◆映画『バクシャク(捕食者)』で見る、インド最悪の少女監禁性虐待事件の実情
映画『バクシャクー犯罪の告発ー』を観た。この映画は実話の映画化で、2018年にインドのビハール州ムザファルプル児童保護施設で起きた事件を基にしている。 外側から鍵がかけられ、密閉状態となった児童保護施設に数十人の少女が「保護」されていたのだが、この施設の運営にかかわる男ども全員が少女たちを恒常的に性虐待していた。それだけでなく、人知れず殺害しては闇に葬っていた。 少女たちは一室に数十人つめこまれて […]
映画『バクシャクー犯罪の告発ー』を観た。この映画は実話の映画化で、2018年にインドのビハール州ムザファルプル児童保護施設で起きた事件を基にしている。 外側から鍵がかけられ、密閉状態となった児童保護施設に数十人の少女が「保護」されていたのだが、この施設の運営にかかわる男ども全員が少女たちを恒常的に性虐待していた。それだけでなく、人知れず殺害しては闇に葬っていた。 少女たちは一室に数十人つめこまれて […]
2023年に公開されたタイの映画『レッドライフ(Red Life)』を観た。タイのインディーズ映画としては珍しく劇場公開された映画ということなのだが、貧困の中でもがきながら生きる層に焦点を当てており、見応えがある。 映画は、強盗やかっぱらいをして生きている無学の男「ター」と、母親がセックスワークをしながら学費を捻出していることに複雑な感情を持って生きている貧しい女子高校生「ソム」の二人が中心として […]
ドナルド・トランプが副大統領候補として選んだのは、J.D.バンスという上院議員だった。1984年8月2日生まれの39歳なのだが、彼の半生は自伝『ヒルビリー・エレジー:アメリカの繁栄から取り残された白人たち』に描かれ、後にそれが名匠ロン・ハワード監督で映画化されている。 この映画を見てみた。 彼の住んでいたのはラストベルト(錆びついた工業地帯)と呼ばれる貧困地域で、彼もまた貧困層出身で、ドラッグ依存 […]
元々うまくいかない人生を送っていたテキサス州西部に住むシングルマザーの女性が、宝くじで19万ドル(約2800万円)を当てるのだが、6年後にはそれを完全に使い果たしてモーテルの代金すらも払えなくなって叩き出される。 しかたなく彼女は縁を切られていた二十歳の息子のアパートに転がり込むのだが、そこでも「酒だけは飲むな」と言われているのに、連日のように隠れて酒を飲み、さらにカネがなくなったので息子のカネや […]
閲覧注意2023年、ルーマニア出身の女性監督がメキシコ人のプロデューサーと組み、メキシコを舞台にして撮った映画『母の聖戦』が公開されている。実話を元にした映画である。(公式サイト:母の聖戦) 公式サイトからあらすじの部分を抜粋すると以下のような内容となっている。 『メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー、シエロのひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。冷酷な脅迫者の要求に従い、20万 […]
1974年に日活ロマンポルノで制作された映画に『(秘)色情めす市場』というものがある。この映画の舞台は、大阪最大のドヤ街である釜ヶ崎(現あいりん地区)である。 私が日本で一番気に入っている場所がここなので、この映画を観たいとずっと思っていたのだが、この情緒も欠片もない情けない題名に何となく気後れして今までずっと後回しにしていた。 とは言いつつも中が気になって仕方がないので、先日やっと意を決して観て […]
プーチン大統領が率いるロシアが異様な国家であることは、有無を言わせぬウクライナ侵攻と容赦ない軍事行動によって全世界が知ることになった。 もともとプーチン大統領はKGB出身で策略や暗殺にはまったく躊躇がない人物で、これまでも自身を批判するジャーナリストや政敵を暗殺や謀略で葬ってきた。 アレクサンドル・リトビネンコはポロニウム210を盛られて殺され、プーチンの闇を告発していたジャーナリストのアンナ・ポ […]
フランス女性はヨーロッパの中でも特にタバコが好きで、世界中で禁煙運動が広がっても「タバコはフランスの文化だから絶対に廃れない」とフランス人が頑なに言っていたのが懐かしい。しかし、そんなフランスでさえも喫煙する人が急激に減った。(鈴木傾城)
