◆映画『To Leslie トゥ・レスリー』深刻なアルコール依存の女性を描いた物語

◆映画『To Leslie トゥ・レスリー』深刻なアルコール依存の女性を描いた物語

元々うまくいかない人生を送っていたテキサス州西部に住むシングルマザーの女性が、宝くじで19万ドル(約2800万円)を当てるのだが、6年後にはそれを完全に使い果たしてモーテルの代金すらも払えなくなって叩き出される。

しかたなく彼女は縁を切られていた二十歳の息子のアパートに転がり込むのだが、そこでも「酒だけは飲むな」と言われているのに、連日のように隠れて酒を飲み、さらにカネがなくなったので息子のカネや息子の同僚のカネをくすねているのがバレる。

結局、彼女は追い出されて、今度は地元の昔の知り合いのところに引き取られるが、そこでもトラブルを起こして追い出される。

地元で完全にホームレスと化した彼女は、その境遇を見かねたモーテルのオーナーの善意と配慮でモーテルの住み込みの仕事を与えてもらうのだが、前借りしては酒に注ぎ込み、寝坊しては言い訳し、仕事も手抜きでどうしようもないので、ここでも呆れ果てられていく……。

私は最近ほとんど映画を観たいとも思わなかったのだが、この映画だけは観てみたいと思っていた。

アルコール依存の女性が引き起こすトラブルはリアルだし、金融リテラシーのない人が宝くじに当たって、人生が「大逆転」どころか逆にますます深い底辺に落ちていく現実もリアルだと思ったからだ。

私たちは、金持ちになったら幸せになれるという思い込みがあって、「だから宝くじが当たったら一瞬で幸せが手に入る」と考える。しかし、現実はそうではない。たしかに爆発的に浪費できる、という意味では一時の幸せが得られるかもしれない。

しかし、浪費は何も生み出さない。

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