、その人の個性ができる。そして、人生を通してそれはほとんど変わらない。
ところが、である。
実は科学的にはこの気質を転換させることが「ほぼ可能」になっている。中性的で、大人しく、優しい人がいるとする。この人を荒々しく獰猛な人にするには、どうしたらいいのか?