2014年7月、大阪を訪れて大阪環状線に乗っている時、今宮駅で人身事故が起きて電車が1時間以上も再開不能になったことがあった。 仕方なく電車を降りて、たまたまその時に停まっていた駅「新今宮」で降りて、街をぶらぶらしてみた。(ブラックアジア:大阪。あいりん地区と、飛田新地に寄ったので歩いてみた) それが私と「あいりん地区=釜ヶ崎」との初の出会いだった。それまで私は日本の貧困にはほとんど関心を持ってい […]
(2019年12月14日、アンナ・カリーナが亡くなっている。彼女はフランスを代表する多くの名作に出ている女優だったが、ブラックアジア的には、この『女と男のいる舗道』がベストだ。フランスの売春を描いた映画である) タイ・バンコクの売春地帯のひとつにはスクンビット通りがあるのだが、このスクンビット通りには「ナナ」と呼ばれる駅や区域がある。 初めてこの「ナナ」という場所が売春地帯になっていると知ったとき […]
高峰秀子の映画に『カルメン故郷に帰る』という映画がある。 1951年の映画なのだが、この映画は日本で初めての総天然色、すなわち「カラー」で撮られた映画で、今観てもその映画に映る軽井沢の風景の美しさに見とれるほどだ。 ところで、この映画が制作された1951年というのは、昭和26年であり、まだまだ昭和20年の敗戦の空気が残っていた時代でもある。しかし、この映画はコメディであり、映画にはそうした暗さは微 […]
ある短編映画を紹介したい。『私は娼婦なの?』という小さなドラマなのだが、そこで演じられているインドのセックスワーカーの言動がなかなか殺伐としていてリアルなのだ。それで関心を持った。 インドは欧米のハイエナですらもなかなか踏み込めない場所なのだが、その理由はインド女性が先進国のハイエナが太刀打ちできるレベルではないことにある。 猛烈なまでに拝金主義であり、やってくる男たちを憎み、憎悪を見せ、打ち解け […]
フランスで若くして大統領になったエマニュエル・マクロンは、その妻がブリジット・トロニューと言って24歳も年上の女性であったことが世界中で話題になった。 彼女とは高校教師と学生の関係で、マクロンが15歳の時に当時40歳だった高校教師のブリジットに惹かれていったという。この時、ブリジットはもちろん夫もいて3人の子供たちもいた。 40歳の女性と15歳の少年の恋……。この2年後、ふたりは実際に付き合いはじ […]
日本は1945年に敗戦を迎え、日本に上陸したGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)はすぐに公娼廃止指令を出した。 しかし、日本には「遊郭文化」が根付いていたので、そう簡単に売春ビジネスは消えなかった。遊郭は「特殊飲食店(カフェー)」に鞍替えして生き残った。 政治家や官僚も遊郭で政治を語り、男は遊郭で友情を深めるのが当たり前の時代だった。GHQの命令には、日本人の上から下までみんな反対した。 やがて、 […]
アメリカで2015年に公開された映画『ボーダーライン』はメキシコの麻薬戦争をテーマにしたものである。監督はドゥニ・ビルヌーブ、主演はエミリー・ブラントで、世界中でヒットしている。 原題は『Sicario(シカリオ)』。 これはスペイン語で言うところの「殺し屋、暗殺者」であると言われている。この原題は映画ではとても重要な意味を持つのだが、ネタばれになるのでここでは詳しくは書かない。 メキシコを舞台に […]
猥雑な雰囲気、堕ちた人間たち、アルコールとタバコの匂い、誰のものにもならない女、奔放なセックス、金と裏切りと少しの愛……。 真夜中に生きる女たちは、享楽的で、自滅的で、自由奔放で、世間の常識からも逸脱している。 そして、彼女たちは、貞操観念を押しつける宗教や保守的な人たちから嫌われ、理解されず、その直感的な生き方ゆえに社会からも嫌われ続ける。 そんな女性たちを見つめながら、私がいつも思い浮かべるの […]
東南アジアからインド圏は、今でもドラッグが蔓延する地域であり、今でも多くの外国人がドラッグ・ミュール(麻薬の運び人)にされて使い捨てにされている。 もちろん、日本人もドラッグの使用や密売で何人も東南アジアの刑務所に放り込まれている。 最近では森田裕貴という男がインドネシアの獄中で首を吊って自殺したのも記憶に新しい。 森田裕貴の自殺は日本ではまったく報道されていない。こうしたアウトローの事件はほぼ黙 […]
アフガニスタンやミャンマーのケシ、アルゼンチンやコロンビアのコカ、北朝鮮の覚醒剤。ドラッグを製造しているのは、そのほとんどが貧困国だ。 そして、ドラッグは貧困国から先進国に運び込まれる。貧困国がドラッグを扱うのは、それが高く売れるからだ。違法であっても、リスクを負うしか生きる方法がない。 だから、ドラッグ問題は貧困問題である。(貧困層が金持ちに売りまくることが可能な、割りの良い商品) このドラッグ […]
旧ソ連の国々はどの国も一様に貧しく、救いがない。ソビエト社会主義連邦が崩壊してからも、それぞれの国はロシアに頼る形で生きながらえてきた。 そのロシアも、1998年1月に通貨ルーブルを1000分の1に切り下げるデノミを強行、8月にはデフォルト(債務不履行)に追い込まれてしまった。 これによってウクライナも経済的に追い込まれて、この頃からウクライナ女性は世界中に散らばって売春ビジネスに従事するようにな […]
2013年5月6日、アウシュビッツの収容所看守をしていた93歳のドイツ人ハンス・リプシスが逮捕されている。ユダヤ人はアウシュビッツに関わっていた人間を決して許さない。 ハンス・リプシスはアウシュビッツ収容所ではコックをしていて虐殺には関わっていないと容疑を否認している。 しかし、それでもユダヤ人にとってはアウシュビッツの運営者のひとりであり、大虐殺に荷担した人間であると責任を追及している。 ハンス […]
2012年11月2日。映画「慕情」の原作者だったハン・スーインが死去したという。映画「慕情」がいくら名作だと言っても、もう知っている人はいないはずだ。 これは1955年の映画であり、まさに「大昔」と言ってもいいほど昔の映画だからである。また観たことがあるという人でも、すでにその内容すらも覚えていないに違いない。 しかし、このロマンチックな主題歌は未だに聴かれる。 題名は”Love Is […]
シルビア・クリステルが死んだ。2012年10月18日、60歳だった。癌を患い、2012年7月には脳卒中を起こして寝たきりになっていた。 それから3ヶ月で亡くなっているので、最期は意識もなかったのかもしれない。全世界の女性の性意識を転換させた女性の静かな死だった。 シルビア・クリステルという女優は、多くの映画で人々に感銘を与えた女優ではなかった。50本近くの映画に出ていたが、ただひとつ「エマニエル夫 […]
インドが制作しているボリウッド映画は、現実をほとんど反映していないことが多い。 出てくる登場人物は美男美女ばかりで、現実の貧困や格差や差別から目を背けて、絵空事ばかりを映像にしているのが目立つ。無駄に長く、主人公が途中で踊り出して非現実感が際立つ。 だから、インドの現状を見たければボリウッド映画ではなく、皮肉なことに外国人監督が外国人相手に作った映画を見るしかない。 その中で、娯楽映画として大成功 […]
2012年6月に、映画『エマニエル夫人』を演じていたシルビア・クリステルが脳卒中で入院したという記事が掲載されていた。 エマニエル夫人と言えば、1974年の映画だから、もう40年近くも昔の映画なのに、いまだ語り継がれる不思議な映画である。 なぜ不思議かというと、映画自体は名作でも何でもなく、原作すらも駄作で読まれることもないからだ。 しかし、この映画は映像美とシルビア・クリステルの美しさだけで、全 […]
セックス依存症というのは本当に聞きなれないものだが、そういうものがあって、これを専門用語ではOOCSB(out-of-control sexual behaviours)と呼ぶらしい。 「制御不能性行動症候群」みたいな日本語を当てられるのだろうが、一般には Sex addicts (セックス中毒)みたいな言い方のほうが馴染みがあるかもしれない。 かつては色情狂(ニンフォマニア)という言葉もあったが […]
ブラジルと言えば、BRICSの一角として投資家の対象になっている国家のひとつである。 2014年にはワールドカップ、そして2016年にはオリンピックが予定されており、今後の10年はブラジルという国の注目度は半端ではない。 アジアでは中国の台頭が世界の注目を浴びているが、アメリカ大陸ではブラジルの台頭が注目を浴びている。しかし、この輝かしいブラジルの時代に射す「暗い影」が貧困と麻薬と腐敗と暴力である […]